(Translated by https://www.hiragana.jp/)
「量産はぶっちゃけタフ」IoTハードウェアスタートアップに赤裸々話を聞いてみる (1/2) : - ASCII STARTUP

メルマガはこちらから

PAGE
TOP

量産りょうさんはぶっちゃけタフ」IoTハードウェアスタートアップに赤裸々せきららばなしいてみる

Qrio・Moff・BONX、クラウドファンディングや量産りょうさんときどうだった?

連載れんさい
IoT&H/W BIZ DAY 2 by ASCII STARTUP

1 2

 8がつ26にち開催かいさいされた「IoT&H/W BIZ DAY 2 by ASCII STARTUP」では5コマのセッションが実施じっしされ、あつがった。今回こんかいは、そのなかから「IoTハードウェアスタートアップ になる量産りょうさん裏側うらがわ」の様子ようす紹介しょうかいする。

Qrio、Moff、BONXの代表だいひょう勢揃せいぞろい!

 14からスタートした「IoTハードウェアスタートアップ になる量産りょうさん裏側うらがわ」のセッションCでは、Qrio株式会社かぶしきがいしゃ西條さいじょう晋一しんいち株式会社かぶしきがいしゃMoffの高萩たかはぎあきらはん株式会社かぶしきがいしゃBONXの宮坂みやさかたかだい登壇とうだん。モデレーターはASCIIの北島きたじま幹雄みきお

 セッションのテーマは、ハードウェアスタートアップの量産りょうさんについて。おおきなリソースを自由じゆう使つかえるわけではないスタートアップの場合ばあい量産りょうさんはとてもおおきなリスクにもなりうる。そのチャレンジを成功せいこうさせ、日本にっぽんにとどまらず世界せかいでの活躍かつやく目指めざ気鋭きえいの3しゃに、当時とうじ世相せそうから裏話うらばなしまでをからめてトークしてもらった。

 最初さいしょ確認かくにんしたのは3しゃ直近ちょっきん展開てんかいについて。

 まずは、Qrioの西條さいじょうから。Qrioは2014ねん12月に設立せつりつされ、2015ねんにスマートロック「Qrio Smart Lock」をリリース。2016ねん5がつにはスマートタグ「Qrio Smart Tag」を発表はっぴょうし、クラウドファンディングを実施じっしした。ほんイベント直前ちょくぜんでは、Qrio Smart Lockを遠隔えんかくから操作そうさできる「Qrio Smart Hub」の今冬こんとう発売はつばい発表はっぴょうしたばかりだった。

 「IoT、おもにBluetoothビーコンを使つかおうとすると、アメリカだとBLEにかぎらずいろんな通信つうしん規格きかくのIoTゲートウェイトやハブがあります。しかし、日本にっぽんではかずすくないうえに、それが結構けっこうたかいんです。センサーがうごいたことをインターネットにただアップする、シンプルに土管どかんのようなものがあれば、いろいろなことができます。ないなら、自分じぶんつくってしまおうと。ビーコンまわりでプロダクトをっておくと、あたらしい事業じぎょうプランをおもいついたときにすぐ実行じっこううつせるとうメリットもあります」(西條さいじょう

 つづくMoffの高萩たかはぎは、元々もともとメルセデス・ベンツの日本にっぽん法人ほうじん商品しょうひん企画きかくにいた。どちらかというとだい企業きぎょうハードウェアの世界せかいからひとえる。

 「メルセデス・ベンツをのちアプリの業界ぎょうかいはいったのですが、やっぱりハードウェアがインターネットにつながったら面白おもしろいな、ということではじめたのがMoffのバックグラウンドです」(高萩たかはぎ

 現在げんざいは「Moff Band」という3Dモーションをるセンサーデバイスをつくっており、Bluetoothでスマホと連携れんけいし、アプリがわでいろいろなことをできるようにしている。たとえば、みみだけでなくからだ全体ぜんたい使つかってまな感覚かんかく教育きょういくけたICT教育きょういくや、モーションデータを使つかって高齢こうれいしゃ運動うんどう能力のうりょくとか認知にんち能力のうりょくはかるという高齢こうれいしゃヘルスケアサービスをつくったりしている。フィットネスの場合ばあいは、コンテンツをっている事業じぎょうしゃ一緒いっしょにゲーム感覚かんかくたのしめるコンテンツをがけているそうだ。

 BONXの宮坂みやさかは「ぼくは、このにいるのがもうわけないくらい、ハードウェアとかエンジニアリングのバックグラウンドがなくて」と苦笑くしょうしながらスタート。

 宮坂みやさか大学だいがくにいるよりはやまにいるほうなが生活せいかつおくるような大学生だいがくせいだったらしい。そんななか子供こどもにスノーボードをおしえるNPOに参加さんかして理事りじとして運営うんえいかかわったいたが、すべっているとき仲間なかまとしゃべったり子供こどもおしえるのがすごく大変たいへんだとかんじた。せっかくスマホがあって、電波でんぱはいっているのに意外いがい使つかえない。そこで、つくったのが「BONX」だ。

 「BONX Gripという名前なまえで、モノとしてはBluetoothヘッドセットみたいなハードウェアとスカイプみたいなソフトウェアをフルスクラッチでつくって連動れんどうさせています。どんな瞬間しゅんかんでもハンズフリーではなすことができるのが特徴とくちょうです。去年きょねんまつぼくらもクラウドファンディングを成功せいこうさせ、11月からは一般いっぱん販売はんばい開始かいしされます」(宮坂みやさか

 モデレーターの北島きたじまは、「こういうカンファレンスイベントでも使つかえるのではないか。アスキーとしてもつぎのタイミングでは是非ぜひ導入どうにゅうしたいとおもう」とげた。

すうねんまえまではハードウェアをやるのはわったひとしかいなかった

 この3しゃは、スタート時期じきすこしずつことなる。1ねんおおきくわる業界ぎょうかい変遷へんせんを、当時とうじ周辺しゅうへん状況じょうきょうなどをもとにいてみることに。まずは、2014ねん販売はんばい開始かいししたMoffの高萩たかはぎから。Moffは2014ねん4がつにクラウドファンディングのKickstarterにしたが、試作しさくひんがけはじめたのは2013ねんくらいとのことだった。

 「そのときは、ハードウェアスタートアップをやるのは、わったひとしかいませんでした。リスキーじゃないのか、とみなわれましたが、Cerevoの岩佐いわささんだけが『絶対ぜったいやったほうがいいですよ』とってくれたんです。当時とうじは、ハードウェアのデザインをやってくるひとつからなかったし、工場こうじょうもなかなかスタートアップのものつくるなんて、みたいなかんじだったし、クラウドファンディングもいまみたいにメジャーではなかった」(高萩たかはぎ

 手探てさぐりのスタートだったようだが、メルセデス・ベンツで商品しょうひん企画きかく量産りょうさん、アフターケアなどを体験たいけんしており、モノをつくさい感覚かんかくはあったという。また、Moffはエンジェル投資とうし鎌田かまた富久ふく投資とうししてもらっており、いろいろなアドバイスをけたのもおおきかった。2014ねんは、まだ環境かんきょうてきにハードウェアスタートアップが浸透しんとうしていない時期じきだったが、高萩たかはぎはクラウドファンディングにチャレンジする。

 「おかげさまでKickstarterにしたら、2日間にちかん目標もくひょう達成たっせいできました。そのころのKickstarterはひと滞留たいりゅうしていたかんじだったので、プロモーションしなくてもあつまるかんじで、ラッキーな環境かんきょう。あとは、いろんなくにひととやりとりして、すごいたのしかったですね。たとえば、発送はっそうを1週間しゅうかんずらしたときに、品質ひんしつめん自分じぶんたちとして納得なっとくがいかないと正直しょうじきつたえたところ、『おまえは正直しょうじきしゃだ。おまえはサムライだ』と(笑)。あれはうれしかったですね」(高萩たかはぎ

 Qrioの西條さいじょうは2015ねん。ハードウェアスタートアップはやめたほうがいいんじゃないのか、という空気くうきかんうすれていたそうだが、それでも「やったほうがいいよ」という意見いけんもほとんどなかったという。

 「かんがかたてきには、解決かいけつしたい課題かだいがあって、それを解決かいけつするためにデバイスが必要ひつようなので開発かいはつするというかんじ。もの研究けんきゅうしていて、商品しょうひんしたいからどうしよう、という発想はっそうではありませんでいた」(西條さいじょう

 スマートロックの場合ばあいかぎ保管ほかんコストが課題かだいだった。物理ぶつりてきかぎはきちんと管理かんりしないとぬすまれるし、わたしにも移動いどう必要ひつようだれめたのかという履歴りれきのこらない。これらを解決かいけつするためには、スマートロックが必要ひつようだとかんがえたのだ。西條さいじょうはサイバーエージェント出身しゅっしん同社どうしゃ出身しゅっしんでモノづくりをしているひとはあまりかけないが……。

 「あまりいないですね。サイバーエージェントはほとんどの事業じぎょう領域りょういきがけているとおもいますが、むかしからeコマースが苦手にがてで(モノは)あまりやってないですね」(西條さいじょう

 Qrioも2015ねん初頭しょとう、クラウドファンディングにチャレンジしている。「Makuake」を使つかい、結果けっかてきには2700まんえん以上いじょうあつめてだい成功せいこうした。

 「資金しきん調達ちょうたつというよりは、PRやマーケティングが目的もくてきでクラウドファンディングを利用りようしました。価格かかくさい参考さんこうにしたのは、KickstarterやINDIEGOGOなどにている類似るいじ商品しょうひんです。海外かいがいのスマートロックがあつめている5ぶんの1~10ぶんの1くらいの金額きんがくはいけるかなというかんじで。一番いちばんあつめていたのが3~4おくえんだったので、3000まんえんくらいは、なんとかきたいなとおもいました」(西條さいじょう

 BONXは2015ねんあき。クラウドファンディングは、「GREENN FUNDING」を利用りようし、成功せいこうしている。

 「当初とうしょは、クラウドファンディングを使つかはありませんでした。達成たっせいしなかったらどうしよう、とびびりまくっていたんです。そんなとき、たまたま共同きょうどう創業そうぎょうしゃ先輩せんぱいがGREENN FUNDINGさんの社長しゃちょうさんで、うちでやりましょうよというはなしになって(笑)。一番いちばんよかったのは、コミュニティができたことです。製品せいひん出荷しゅっかしたのち、すごくながいフィードバックのメールをくれたり、なんかい電話でんわしてきてくれて、ここがこうなんじゃないかとってくれるほうがいて。そういうのは開発かいはつ陣営じんえいとしてはありがたいんです」(宮坂みやさか

 ハードウェアにかかわりがない状況じょうきょうからのスタートで、開発かいはつメンバーはどうあつめたのだろうか。すると「結構けっこうおこられました」と宮坂みやさか

 「イベントにって『だれかイケてるエンジニアいないですかね』というはなしをしたら、『そういうやつは本当ほんとうきらわれるんだよ』と説教せっきょうされたりしました。そこで、自分じぶんでプログラミングを勉強べんきょうしたり、いろいろなところにって紹介しょうかいしてもらったりして、すこしずつあつめました」(宮坂みやさか

1 2

わせてみたい編集へんしゅうしゃオススメ記事きじ

バックナンバー