Lu Nagata氏
「ポールダンス」と聞いたら、どのようなイメージを持つだろうか。洋画などのワンシーンにあるナイトクラブなどのセクシーなショウを思い浮かべる人が多いかもしれない。
日本でポールダンスが広まったのは、わずかここ10年ほどのことで、その先駆けとなったのは、東京・赤坂にある「ポールダンス東京」だ。ポールダンス東京を主宰するLu Nagata(るう ながた)氏は、名門イギリス王立演劇大学院(RADA)卒業、日本人アクターとして唯一の修士号を持つ。Nagata氏がポールダンスに出会ってから今日まで、彼女が日本のエンターテインメントに与えた影響は非常に大きい。唯一無二の存在感を放つNagata氏に話を聞いた。
日本でまさにレアだっだポールダンス
Nagata氏は、米・ニューヨーク(NY)、中国・香港、英・ブリストルおよびロンドンで、ダンスや演劇、舞台などのエンターテインメントを学んだ。そんななか、NYでのポールダンスとの出会いが彼女の人生を変えた。
「いろいろなジャンルのダンスを学んでいましたが、ある日、フィットネススタジオで見たポールダンスに衝撃を受けました。ポールダンスをフィットネスに取り入れることで、多くの人が楽しんでいたのです。『日本にこんなのはない!』と驚き、絶対に日本へ持って帰りたいと思いました」(Nagata氏)
そしてNagata氏は2003年にポールダンスを独学で始め、07年に東京・赤坂にポールダンス東京をオープンした。オープン当初は、スタジオでポールダンスレッスンを行う一方、夜はクラブやラウンジでのポールダンスショウをこなした。当時はもの珍しさもあり、ショウには多くの人が訪れ、評判は口コミで広がっていった。ポールダンサーが希少だったこともあり、ショウの依頼が後を絶たなかったという。
「1年365日、昼も夜も働いていました。ダンスが好きだったので苦労とは思いませんでしたが、本当に忙しかったです」
Nagata氏は、当時を振り返り、こう語る。その活躍はショウだけにとどまらず、プロモーションビデオ(PV)、映画、テレビCMのダンス監修などの依頼も、瞬く間に増えていった。ナイキのCM、映画『軽蔑』(角川映画)のダンスシーン、氣志團をはじめとした多くのアーティストのPVなど、手がけた作品は数え切れない。