ELYZA、高こう精度せいどの文章ぶんしょう要約ようやくAI「ELYZA DIGEST」を一般いっぱん公開こうかい

要約ようやくAI「ELYZA DIGEST」

　東京大学とうきょうだいがく松尾まつお研けん発はつ・AIスタートアップ、ELYZA（イライザ）は8月がつ26日にち、日本語にほんごにおける生成せいせい型がた要約ようやくモデルの開発かいはつに成功せいこうしたと発表はっぴょう。同日どうじつより、本ほんモデルを用もちいた要約ようやくAI「ELYZA DIGEST」（イライザ　ダイジェスト）をデモサイトとして一般いっぱん公開こうかいした。

　ELYZA DIGESTは、入力にゅうりょくしたテキストデータを3行ぎょうに要約ようやくするAI。大だい規模きぼ言語げんごモデルを用もちいた「生成せいせい型がた」の要約ようやくモデルであり、読よみ込こんだテキストを元もとにAIが一いちから要約ようやく文ぶんを生成せいせいする。書籍しょせき・小説しょうせつ・ニュース記事きじのような誤字ごじ脱字だつじの少すくない綺麗きれいな文章ぶんしょうだけでなく、議事ぎじ録ろく・対話たいわテキストのような乱雑らんざつな文章ぶんしょう・文字もじ列れつであっても対応たいおう可能かのうとしている。テキストの直接ちょくせつ入力にゅうりょく以外いがいにもURLを張はり付つけることで該当がいとうページ内ないの全ぜんテキストから要約ようやく文ぶんを作成さくせいできる。

　本ほんAIモデルは、NLP（自然しぜん言語げんご処理しょり）の最先端さいせんたん技術ぎじゅつを活用かつようし開発かいはつされ、医療いりょうにおけるカルテ入力にゅうりょく、弁護士べんごし業務ぎょうむにおける契約けいやく書類しょるいや判例はんれいの読解どっかい、コールセンターにおけるオペレーターの対話たいわメモ作成さくせい、メディアにおける記事きじの原稿げんこう作成さくせいなど、あらゆるホワイトカラー業務ぎょうむで発生はっせいする議事ぎじ録ろくづくりなど多数たすうのユースケースでの活用かつようを想定そうていされている。

　ELYZAでは、「対話たいわテキストの要約ようやく」の実用じつよう化かにも挑戦ちょうせん。ニュース記事きじと比較ひかくし、対話たいわテキストの要約ようやくは主おもに下記かきの4つの要因よういんから難易なんい度どが高たかいとされる。

1　口語こうごのため、文ぶんの構造こうぞうが大おおきく崩くずれていることが多おおい
2　音声おんせい認識にんしきの失敗しっぱいによる誤字ごじ脱字だつじの存在そんざい
3　話者わしゃが複数ふくすう存在そんざい
4　対話たいわトピックが多様たよう

　AIを用もちいた要約ようやくには従来じゅうらいから複数ふくすうのアプローチがあるが、対話たいわテキストの要約ようやくにおいて、文中ぶんちゅうから一部いちぶを抜ぬき出だす「抽出ちゅうしゅつ型がた」や「圧縮あっしゅく型がた」、もともと用意よういしたテンプレートの一部いちぶを置おき換かえる「テンプレート型がた」では、上記じょうきの要因よういんが障壁しょうへきとなり精度せいどの高たかい要約ようやくは難むずかしいという。一方いっぽうで、ELYZA DIGESTで採用さいようしている「生成せいせい型がた」のアプローチでは、一いちから柔軟じゅうなんに要約ようやく文ぶんを生成せいせいできるため、これらの課題かだいを解決かいけつできる可能かのう性せいがある。

　下図したずは実際じっさいにELYZA DIGESTを用もちいて対話たいわテキストを要約ようやくした例れいで、口語こうご特有とくゆうの「あのー」「えーと」などの間投詞かんとうしや、音声おんせい認識にんしきのミスがあっても、妥当だとうな要約ようやく文ぶんを生成せいせいできていることがわかる。

煩雑はんざつで難易なんい度どが高たかい「対話たいわテキストの要約ようやく」に挑戦ちょうせん

　さらに同社どうしゃは、ELYZA DIGESTによる要約ようやくの精度せいど評価ひょうかを行おこなうために、人間にんげんが作成さくせいした要約ようやく文ぶんとの比較ひかく検証けんしょうを実施じっしした。

ニュース記事きじについて、ELYZA DIGESTと人間にんげんの要約ようやく文ぶんを比較ひかくした結果けっか。数値すうちは対象たいしょうのニュース記事きじのうち、各かく評価ひょうか項目こうもくに対たいして問題もんだいない要約ようやく文ぶんを作成さくせいできた割合わりあい（％）を表あらわす

　「正確せいかく性せい」の観点かんてんでは、ELYZA DIGESTは全体ぜんたいの90％の記事きじに対たいして問題もんだいない出力しゅつりょくができており、人間にんげんに匹敵ひってきする精度せいどで要約ようやく文ぶんを生成せいせいできているという結果けっかとなった。一方いっぽう、「流暢りゅうちょう性せい」の観点かんてんでは、人間にんげんの要約ようやくと比くらべると何なんらかのミスがある出力しゅつりょくをする割合わりあいが多おおい結果けっかとなった。その内訳うちわけとしては、いわゆる文法ぶんぽうのミスに加くわえ、日本語にほんごによくある原文げんぶんでの主語しゅごの省略しょうりゃくに対たいして、要約ようやく文ぶんで適切てきせつな主語しゅごを補完ほかんできていないことにより、文ぶんが少すこし読よみにくくなっているような箇所かしょが見受みうけられた。これらの点てんについては、改善かいぜんが必要ひつようとしている。

　また、要約ようやくの効率こうりつ性せいについては、今回こんかいの検証けんしょうで用もちいた記事きじは平均へいきん900字じ程度ていどだったが、ELYZA DIGESTでは1記事きじあたり10秒びょう以下いかで要約ようやくできる一方いっぽう、人間にんげんの場合ばあいは5分ふん程度ていどの時間じかんを要ようした。このことから、精度せいどが十分じゅうぶんであれば、要約ようやくAIを活用かつようすることで大幅おおはばな業務ぎょうむの効率こうりつ化かが期待きたいできるという。

要約ようやくの所要しょよう時間じかんの比較ひかく

　同社どうしゃは、「対話たいわテキストの要約ようやく」を実用じつよう化かするための第一歩だいいっぽとして、SOMPOホールディングスと提携ていけいし、グループ会社かいしゃの損害そんがい保険ほけんジャパンのカスタマーセンターにおける対話たいわ要約ようやくの作成さくせい業務ぎょうむを支援しえんし、音声おんせい認識にんしき後ごの対話たいわテキストから要約ようやくするAIの開発かいはつに取とり組くんでいる。

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