失言しつげんの稲田いなだ防衛ぼうえい大臣だいじん、自民党じみんとう内ないから「アホ」「早はやく辞やめて」…防衛ぼうえい省内しょうないでの嫌きらわれっぷり

稲田いなだ防衛ぼうえい大臣だいじん（写真しゃしん：つのだよしお／アフロ）

「逆風ぎゃくふう、自民党じみんとう自身じしんがまいた種しゅだ」

　小泉こいずみ進すすむ次郎じろう・自民党じみんとう衆院しゅういん議員ぎいんが街頭がいとう演説えんぜつで言いったように、閣僚かくりょうや議員ぎいんの失言しつげんやスキャンダルで自民党じみんとうへの支持しじは低下ていかし続つづけている。そのなかでも、稲田いなだ朋美ともみ防衛ぼうえい大臣だいじんが6月がつ27日にち、東京とうきょう都議とぎ選せんの自民党じみんとう候補こうほへの応援おうえん演説えんぜつで発はっした「2期き目めの当選とうせん、本当ほんとうに大変たいへんですから、お願ねがいをしたいと。防衛ぼうえい省しょう・自衛隊じえいたい、防衛ぼうえい相しょう、自民党じみんとうとしてもお願ねがいしたいと、このように思おもっているところだ」という失言しつげんが批判ひはんを浴あびている。

　6月30日にちには、「誤解ごかいを招まねきかねない演説えんぜつであり、撤回てっかい・お詫わびを申もうし上あげたところだが、この場ばで改あらためて、防衛ぼうえい省しょう、自衛隊じえいたい、防衛ぼうえい大臣だいじんの部分ぶぶんは撤回てっかいし、お詫わび申もうし上あげる」と記者きしゃ会見かいけんで謝罪しゃざいの弁べんを述のべた。「誤解ごかい」という言葉ことばには、報道陣ほうどうじんから罵声ばせいに近ちかい厳きびしい質問しつもんが飛とんだ。27日にちの発言はつげんは、「自衛隊じえいたいも当選とうせんをお願ねがいしている」という意味いみにしか取とれず、選挙せんきょ権けんの行使こうしを除のぞく政治せいじ的てき行為こういを自衛隊じえいたい法ほうで制限せいげんされている自衛隊じえいたいを政治せいじ利用りようしたことは、誤解ごかいのしようもない。

　この稲田いなだ大臣だいじんとは、どんな人物じんぶつなのか。国会こっかい議員ぎいん秘書ひしょは語かたる。

「稲田いなださんは、安倍晋三あべしんぞう首相しゅしょうの秘蔵ひぞっ子こといわれ、もし女性じょせいの首相しゅしょうが誕生たんじょうすることがあれば彼女かのじょだろうと、ずっといわれてきました。自民党じみんとうの政調せいちょう会長かいちょうだった時とき、NHKの公開こうかい討論とうろん会かいで民主党みんしゅとう（現げん民進党みんしんとう）の蓮舫れんほう氏しに圧倒的あっとうてきに勝利しょうりして、すごく評価ひょうかが高たかかったのです。しかし防衛ぼうえい大臣だいじんになってから、永田町ながたちょうでは『この人ひとは、本当ほんとうは政策せいさくを知しらないのではないか』と言いわれ始はじめたのです」

　今年ことし2月がつには、南みなみスーダン国連こくれん平和へいわ維持いじ活動かつどう（PKO）で「戦闘せんとうが生起せいきした」と
書かかれた自衛隊じえいたいの日報にっぽうをめぐり、当初とうしょ防衛ぼうえい省しょうが『廃棄はいきした』という説明せつめいしていたが見みつかるという問題もんだいが起おきた。稲田いなだ大臣だいじんは国会こっかいで「憲法けんぽう9条じょう上じょうの問題もんだいになるので『戦闘せんとう』ではなく『武力ぶりょく衝突しょうとつ』という言葉ことばを使つかっている」などと答弁とうべんし、批判ひはんを呼よびた。

「このとき、自民党じみんとう内ないでは『確たしかに対応たいおうはお粗末そまつだけど、野党やとうの追及ついきゅうもきついよね』という見方みかたが大半たいはんでした。ただ、今回こんかいの選挙せんきょ中ちゅうの大だい失言しつげんについては、都議とぎ選せんの応援おうえんに行いっている自民党じみんとう国会こっかい議員ぎいんの間あいだでは『アホだろう』『早はやく自分じぶんから辞やめてください』などと言いっている方ほうが大勢おおぜいを占しめています。

　もともと、海上かいじょう自衛隊じえいたいの護衛ごえい艦かんの視察しさつにハイヒールで来くるような、一般いっぱん常識じょうしきでは考かんがえられないようなことをする人ひとではありました。とにかく人ひとの話はなしを全然ぜんぜん聞きかないのです。だから、周まわりの人ひともアドバイスするのをやめてしまう。防衛ぼうえい省しょうの制服せいふく組ぐみからは『俺おれたちの苦労くろうをわかってない』ということで、すごく嫌きらわれてます。南みなみスーダンの件けんでも、防衛ぼうえい省しょうが『廃棄はいきした』と言いっていた日報にっぽうが見みつかり批判ひはんを浴あびましたが、実際じっさいに現場げんばに行いっていた自衛隊じえいたい員いんは、『本当ほんとうに危険きけんな場所ばしょでの任務にんむなので、その苦労くろうを知しっていたら、日報にっぽうを棄すてるということはあり得えない』と言いっていました」（同どう）