スタートアップを支援しえんするStartup Factory構築こうちく事業じぎょう、2018年度ねんどは4つの成果せいか

Startup Facotry構築こうちく事業じぎょう成果せいか報告ほうこくイベントの模様もようをお届とどけする

4つの成果せいかを上あげたStartup Factory構築こうちく事業じぎょう

　独自どくじのプロダクト量産りょうさんに挑いどむスタートアップのものづくりを支援しえんする拠点きょてん「Startup Factory」の構築こうちくを目的もくてきとして実施じっしされてきた経済けいざい産業さんぎょう省しょうの「Startup Factory構築こうちく事業じぎょう」。36件けん50事業じぎょう者しゃが採択さいたくされ、支援しえん事業じぎょうの構築こうちくや連携れんけい強化きょうかが行おこなわれてきた本ほん事業じぎょうの成果せいか報告ほうこくイベントが3月14日にち、TKPガーデンシティ品川しながわにて開催かいさいされた。

　この成果せいか報告ほうこくイベントは経済けいざい産業さんぎょう省しょう 情報じょうほう経済けいざい課か 課長かちょう補佐ほさ 河野こうの孝史たかし氏しの挨拶あいさつからスタート。河野こうの氏しは本ほん事業じぎょうを構想こうそうし、ゼロからヒアリングを実施じっし。100社しゃ以上いじょうのスタートアップや製造せいぞう業者ぎょうしゃとの対話たいわを行おこなって「Startup Factory構築こうちく事業じぎょう」を推進すいしんしてきた。

経済けいざい産業さんぎょう省しょう 情報じょうほう経済けいざい課か 課長かちょう補佐ほさ 河野こうの孝史たかし氏し

　今年度こんねんどの本ほん事業じぎょうにおいては4つの成果せいかが得えられたと河野こうの氏し。1つ目めは予算よさんを活用かつようし、50社しゃを支援しえん。今年度こんねんどやるべき事業じぎょうを達成たっせいしたこと。2つ目めはスタートアップを支援しえんする相談そうだん会かい「スタートアップクリニック」の実施じっし。

　3つ目めはスタートアップ側がわに立たったモデル事業じぎょうを行おこない、その課題かだいと取とり組くみに対たいし「ものづくりスタートアップと製造せいぞう業ぎょうの連携れんけいケーススタディ」レポートをまとめたこと。そして4つ目めは、スタートアップと製造せいぞう業者ぎょうしゃの円滑えんかつな協業きょうぎょうを促うながす「ものづくりスタートアップのための契約けいやくガイドライン」の作成さくせいだ。

　なお、3つ目めの「ものづくりスタートアップと製造せいぞう業ぎょうの連携れんけいケーススタディ」はスタートアップとファクトリーが連携れんけいする際さいに発生はっせいした課題かだいやその対応たいおう、そこから得えた学まなびなどがまとめられたレポートになっている。

　また、4つ目めの「ものづくりスタートアップのための契約けいやくガイドライン」はスタートアップと製造せいぞう業者ぎょうしゃが協業きょうぎょうする際さいに発生はっせいする問題もんだいについて、契約けいやくによって対策たいさくを講こうじたり、予防よぼう策さくを得えるための策さくがまとめられており、契約けいやく書しょのひな形がたも用意よういされている（参考さんこう記事きじ）。

　河野こうの氏しは本ほん事業じぎょうの手伝てつだいができたことを誇ほこりに思おもうと語かたり、今年度こんねんどについてはまだスタートラインであり、来年度らいねんど以降いこうも日本にっぽんのものづくりに貢献こうけんしていきたいと述のべ、挨拶あいさつを終おえた。

深しんセンのサプライチェーンによるスタートアップ支援しえん事例じれい

　続つづく基調きちょう講演こうえんには、ジェネシスホールディングス 代表だいひょう取締役とりしまりやく 藤岡ふじおか淳一じゅんいち氏しが登壇とうだん。テーマは「日本にっぽんのスタートアップに製造せいぞう業ぎょうができること ～深しんセンのサプライチェーンによるスタートアップ支援しえん事例じれいからの示唆しさ～」。

　藤岡ふじおか氏しは中国ちゅうごく・深しんセンで製造せいぞう業ぎょうを営いとなんでおり、Startup Factory構築こうちく事業じぎょうにおいてはスタートアップクリニックという相談そうだん会かいを開催かいさいしている。このクリニックは、ものづくりスタートアップの量産りょうさんの壁かべに向むけた相談そうだん会かいで、29社しゃの相談そうだんに応おうじたという。

ジェネシスホールディングス 代表だいひょう取締役とりしまりやく 藤岡ふじおか淳一じゅんいち氏し

スタートアップクリニックに参加さんかしたスタートアップの声こえ

　本ほん講演こうえんではこのクリニックを訪おとずれたビットキー社しゃの事例じれいをもとに、スタートアップ製造せいぞう案件あんけんの事例じれいが紹介しょうかいされた。ビットキーはスマートロックを作つくるスタートアップで、今回こんかいはその原理げんり試作しさくから量産りょうさんまでをサポートし、開発かいはつリードタイムの短縮たんしゅく、原価げんか低減ていげんなどを解決かいけつしながら量産りょうさんに至いたったとのこと。

ビットキーは原理げんり試作しさくから量産りょうさんまでをサポート

ビットキー 代表だいひょう取締役とりしまりやくCOO 福澤ふくさわ氏しのコメント

　スタートアップが製品せいひんを量産りょうさんする際さいにはいくつかの壁かべがあると言いわれる。1つは原理げんり試作しさくから量産りょうさん試作しさくの間あいだ、もう1つは量産りょうさん試作しさくから量産りょうさんの間あいだ。その壁かべには試作しさくと量産りょうさんでは使用しようされるBOMが異ことなることによる量産りょうさん設計せっけいの壁かべや、委託いたくする先さきの選択肢せんたくしがあるようでないという製造せいぞう先さきの壁かべ、そして慢性まんせい的てきな資金しきんの壁かべなど、様々さまざまな障害しょうがいがある。これらは深しんセンのサプライチェーンを用もちいることで解決かいけつできるかもしれないと藤岡ふじおか氏しは言いう。

　深しんセンでは旬しゅんのカテゴリであれば、部品ぶひんメーカーが互換ごかん品ひんを作つくり合あって調達ちょうたつし合あい、全体ぜんたい的てきな費用ひようを下さげることで、小しょうロット多た品種ひんしゅの製造せいぞうを支ささえ合あっている。また、香港ほんこんが近ちかいこともあって、物流ぶつりゅうや税関ぜいかんも揃そろっており、24時じ間あいだ管理かんりされていることも特徴とくちょうだ。日にち中ちゅうのエコシステムを比較ひかくしても、ありものを使つかった開発かいはつが行くだりなえるので開発かいはつ費ひを低ひくく抑おさえることができる。

　このように時間じかんやコストを抑おさえるには深しんセンのサプライチェーンが有効ゆうこうではあるが、良よいことばかりではない。部品ぶひんのばらつきや、金かね型がたの粗あらさといった問題もんだいもある。そういった点てんも含ふくめ、状況じょうきょうによっては使つかうことでメリットがあるのが深しんセンのサプライチェーンと藤岡ふじおか氏しは述のべた。

量産りょうさんにいたるまでのプロセスと量産りょうさんの壁かべ

スタートアップのものづくりは、いくつもの壁かべを突破とっぱする必要ひつようがある

深しんセンのサプライチェーンでは小しょうロット多た品種ひんしゅの部品ぶひん調達ちょうたつができる

日にち中ちゅうの製造せいぞう比較ひかく。必要ひつような費用ひようや製造せいぞう期間きかんに大おおきな差さがある

　藤岡ふじおか氏しは最後さいごに、製造せいぞう業者ぎょうしゃがスタートアップを支援しえんする際さいは、短期たんき的てきな採算さいさんは取とれないので、製造せいぞうやハードウェア界かいへの投資とうしと考かんがえるべきであり、自分じぶんたちがこれまで行おこなってきた資金しきん調達ちょうたつや組織そしきマネージメントといった経営けいえい的てき思想しそうも若わかい人達ひとたちに伝つたえていただきたいとコメント。自分じぶんたちが起業きぎょうしたころの思おもいを持もって、製造せいぞう産業さんぎょうを支ささえるという大おおきな気持きもちでスタートアップを支援しえんしてほしいとして、講演こうえんを終おえた。