光熱費の高騰や物価上昇が家計を直撃する中、エネルギーの効率的な活用はますます注目されている。そんな中、東大発ディープテック・スタートアップの株式会社Yanekaraは手軽に導入できる家庭用蓄電池「Yanekaraバッテリー」を開発。2025年3月31日より、先行予約の受付を開始し、先着150台限定で定価25万4000円から20%オフの19万8000円で販売する。

2009年にスタートした太陽光発電の余剰電力買取制度(FIT)は、買取期間が10年と定められており、多くの家庭が「卒FIT」を迎えている。卒FITにより、固定価格での買い取りが終了し、余剰電力の売電収入が大幅に減少する中、家庭用蓄電池の需要が高まっている。蓄電池は昼間に発電した電力を夜間に活用することで電気代を節約できるだけでなく、電気の自給自足や災害・停電時のバックアップ電源としても機能する。
しかし、一般的な家庭用蓄電池は本体・工事込みで100万円以上と高額で、導入を見送る過程も少なくない。日本電機工業会(JEMA)の蓄電システムビジョン(Ver 7)によると、2026年には卒FITユーザーは累計約170万人になる見込みだが、蓄電池設置率はわずか18%に留まるとされている。
この課題を解決するために開発されたのが「Yanekaraバッテリー」だ。同製品は、蓄電池の導入を見送っていた約140万世帯をターゲットに、工事不要で家電のように自分の手で簡単に導入できるエントリーモデルとして位置づけられている。

「Yanekaraバッテリー」は、独自のIoTゲートウェイがスマートメーターと連携し、太陽光発電による余剰電力をリアルタイムで把握し、自動蓄電する。これにより、年間最大2万円の電気代削減や停電時の安定した電力供給を実現。また、家庭での電力消費によるCO2排出量を年間約220kg削減し、環境負荷の軽減にも寄与できる。
ちなみに、2月5日に開始した5名限定の試行販売には500件以上の応募が集まったという。今回も先着150台の限定販売なので早めに申し込んだほうがよさそう。先行予約は公式サイトから申し込める。