平成28年5月
法務省入国管理局
1 アンケート調査の実施について
政府においては,2020年の訪日外国人旅行者数を4,000万人,2030年には6,000万人を目標として,観光立国実現に向けた施策を推進しています。
入国管理局に対しては,従来から,出入国審査手続の迅速化・円滑化が求められてきたところ,近時,各方面から,審査ブースにおける「笑顔での挨拶」を始めとした,よりホスピタリティのある出入国審査手続の実施が求められているところです。
これを受け,日本の空の玄関で勤務する入国審査官の入国審査に係るホスピタリティの現状について,調査・検証し,その結果を踏まえたホスピタリティの充実強化策を企画・立案することを目的として,今般,アンケート調査を実施し,その結果をとりまとめましたので公表します。
2 アンケート調査内容等
成田国際空港及び
関西国際空港において
入国審査手続を
終えた
外国人に
対して,
入国審査における
入国審査官の
対応に
関するアンケート
調査を
実施しました。
1.
調査対象者
成田国際空港及び
関西国際空港において
入国審査手続を
終えた
外国人の
方を
対象に
実施。
2.
実施場所
アンケートの
実施場所は,
以下のとおり。
(1)
成田国際空港
第1ターミナル(
北上陸審査場及び
南上陸審査場)
及び
第2ターミ ナルの
入国審査ブースの
出口付近
(2)
関西国際空港
第1ターミナル(
北上陸審査場及び
南上陸審査場)の
入国審査ブー スの
出口付近
3.
調査期間
成田国際空港
平成28
年1
月27
日(
水),1
月28
日(
木),2
月2
日(
火),2
月3
日(
水)
関西国際空港
平成28
年1
月27
日(
水),1
月28
日(
木),1
月29
日(
金),2
月2
日(
火)
4.
回収数
回収数:1,888
人
有効回答数:1,839
人(
成田国際空港:1,091
人 関西国際空港:748
人)
5.
調査内容
「
入国審査における
入国審査官の
対応」に
関する
項目について,「
満足,やや
満足,
普通,やや
不満,
不満」の5
段階で
評価し,その
評価の
理由を
回答。
調査項目は,
アンケート用紙[PDF]を
御覧下さい。
3 調査結果概要
<結果概要> ※アンケート
調査結果の
詳細については,
アンケート調査報告書[PDF]を
御覧下さい。
・有効回答数1,839人
・「満足」「やや満足」と回答した回答者:1,681人(全体の91.4%)
・「不満」「やや不満」と回答した回答者: 21人(全体の1.1%)
|
1.
有効回答数1,839
人のうち,
入国審査における
入国審査官の
対応に「
満足」と
回答したのは
全体の63.9%。
「やや
満足」の
回答を
含めると,91.4%であり,
全体の90%
以上が
入国審査官の
対応に
肯定的な
印象を
受けている。
空港別の「
満足」の
回答比率は,
成田国際空港が71.3%(「やや
満足」の
回答も
含めると,94.6%),
関西国際空港が53.1%(「やや
満足」の
回答も
含めると,86.8%)という
結果でした。
空港別の「
不満」の
回答比率は,
成田国際空港が0.3%(「やや
不満」の
回答も
含めると,0.8%),
関西国際空港が0.4%(「やや
不満」の
回答も
含めると,1.6%)という
結果でした。
2.
満足した
理由(「
満足」
又は「やや
満足」と
回答した
方のみき
取りを
実施(
複数回答可)。)
満足した
理由について,「
対応が
速い」という
理由が
最も
多く,
回答者(1,681
人)の72.1%,
次いで「
対応が
丁寧である」が61.0%であったことから,
入国審査を
早く
終了したい,ただし
丁寧に
対応してもらいたいという
利用者の
思いがうかがえます。
空港別では,
成田国際空港は
回答者(1,032
人)のうち「
対応が
速い」が80.7%,「
対応が
丁寧である」が63.0%でしたが,
関西国際空港では
回答者(649
人)のうち「
対応が
速い」が58.4%,「
対応が
丁寧である」が57.9%でした。
3.
不満を
持った
理由(「
不満」
又は「やや
不満」と
回答した
方のみき
取りを
実施(
複数回答可)。)
不満を
持った
理由について,「
説明が
分かりにくい」,「
言葉が
通じない」,「
言葉がき
取りにくい」という
理由が
最も
多く,いずれも
回答者(21
人)の38.1%であり,
入国審査官と
会話をする
場面での
不満が
多く
挙げられました。
空港別では,
成田国際空港は
回答者(9
人)のうち「
笑顔で
対応していない」が44.4%でしたが,
関西国際空港では「
説明が
分かりにくい」,「
言葉が
通じない」,「
言葉がき
取りにくい」がいずれも
回答者(12
人)の58.3%でした。
4.
総括
入国審査における
入国審査官の
対応については,
全体的には
肯定的な
印象を
受けているものの,「
説明が
分かりにくい」,「
言葉が
通じない」,「
言葉がき
取りにくい」といった
御指摘がありました。
これを
受けて,
外国人に
対応する
場合の
表情,
態度,
話し
方や
言葉遣いなど
接遇に
関する
基本事項及び
接遇の
重要性について,
職員に
対する
研修等において
改めて
確認,
意識付けを
行うなど,
接遇能力の
向上を
図ることにより,「
笑顔での
挨拶」を
始めとした,よりホスピタリティのある
出入国審査手続の
実施を
進めてまいります。
また,「
対応が
遅い」との
御指摘もありました。
御指摘の
背景には,
入国審査待ち
時間の
長時間化が
考えられるところ,
入国管理局においては,
引き
続き
人的・
物的体制の
充実強化に
取り
組むとともに,
併せて,
新しい
技術や
仕組みの
導入などにより,
入国審査待ち
時間の
短縮に
努めてまいります。
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