(Translated by https://www.hiragana.jp/)
WINDOW　Summer No.29

WINDOW（財）ざいだんほうじん高知こうち県けん交流こうりゅう協会きょうかい
2001　世界せかいの笑顔えがおあつまれ
Summer No.29

〈特集とくしゅう〉
第だい4回かい国際こくさい協力きょうりょく市民しみん講座こうざより
「青少年せいしょうねんの国際こくさい協力きょうりょく・国際こくさい交流こうりゅう」
◆新任しんにんのJICA国際こくさい協力きょうりょく推進すいしん員いん
　大原おおはら健治けんじさんにインタビュー
◆韓国かんこく大学生だいがくせい訪日ほうにち研修けんしゅう団だん来らい高だか
◆民間みんかん国際こくさい交流こうりゅう団体だんたい紹介しょうかい
　特定とくてい非ひ営利えいり活動かつどう法人ほうじん
　「アジア文化ぶんか交流こうりゅう会かい」
◆Letters from Abroad
　前田まえだ　紗しゃ織お（アルゼンティン）
　永森ながもり　美和みわ（アメリカ）
(写真しゃしん)アンコールワット遺跡いせき(カンボディア)




新任しんにんのJICA国際こくさい協力きょうりょく推進すいしん員いん
大原おおはら健治けんじさんにインタビュー

　 高知こうち県けん国際こくさい交流こうりゅう協会きょうかい内ないに国際こくさい協力きょうりょく事業じぎょう団だん国際こくさい協力きょうりょく相談そうだんコーナーが設置せっちされ、国際こくさい協力きょうりょく推進すいしん員いんとして青年せいねん海外かいがい協力きょうりょく隊たいOBの大原おおはら健治けんじさんが７月がつに赴任ふにんしました。ガーナでの青年せいねん海外かいがい協力きょうりょく隊たい経験けいけんを活いかして、開発かいはつ教育きょういくや国際こくさい協力きょうりょくボランティアに関かんする相談そうだん、出張しゅっちょう講義こうぎなど国際こくさい協力きょうりょく推進すいしんのため幅広はばひろい活動かつどうを行おこなっていきます。

問合といあわせ：高知こうち県けん国際こくさい交流こうりゅう協会きょうかい内ない
TEL 088-875-0022 FAX 088-875-4929


「県内けんないどこにでも参まいります。声こえをかけてください！」


青年せいねん海外かいがい協力きょうりょく隊たいに参加さんかしてみようと思おもったきっかけ

　

　1994年ねんに起おこったルワンダ虐殺ぎゃくさつの報道ほうどうを見みて、当時とうじ大学院生だいがくいんせいだった私わたしは大変たいへんなショックを受うけました。それを機きに、内戦ないせんや虐殺ぎゃくさつが起おこらないようにするために自分じぶんにも何なにかできないかと考かんがえるようになったんです。自分じぶんにできること、自分じぶんの得意とくい分野ぶんやといえば、やはり専せん門もんに勉強べんきょうしていた数学すうがく。内戦ないせんや虐殺ぎゃくさつをなくすためにはしっかりした教育きょういくが重要じゅうようで、教育きょういくをとおして何なにが真実しんじつで一人ひとりひとりが何なにをしなければいけないのかを考かんがえるきっかけを与あたえたいという思おもいもあり、理数りすう科か教師きょうしとして青年せいねん海外かいがい協力きょうりょく隊たいに参加さんかすることを決心けっしんしました。



熱あつい決意けついで乗のり込こんだガーナ。待まち受うけていた困難こんなん！？



ガーナの高校こうこうで教壇きょうだんに立たつ大原おおはらさん
　赴任ふにんしたのは12月。ガーナは10月がつから４月がつまでは乾季かんきで雨あめがほとんど降おりません。雨あめが降ふらないということは水みずがない。心配しんぱいで同僚どうりょうに何なん度ど尋たずねても「生徒せいとが汲くんできてくれるから大丈夫だいじょうぶ」と答こたえるばかり。そうこうしているうちに、今度こんどは学校がっこうの敷地しきち内ないにある教員きょういん用ようの宿舎しゅくしゃに一人ひとりで住すむはずが、ガーナ人じんの同僚どうりょうと同居どうきょすることになったんです。この同僚どうりょうが乾季かんきだというのに水みずをバシャバシャ使つかうんですよ。この同僚どうりょうに限かぎらずガーナ人じんの大人おとなは乾季かんきでも平気へいきで水みずをたくさん使つかいます。結局けっきょく、生徒せいとが汲くんできてくれた水みずがなくなるのを気きにしていたのは私わたしだけ。私わたしのイライラは日ひに日ひに積つもっていきました。
　またガーナ人じんは日本人にっぽんじんのように遠慮えんりょをしないので、親切心しんせつしんで「冷蔵庫れいぞうこを使つかってもいいよ」と言いったら私わたしの分ぶんの食料しょくりょうまで食たべられてしまった、なんてこともありました。


ガーナ人じんは神様かみさままかせで口達者くちだっしゃ
　

　ガーナ人じんは自分じぶんが努力どりょくしなくても神様かみさまにお祈いのりさえしていれば叶かなうと思おもっているところがあります。私わたしの教おしえ子ごにも夢ゆめは持もっているけれど本当ほんとうに努力どりょくしているという学生がくせいは少すくなく、「どうしてもこれをやりたいんだ！」という強つよい気持きもちは伝つたわってきませんでした。
　また、アフリカは会話かいわの文化ぶんかと言いわれているだけあって、みんな口達者くちだっしゃでよくしゃべります。「しゃべる間あいだがあったらやってみろ！」と思おもわず言いいたくなりますよね（笑）。遅刻ちこくしてきた生徒せいとに注意ちゅういをすると、「明日あしたは遅刻ちこくしません」と素直すなおに謝あやまっておきながら、次つぎの日ひもまた遅刻ちこくして来きます。そして、「ノートを忘わすれたから…」「水みずを汲くみに行いっていたから…」と得意とくいのい訳いわけが始はじまるのです。


青年せいねん海外かいがい協力きょうりょく隊たいに参加さんかしてよかった！
　

　口達者くちだっしゃといえども、子こどもたちはみんな素直すなおで純粋じゅんすいです。計算けいさんができたり、問題もんだいが解とけたりすると「できた！できた！」と大だい喜よろこびでノートを見みせに来きてくれます。自分じぶんが教おしえたことでこんなに喜よろこんでくれる。青年せいねん海外かいがい協力きょうりょく隊たいに参加さんかしてよかったと心しんから思おもえた瞬間しゅんかんです。


日本にっぽんの子こどもたちに知しってもらいたいこと



　現地げんち食しょく「バンク−」を作つくる少女しょうじょ

　ガーナの子こどもたちは両親りょうしんや学校がっこうの先生せんせい、目上めうえの人ひとの手伝てつだいをよくします。これは特別とくべつなことではなく、手伝てつだいをするということが子こどもたちの大事だいじな役目やくめなのです。また、困こまっている人ひとがいたら助たすけてあげる。これもガーナの子こどもたちにとっては当あたり前まえのことです。そんなガーナの子こどもたちの中なかには、経済けいざい的てきな理由りゆうで学校がっこうに行いきたくても行いけない子こどもがたくさんいます。世界せかいにはそういう国くにがあるということを日本にっぽんの子こどもたちに知しってもらいたいですね。
　アフリカの子こどもたちは自分じぶんたちのおかれた状況じょうきょうを悲観ひかん的てきに考かんがえるのではなく、それを現実げんじつとして捉とらえてたくましく生いきています。実際じっさいに会あったアフリカの人ひとたちは、私わたしが想像そうぞうしていたよりも強つよい精神せいしん力りょくを持もっていました。



今後こんごの目標もくひょう




ガーナを発たつ前まえに同僚どうりょうや生徒せいとと一緒いっしょに撮とった思おもい出での一いち枚まい
留学りゅうがくしてカウンセリングの勉強べんきょうをし、内戦ないせんが勃発ぼっぱつしている地域ちいきや難民なんみんキャンプに赴おもむいて傷きずついた子こどもたちの心しんのケアができるようになれればと思おもっています。少すこしでも苦くるしんでいる子こどもたちの力ちからになれればと思おもいます。

NEXT→