戦闘機パイロットの夢を不慮の事故で断たれた空井大祐29歳が、転属先の航空幕僚監部広報室で出会ったのは、テレビ・ディレクター稲葉リカ25歳だった。
大の自衛隊嫌いのリカの言葉に刺激されながら、空井は、少しずつ新しい夢を追い始める。
鷺坂室長 (またの名を詐欺師鷺坂) をはじめ、強引勝手な広報幹部・片山や、残念な美人・柚木、下士官として広報室を支える比嘉など、ひと癖もふた癖もある先輩たちに囲まれて、空井とリカが、新たな夢に向かって羽ばたく様子を描く長篇小説。
巻末の書き下ろし 「 あの日の松島 」 の舞台は松島基地。
直木賞候補作にもなった。