職場しょくばでの熱中ねっちゅう症しょうによる死亡しぼう災害さいがい及および労働ろうどう災害さいがいの発生はっせい状じょう況きょう（平成へいせい24年ねん）

　職場しょくばでの熱中ねっちゅう症しょうによる死亡しぼう者しゃ数すうは、平成へいせい10年ねん以降いこうでは、平成へいせい22年ねんの47人にんが最高さいこうであった。それ以外いがいの年としは、概おおむね20人にん前後ぜんこうの年としが多おおく、減少げんしょう傾向けいこうを示しめしていない。

(点線てんせんは、５年ねん平均へいきん移動いどう直線ちょくせん)

　過去かこ3年間ねんかん（平成へいせい22〜24年ねん）の業種ぎょうしゅ別べつの熱中ねっちゅう症しょうの死亡しぼう災害さいがいの発生はっせい状じょう況きょうをみると、建設けんせつ業ぎょうが最もっとも多おおく全体ぜんたいの約やく４割わりを占しめている。次ついで製造せいぞう業ぎょうで全体ぜんたいの約やく２割わりを占しめている。

　過去かこ３年間ねんかん（平成へいせい22〜24年ねん）の作業さぎょう開始かいしからの日数にっすう別べつ発生はっせい状じょう況きょうをみると、全体ぜんたいの約やく５割わりが作業さぎょう開始かいしから７日にち以内いないに発生はっせいしている。作業さぎょう開始かいしからの日数にっすうとは、基本きほん通達つうたつでいう「高温こうおん多湿たしつ作業さぎょう場所ばしょ」で作業さぎょうを始はじめてからの日数にっすうである。

　上記じょうき21人にんの死亡しぼう者しゃのうち、

1. (1)18人にんについては、ＷＢＧＴ値ちの測定そくていを行おこなっていなかった。
2. (2)全員ぜんいんが、計画けいかく的てきな熱ねつへの順化じゅんか期間きかんが設定せっていされていなかった。
3. (3)８人にんについては、単独たんどく作業さぎょうを実施じっししていた。
4. (4)18人にんについては、自覚じかく症状しょうじょうの有無うむにかかわらない定期ていき的てきな水分すいぶん・塩分えんぶんの摂取せっしゅを行おこなっていなかった。
5. (5)11人にんについては、健康けんこう診断しんだんが行おこなわれていなかった。
6. (6)９人にんについては、糖尿とうにょう病びょう等とうの熱中ねっちゅう症しょうの発症はっしょうに影響えいきょうを与あたえるおそれのある疾病しっぺいを有ゆうしていた（疾病しっぺいの影響えいきょうの程度ていどは不明ふめい）。
7. (7)２人ふたりについては、体調たいちょう不良ふりょう、食事しょくじの未み摂取せっしゅまたは前日ぜんじつの飲酒いんしゅがあった。

　当該とうがい発生はっせい状じょう況きょうは、記録きろく的てきな猛暑もうしょであった平成へいせい22年ねんの職場しょくばにおける熱中ねっちゅう症しょうにより休業きゅうぎょう４日にち以上いじょうの労働ろうどう災害さいがい（死亡しぼうを除のぞく。）となった事案じあん（616件けん）をとりまとめたものである。
　なお、事案じあんの把握はあく方法ほうほうについては、労働ろうどう安全あんぜん衛生えいせい規則きそく第だい98条じょう第だい１項こうに基もとづく労働ろうどう者しゃ死傷ししょう病びょう報告ほうこく（事業じぎょう者しゃが労働ろうどう基準きじゅん監督かんとく署しょに同どう規則きそく様式ようしき第だい23号ごうにより提出ていしゅつ。）において、「暑熱しょねつな場所ばしょにおける業務ぎょうむによる熱中ねっちゅう症しょう」と分類ぶんるいされたものを計上けいじょうした。