環境出前授業～身近な「木づかい」を感じよう～

2月がつ8日にち、苫小牧とまこまい市立しりつ明徳めいとく小学校しょうがっこうの4年生ねんせい36名めいが参加さんかして
北海道ほっかいどうエコ・アクション「環境かんきょう出前でまえ授業じゅぎょう」が行おこなわれました。
今回こんかいは、全国ぜんこく各地かくちで社しゃ有ゆう林りんを守まもり育そだてている三井物産みついぶっさん、三井物産みついぶっさんフォレストや、授業じゅぎょう会場かいじょうでもあるイワクラ、苫小牧とまこまいバイオマス発電はつでんの方々かたがたが先生せんせいとなり、「木きを育そだてる・活いかす」仕事しごとの
お話はなしを聞きき、「木きづかい」の現場げんばを実際じっさいに見学けんがくするという内容ないように、
子こどもたちは終始しゅうし目めを輝かがやかせていました。

三井物産みついぶっさんフォレスト（株）かぶしきがいしゃ平取びらとり山林さんりん事務所じむしょ　細島ほそじま彩あや起おこり子こさん

三井物産みついぶっさん（株）かぶしきがいしゃ環境かんきょう・社会しゃかい貢献こうけん部ぶ　斉藤さいとう江美えみさん

　森もりは木材もくざいや紙かみ、燃料ねんりょう、水みずや食糧しょくりょう、動物どうぶつたちのすみかなど、さまざまな恵めぐみをもたらしてくれます。森もりを守まもるためには自然しぜんのままそっとしておくべき？いえいえ、森もりは放はなっておくとどんどん荒あれてしまいます。苗木なえぎを植うえて下刈したがりや裾すそ枝えだ払ばらいなどの手入ていれをし、適度てきどに間伐かんばつをして大おおきくまっすぐな木きを育そだて、伐採ばっさいして利用りようする。そうすることで再ふたたび苗木なえぎが植うえられ、林業りんぎょうのサイクルがうまく回まわっていくのです。暮くらしに役立やくだつさまざまな形かたちで木きを使つかう「木きづかい」が森もりを守まもり、その恵めぐみを次世代じせだいへ受うけ継ついでいくことになるのですね。

　「FSC^®森林しんりん認証にんしょう」マークが表示ひょうじされた製品せいひんは、林業りんぎょうによって適切てきせつな森林しんりん管理かんりがされている「木きづかい」の証あかし。普段ふだん使つかっているノートや鉛筆えんぴつにもマークが付ついているものがあると知しった子こどもたち、「木きづかい」がぐっと身近みぢかになったようです。みんなのおうちにもいろいろありそうですね。

（株）イワクラ管理部技術開発室高橋賢孝さん　苫小牧バイオマス発電（株）代表取締役社長塚田洋平さん

　木きと共ともに100年ねんを超こえる歴史れきしを歩あゆむ(株かぶ)イワクラ。1953年ねんに日本にっぽん初はつのホモゲン（パーティクルボード）工場こうじょうを操業そうぎょう以来いらい、木材もくざいの有効ゆうこう利用りように積極せっきょく的てきに取とり組くんできました。建築けんちく解体かいたい材ざいを加工かこうして建築けんちく材料ざいりょうとなるホモゲンに再生さいせい。製材せいざいにならない間伐かんばつ材ざい、山やまに捨すてられていた根元ねもとや枝葉えだははペレットやチップ、薪たきぎなどの燃料ねんりょうに。真冬まふゆの北海道ほっかいどうで新鮮しんせんな野菜やさいや花はなが育そだつ農家のうかのビニールハウスにも、これらの木質もくしつ燃料ねんりょうが暖房だんぼうに使つかわれてるのだそうです。
　そして今いま、木きの新あらたな有効ゆうこう利用りようとして注目ちゅうもくされているのが「木質もくしつバイオマス発電はつでん」。2014年ねんに、三井物産みついぶっさんとイワクラ、住友林業すみともりんぎょう、北海道ほっかいどうガスの共同きょうどう出資しゅっしにより設立せつりつされた苫小牧とまこまいバイオマス発電はつでんでは、木質もくしつ燃料ねんりょうを燃もやして水蒸気すいじょうきを発生はっせいさせ、蒸気じょうきの圧力あつりょくでタービンを回まわして電気でんきをつくります。未み利用りよう材ざいの活用かつようにより安定あんていした発電はつでん量りょうを確保かくほでき、太陽光たいようこうや風力ふうりょくと違ちがって自然しぜん環境かんきょうに左右さゆうされることもありません。

　3時じ間あいだ目めはバスに乗のって施設しせつの見学けんがくです。イワクラの敷地しきち内ないに入はいると、高たかく積つまれた廃材はいざいやチップがあちらこちらに。これらはホモゲンなどの製品せいひんに再生さいせいされます。建築けんちく解体かいたい材ざいはのこぎりくずまで捨すてずに利用りよう。イワクラの「もったいない精神せいしん」の証あかしです。
　苫小牧とまこまいバイオマス発電はつでんでは、集あつめられた丸太まるたがチッパーと呼よばれる鉛筆えんぴつ削けずりのような機械きかいで小ちいさく粉砕ふんさいされて保管ほかんされます。写真しゃしんの子こどもたちが取とり囲かこむチップの山やまが一般いっぱん家庭かてい1万まん軒けん分ぶんの発電はつでん量りょうにあたるそうです。普段ふだん何気なにげなく使つかっている電気でんきにも、息いきの長ながい林業りんぎょうのサイクルによって守まもられてきた木きのいのちが宿やどっている。そう思おもうと、電気でんきの無駄遣むだづかいなどできそうにありません。おうちの人々ひとびとにも教おしえてあげたいこと、今日きょう1日にちで子こどもたちはたくさん学まなんだみたいです。

発電用チップ

授業を終えて

●苫小牧とまこまい市立しりつ明徳めいとく小学校しょうがっこう
鈴木すずき秀寿ひでとし　先生せんせい

今回こんかいの授業じゅぎょうは、子こどもたちはもちろん私わたしたち大人おとなにとっても、自分じぶんの暮くらしが森もりと深ふかく関かかわっていることを実感じっかんする良よい機会きかいになりました。地元じもと企業きぎょうによる循環じゅんかん型がた社会しゃかいへの取とり組くみを知しり、発電はつでん用ようチップを触さわって木きの匂においや感触かんしょくを味あじわった経験けいけんは、子こどもたちの心しんにしっかり刻きざまれたことでしょう。再生さいせい可能かのうエネルギーを授業じゅぎょうで学まなぶ5年生ねんせいにも、ぜひ受うけさせてあげたいと思おもえる内容ないようでした。