晩婚化の進む昨今、不妊の原因が男性である事例が増えています。WHOの調査では、不妊の悩みを抱える夫婦やカップルのおよそ半数において、男性側の問題が関与していることがわかっています。
その原因のひとつが加齢による精液の減少です。
加齢と共に精液が減るのは、ごく自然なことです。とは言え、妊活を行う男性にとっては何としても精液を増やしたいところ。子供を望む男性のために、少しでも精液の増量に役立つ方法を紹介します。
一般的な精液の量は1.4~6ml程度
そもそも一回の射精で放出される精液は、どの程度の量なのでしょうか?
WHOが2021年に発行した最新のマニュアルによると、約1.4~6mlが一般的な精液の基準とされています。妊娠に最低限必要である精液量の基準は、約1.4ml程度です[1]。1.4mlを下回る場合は、精液過少症と診断されます。
上記の1.4mlはあくまで最低限のラインです。自然妊娠を成立させた日本人男性の平均精液量は約3.1mlである、という臨床データもあります。[2]。
3.1mlを下回っている場合は、精液の量が減少傾向であると考えられます。自然妊娠を望むのであれば、何らかの改善が必要と言えます。
精液の量はティースプーンを使って測ることが可能
自身の精液の量を測る場合には、小さじの計量スプーンが適しています。計量スプーンが無い場合には、ティースプーンでも代用可能です。いずれも1杯あたりの容量は5mlです。
精液の量がスプーンの容量(5ml)を超えるようであれば、多めの量の精液が出ていることが分かります。目分量にはなりますが、スプーンの3/5を超えるようであれば、平均量である3.1ml以上の精液が出ていることになります。
スプーンで計量する際には、一度紙コップなどに射精するのが簡単です。精液は射精から時間が経つと、水っぽくなってきます。射精から10分〜15分くらい経って、精液がサラサラになったらティースプーンに注ぎましょう。
精液を増やす5つの方法
精液を増やすには、精子が生成されやすい環境作りや生成に役立つ成分の補充が必要です。これらの条件を揃える方法として、以下の5つが挙げられます。
- 適切な時間内の睡眠を心がける
- 禁煙する
- 筋トレなどの運動を行う
- 股間を涼しく保つ
- 精液に必要な栄養を摂取する
項目ごとに詳しく確認していきましょう。
①適切な時間の睡眠を心がける
適切な睡眠時間を確保することは、精液を増やすために必要不可欠です。睡眠不足は、精液の生成量や精子の質を低下させることがわかっています。十分な睡眠を習慣にすることは、精液の増加のみならず、精子の活発化にも必要です。
中国の重慶市で行われた調査では、精子の量や質が最も向上する睡眠時間は7~7.5時間という結果が得られています[3]。
調査では睡眠時間が6.5時間以下になると、精液の量が4.6%減少しました。加えて精子の数が25.7%減少し、質も悪くなることが分かりました。
睡眠時間が9時間を過ぎた場合はさらに悪化し、精液の量が21.5%減少しています。精子の数も39.4%減少し、量も質も大幅に低下しました。
寝不足のみならず、寝過ぎも悪影響をおよぼすことがわかります。精液の量や精子の質を向上させるにあたっては、過不足のない適切な長さの睡眠が重要です。
睡眠は「質」も大事
デンマークで行われた調査では、寝付きが悪い・早朝に起きてしまう・夜中に何度も起きてしまうといった睡眠障害のある男性の精液が測定・比較されました[4]。
その結果、重度の睡眠障害を抱えている男性では、そうでない男性に比べて精子濃度が29%も低いことが判明しました。また「正常な形をした精子の数」が、健全な男性に比べて少ないことも分かったのです。
以上のデータから、睡眠時間の長さだけでなく、ぐっすり深く眠ることも精液の向上に必要といえます。
睡眠の質の向上には、鎮静作用のあるアシュワガンダなどの成分を配合したサプリメントの摂取が効果的です。
②禁煙をする
タバコは精液の量を減らし、質も低下させます。喫煙は精液に重大な悪影響を及ぼす要素になるので、禁煙は精液を増やすうえで非常に大切です。
ヨーロッパの泌尿器科学会誌に掲載された論文では、喫煙が精液に及ぼす影響が検証されています[5]。喫煙者は非喫煙者に比べて精子数、運動性、正常精子形態率の3項目が悪化します。
精子数は平均972万個ほど減り、精液量も0.21mlほど減少します。運動性は平均3.48%ほど低下し、奇形精子の発生率が約13%増加します。
これらの悪化により、喫煙者の精液は受精が失敗しやすくなります。妊娠を望む喫煙者は、禁煙が必要とされます。
また、喫煙はEDのリスクを上昇させます。タバコの本数とともにリスクも増加し、1日11本以上で非喫煙者の約1.5倍以上になります。EDは射精以前に性行為そのものが失敗する原因になるため、注意が必要です。
自力での禁煙が難しい場合は禁煙補助薬がおすすめです。禁煙時の離脱症状を和らげたり、タバコをまずく感じさせたりといった効果が得られます。
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③筋トレなどの運動を行う
精液の量を増やすには筋肉も重要です。筋肉はテストステロンの分泌に関わります。テストステロンは男性の性機能に関わる重要なホルモンであり、精子の生成には必要不可欠です。
筋肉の衰えはテストステロンを減らし、精液の減少にもつながります。テストステロンは精液だけでなく性欲の源でもあるので、筋トレは性機能全般の向上に有用です。
オススメの筋トレはスクワットです。勃起や射精に関わるPC筋を鍛えながら筋肉量を増やせます。スクワットは精液の量を増やすのに適した筋トレです。
その他にも肥満に当てはまる男性は、有酸素運動を採り入れたダイエットを行いましょう。そうすることで、テストステロンの増加につながります。自分の身体に合った筋トレで精液の量を増やしましょう。
④股間はできるだけ涼しい状態を保つ
精液の量を増やすには、股間を涼しく保つことが重要です。精子を作る精巣は、体温よりも低い温度でないと機能が低下します。
そのため、股間を温めると精子の質と量が低下し、精液の量にも影響します。股間を涼しく保つことは、精液にとっても重要な要素なのです。
股間を涼しく保つ方法には、トランクスを履くことがオススメです。ブリーフやボクサーパンツは蒸れやすく股間の温度が高くなります。その点、トランクスは通気性が良く蒸れにくいので、精液を増やすのに適しています。特に股間が高温になりやすい夏にはトランクスを履くようにしましょう。
高温によって精巣の機能が低下すると、正常に戻るまで時間がかかります。サウナや長風呂、コタツなども原因となりますので、入りすぎには注意しましょう。
⑤食事から精液に必要な栄養を得る
精液の量を増やすには、日々の食事から必要な栄養を摂取することも重要です。精液や精子の生成には、以下の栄養が役立つと言われています。
- 亜鉛
- 葉酸
- アルギニン
- ビタミンA
- ビタミンB12
- ビタミンE
これらの栄養はすべて精液や精子の量に関わりがあります。その中でも特に重要とされているのが亜鉛です。
亜鉛は体内の細胞分裂や免疫などさまざまな機能に関わるミネラルです。体内で生成されない栄養なので外部から摂取する必要があります。
亜鉛が不足すると、テストステロンの分泌が低下します。精液の生成量が減少したり、精子の質が低下したりする原因となります。亜鉛は精液を増やすために欠かせない栄養です。
亜鉛の推奨量は、30歳以上の男性であれば1日11mg、最大摂取量は45mgです。牡蠣、牛肉、イワシ、レバー、カボチャなど、肉・魚介・野菜から摂取できます。
調理法によっては水分に溶け出し、十分な量を摂取できない可能性もあります。短時間で調理できる料理にするか、煮汁まで食べるようにしましょう。
亜鉛はサプリメントからも摂取できます。過剰摂取にならないよう、食事とのバランスを考慮して服用しましょう。サプリメントを選ぶ際には亜鉛に加え、前述したアルギニンなどの栄養をバランスよく含んだ製品がおすすめです。
精液の量や濃度の改善に役立つサプリメント
精液の増加には、必要な成分が凝縮されたサプリメントが役立ちます。サプリメントを利用することで、食事だけでは不足しがちな栄養を効率的に摂取できます。
精液の増加に役立つサプリメントとして「スペマン」が挙げられます。スペマンは、インドの伝統医学であるアーユルヴェーダで利用されているサプリメントです。男性の精子減少症における精子の形成に役立ちます。
スペマンには、テストステロン量の維持に役立つハマビシや精巣機能の改善に役立つコキラクシャなどの天然ハーブがブレンドされています。いずれも普段の食事では摂取できない有用成分です。これらの栄養を継続的に摂取し続けることで、精子の量や質の向上などがサポートされます。
その他、当サイトでは精子の増加に役立つ栄養を配合した天然サプリメントを多数取り扱っています。以下の記事では、性機能や睡眠の質の向上に役立つヒマラヤ原産のサプリを紹介しています。
精子は作られた1日目が最も質が高い
誤解されがちですが、妊娠率を向上させるために精子を溜め続けるのは逆効果です。性交の日に合わせて、長期間の禁欲を続けるのはおすすめできません。
精液に含まれる精子は、生成された1日目が最も質が高くなります。体内で溜め込む期間が長引くほど、精子の質は低下していきます。妊活する場合は、適切なペースで射精するほうが効果的なのです。射精回数と質のバランスを考えるのであれば、2日に1回の射精がオススメです。
妊活の成功には精液の量と質の向上が大切
妊活を成功させるためには、精液を増やすことに加え、精子の質を高めることも重要です。精液が多くても、薄かったり精子が奇形だったりすると妊娠率は低下します。これらはいずれも、男性ホルモンの分泌量や精巣機能が関わってきます。改善にあたっては、生活習慣の見直しが大切です。
まず喫煙している方はできるだけ早めに禁煙を開始しましょう。喫煙は精子の量や質に大きな悪影響を及ぼします。
睡眠や食生活の改善も大切です。適度な睡眠時間でぐっすり眠り、テストステロンの増加や精巣機能の向上に有用な栄養素を摂るよう心がけましょう。
テストステロンを増やす手段として筋トレもおすすめです。
また栄養の摂取にはサプリメントが便利です。サプリメントからは精子の生成に必要な栄養を効率的に摂取できます。当サイトでは、伝統医療で男性不妊の治療に使われている「スペマン」などの海外サプリメントを購入できます。
また性機能の衰えに伴う勃起不全を併発している方には、バイアグラなどのED治療薬の使用がおすすめです。ED治療薬には海綿体への血流を促す働きがあり、勃起の維持をサポートします。
ED治療薬は、完全に勃起できない人のためだけの薬ではありません。「若い頃に比べて弱くなった」といった軽度な不満を解消するうえでも役立ちます。
- 参考文献・参考サイト
- [1]Florence Boitrelle, et al. "The Sixth Edition of the WHO Manual for Human Semen Analysis: A Critical Review and SWOT Analysis"Life (Basel),2021 Dec;11(12)1368.
- [2]Teruaki Iwamoto, et al."Semen quality of fertile Japanese men:a cross-sectional population-based study of 792 men"BMJ,2013 jan; 25;3(1)e002223.
- [3]Qing Chen, et al."Inverse U-shaped Association between Sleep Duration and Semen Quality: Longitudinal Observational Study (MARHCS) in Chongqing, China"Sleep,2016 Jan;1;39(1):79-86.
- [4]Tina Kold Jensen, et al."Association of Sleep Disturbances With Reduced Semen Quality: A Cross-sectional Study Among 953 Healthy Young Danish Men"Am J Epidemiol,2013 May 15;177(10):1027-37.
- [5]Reecha Sharma, et al."Cigarette Smoking and Semen Quality: A New Meta-analysis Examining the Effect of the 2010 World Health Organization Laboratory Methods for the Examination of Human Semen"Eur Urol. 2016 Oct;70(4):635-645.