リコー、初はつのディスプレイ内蔵ないぞう360度どカメラ「THETA X」5月がつ発売はつばい

「RICOH THETA X」

リコーは3月がつ30日にち、デジタルサービスの拡大かくだいに向むけて360度どカメラ「RICOH THETA」と、ソフトウェア・クラウドサービスを組くみ合あわせたビジネス市場いちば向むけ「RICOH360」プラットフォーム事業じぎょうを強化きょうかすると発表はっぴょう。これにあわせ新あらたなエッジデバイスとして、シリーズで初はじめてタッチディスプレイを搭載とうさいした360度どカメラ「RICOH THETA X」を5月がつ中旬ちゅうじゅんに発売はつばいする。価格かかくはオープンプライスで、店頭てんとう予想よそう価格かかくは11万まん円えん前後ぜんこう。5月中旬ちゅうじゅん頃ごろには新規しんきECサイトも立たち上あげ、直販ちょくはんも行おこなう。

新しんモデルのTHETA Xは、1月がつに海外かいがい発表はっぴょうされていたもの。エントリー向むけの「THETA SC2」、1型がたセンサーを搭載とうさいした最さい上位じょうい「THETA Z1」の間あいだに位置いちし、使つかい勝手がってを追求ついきゅうした“Advanced”モデルに位置いちづける。

これまでのTHETAシリーズでは操作そうさにスマートフォンとの連携れんけいが必須ひっすだったため、使用しよう時じに両手りょうてがふさがってしまうことが多おおかった。またユーザーからは、さらなる高こう解像度かいぞうど化かや外部がいぶメモリー、バッテリー交換こうかん式しきへの対応たいおう、本体ほんたいへのモニター搭載とうさい、GPS機能きのう内蔵ないぞうを要望ようぼうする声こえが寄よせられていたという。

THETAシリーズで初はじめてタッチパネルモニターを搭載とうさい

新しんモデルではTHETAシリーズとして初はじめて本体ほんたいにタッチパネルモニターを搭載とうさい。モニターは2.25型がたで、撮影さつえい前まえのプレビュー表示ひょうじや撮影さつえい設定せってい、撮影さつえい画像がぞうの閲覧えつらんなど、撮影さつえいから閲覧えつらんまでを本体ほんたいのみで直感ちょっかん的てきに操作そうさできるようになった。シャッターボタンはタッチパネルに加くわえ、物理ぶつりボタンも用意ようい。物理ぶつりボタンは撮影さつえい時じに指ゆびが映うつり込こみにくいよう設計せっけいしたとのこと。

CMOSイメージセンサーやメインプロセッサー、レンズ設計せっけいのすべてを一新いっしん。約やく4,800万まん画素がそ相当そうとうの新規しんきセンサーを搭載とうさいし、出力しゅつりょく画素がそで最大さいだい約やく6,000万まん画素がそに相当そうとうする高こう精細せいさいな360度ど静止せいし画が撮影さつえいができる。センサーサイズは1/2.0型がた。

撮影さつえいシーンに応おうじて、明あかるい室内しつない撮影さつえいで高こう精細せいさいな画質がしつを実現じつげんする11K/11,008×5,504ドット、気軽きがるに効率こうりつよく撮影さつえいできる5.5K/5,504×2,752ドットの2種類しゅるいの画像がぞうサイズをシーンに応おうじて選択せんたくできる。

動画どうが撮影さつえいでは、手てブレ補正ほせいが強化きょうかされ、5.7Kに相当そうとうする5,760×2,880ドット/30fpsで360度ど撮影さつえいが可能かのう。撮影さつえい時じに本体ほんたい内部ないぶで天頂てんちょう補正ほせい、動的どうてきつなぎ処理しょりが可能かのうのため、後処理あとしょりは不要ふよう。撮影さつえい後ご、すぐに360度ど動画どうがデータを扱あつかえるようになった。

同おなじくシリーズで初はじめて、バッテリーとメモリーカード(microSDXC)の交換こうかんにも対応たいおうし、長時間ちょうじかんに渡わたるビジネスシーンでも確実かくじつな撮影さつえいが可能かのうに。約やく46GBの内蔵ないぞうメモリ―も搭載とうさいする。交換こうかんバッテリーは別売べつうりの「DB-110」を使用しようする。電池でんち寿命じゅみょうは静止せいし画がで約やく220枚まい、動画どうがは5.7K/30fpsで約やく30分ふん、4K/30fpsで約やく55分ふん。本体ほんたい側面そくめんに用意よういされたUSB Type-Cポートから給電きゅうでんも可能かのうで、バッテリーレス操作そうさもできる。

GPSを内蔵ないぞうし、A-GPS機能きのうにも対応たいおうするため、本体ほんたいのみで正確せいかくな位置いち情報じょうほう取得しゅとくが可能かのう。本体ほんたい外装がいそうは堅牢けんろう性せい、放熱ほうねつ性せいに優すぐれたマグネシウム合金ごうきんを採用さいようした。

スマートフォンとの親和しんわ性せいも向上こうじょうした。THETA XとスマートフォンをBluetooth接続せつぞくすることで、SSIDを入力にゅうりょくすることなく簡単かんたんに無線むせんLANに接続せつぞくできるほか、MIMO無線むせん通信つうしん技術ぎじゅつの搭載とうさいと上述じょうじゅつの動画どうが撮影さつえい時じのリアルタイム処理しょりにより、THETA Xからスマートフォンへの静止せいし画が・動画どうが転送てんそうが従来じゅうらい比ひで約やく1.5倍ばい高速こうそくに行くだりなえるようになった。

OSは、THETA V、THETA Z1に続つづいてAndroidベースを採用さいようしており、サードパーティの開発かいはつ者しゃが本体ほんたい機能きのうを拡張かくちょうするアプリケーション(プラグイン)を開発かいはつ・公開こうかいできる。THETA Xはタッチパネルモニターを搭載とうさいするため、開発かいはつできるプラグインの幅はばが広ひろがるほか、スマートフォンを介かいさず「クライアントモード(THETA本体ほんたいと無線むせんLANを直接ちょくせつ接続せつぞくするモード)」を設定せっていできるため、本体ほんたい操作そうさだけでファームウェアアップデートやプラグインインストールができる。

リコーが提供ていきょうする「RICOH360 Tours/Projects」といったクラウドサービスとシームレスに連携れんけいするプラグインも用意ようい。不動産ふどうさん業ぎょう向むけに物件ぶっけん撮影さつえいプラグインや、現場げんばを歩あるくだけでバーチャルツアーを自動じどう生成せいせいするオートツアーアプリ(βべーた版ばん)、建設けんせつ業ぎょう向むけにタイムラプス/ライブ映像えいぞう機能きのう(βべーた版ばん)や、現場げんば巡視じゅんし時じの撮影さつえい画像がぞうを自動じどうで図面ずめん上じょうに整理せいりするオートマッピング(βべーた版ばん)を提供ていきょうする。

オンライン会見かいけんに登壇とうだんした同社どうしゃリコーフューチャーズビジネスユニット Smart Vision事業じぎょうセンターの藤木ふじき仁ひとし副ふく所長しょちょうは「THETA Xは開発かいはつ時じに不動産ふどうさんなど業務ぎょうむ向むけにフォーカスしてきましたが、私わたし自身じしんTHETA Xを普段ふだん使づかいしていて、本当ほんとうに使つかいやすく感かんじています。一般いっぱんの方ほうにも使つかってほしいと心しんの底そこで思おもっています」と語かたった。

外形がいけい寸法すんぽうは51.7×29×136.2mm(幅はば×奥行おくゆき×高たかさ)、重おもさはバッテリー、メモリーカード込こみで約やく170g。

「RICOH360」プラットフォーム事業じぎょうを強化きょうか

オンライン会見かいけんに登場とうじょうした同社どうしゃリコーフューチャーズビジネスユニット Smart Vision事業じぎょうセンターの大谷おおや渉わたる所長しょちょう(右みぎ)と藤木ふじき仁ひとし副ふく所長しょちょう(左ひだり)

RICOH360プラットフォームでは、360度どの画像がぞう・映像えいぞうに関連かんれんするデバイスやソフトウェア・クラウドサービスを連携れんけいさせることで、撮影さつえいからデータ活用かつようまで、ワークフロー全体ぜんたいを効率こうりつ化かするソリューションを提供ていきょう。時間じかんや場所ばしょにとらわれない情報じょうほう共有きょうゆうやデータ収集しゅうしゅう・活用かつようが容易よういになることで、不動産ふどうさんや建設けんせつ、建築けんちくをはじめとするさまざまな業種ぎょうしゅでのDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速かそくさせ、業務ぎょうむ効率こうりつ化かと生産せいさん性せいの向上こうじょうを実現じつげんするという。

具体ぐたい的てきにはデバイスとクラウドサービスの一括いっかつ販売はんばいを開始かいし。上述じょうじゅつの物件ぶっけん撮影さつえいプラグインのように、業種ぎょうしゅ特有とくゆうの業務ぎょうむを効率こうりつ化かするプラグイン提供ていきょうを強化きょうかするほか、現場げんばでの使つかいやすさを重視じゅうしした新規しんきデバイスの開発かいはつにも取とり組くむという。オンラインで行おこなわれた会見かいけんでは、建設けんせつ現場げんば向むけハードウェアとして、ヘルメットに装着そうちゃくする独自どくじ開発かいはつのウェアラブルカメラ「Wear(仮称かしょう)」が紹介しょうかいされた。