弘ひろし化か２年ねん（1845）、11代だい紀伊きい藩主はんしゅ 徳川とくがわ斉順なりゆきの正室せいしつ 豊ゆたか姫ひめが、死後しご江戸えどから紀伊きいまで送おくられた際さい、神奈川かながわ本陣ほんじんに宿泊しゅくはくした時ときに掲示けいじされた宿やど札さつです。旅たびの一いち行ぎょうの主あるじが豊ゆたか姫ひめ＝鶴つる樹いつき院いんの遺体いたいであるため、「鶴つる樹いつき院いん殿どの遺体いたい宿やど」という珍めずらしい表記ひょうきになっています。

江戸えど時代じだい、幕府ばくふの政策せいさくにより相模さがみ川がわ（馬入ばにゅう川がわ）には橋はしが架かけられていませんでした。そのため大だい通行つうこうの際さいには、船ふねを連結れんけつした船橋ふなばしが架かけられました。宝たから暦れき14年ねん（1764）の朝鮮ちょうせん通信使つうしんし来訪らいほうの際さいにも、資料しりょうのような船橋ふなばしが東海道とうかいどう沿ぞいに架かけられました。

幕末ばくまつから明治めいじに日本にっぽんで活躍かつやくしたイギリスの外交がいこう官かん、アーネスト・サトウの書簡しょかんです。1867（慶応けいおう3）年ねんに吉井よしい耕こう助じょ宛あてに書かかれたもので、薩摩さつま藩はんの留守居るすい役やくとして京都きょうとにいた吉井よしいに対たいし、大阪おおさかに到着とうちゃくしたので時間じかんを見みつけて宿やど寺てらに立たち寄よってほしいと伝つたえる内容ないようです。

大岡越前守おおおかえちぜんのかみの墓所はかしょは神奈川かながわ県けん茅ケ崎ちがさき市しの浄きよし見み寺てらにあります。関東大震災かんとうだいしんさいで墓所はかしょも被災ひさいしましたが、「公おおやけの徳とく風ふうを欽慕きんぼする」人々ひとびとの寄付きふで昭和しょうわ初期しょきに修復しゅうふくされました。資料しりょうは阪谷さかたに芳郎よしお氏し旧きゅう蔵ぞう資料しりょうに含ふくまれていた復興ふっこう趣意しゅい書しょで、発起人ほっきにんには阪谷さかたに芳郎よしおをはじめ多おおくの名望めいぼう家かが名なを連つらねました。

昭和しょうわ43年ねんには明治めいじ100年ねんを記念きねんして様々さまざまなイベントが行おこなわれ、神奈川かながわ県けんでも「明治めいじ百ひゃく年ねん記念きねん表彰ひょうしょう式しき」が開催かいさいされ、百ひゃく歳さい以上いじょうの高齢こうれい者しゃなどが表彰ひょうしょうされました。