さまざまなテレビ番組や雑誌などでもお馴染みの購買/調達コンサルタント・坂口孝則。いま、大手中小問わず企業から引く手あまたのコスト削減のプロが、アイドル、牛丼から最新の企業動向まで、硬軟問わずあの「儲けのカラクリ」を暴露! そこにはある共通点が見えてくる!?
私は、よくテレビ朝日本社(東京・六本木)に行きます。テレビ朝日の入り口にはキャラクターグッズ売り場がありまして、商品陳列がマズいのでいつも気になっていました。バイヤーとして、気になった点を以下に記します。
ちなみに、これはテレビ朝日のキャラクターグッズ売り場のみが悪いというわけではなく、象徴的なサンプルなので取り上げます。私は、テレビ局各社にお邪魔しますが、テレビ朝日に関してはVTR出演しかしたことがありません。したがって、「よくテレビ朝日に行きます」とは、単なる散歩の意味です。
大きく3つの問題点があるように思います。
(1)連続性がありません。
写真の赤丸で囲んだところはエンドといいます。ここでの連続性がないんですね。本来は、エンドで見せてあげた商品が、店の奥に陳列されていたほうが望ましいわけです。なぜなら、お客の動線(動く距離)が長いほど、商品は売れます。だから、一番良いのは、お客に店奥まで入ってもらうことなんですね。店の中で時間を使えば、お客はモノを買います。
例えば、衣料品店だと入り口付近のマネキンにピックアップアイテムを着せて、それをお客が見た瞬間に、同時に店奥に展示しているとわからせる必要があります。マネキンが着るピックアップアイテムが気になるお客は、必然的に奥まで入り込みます。
このテレビ朝日のエンドにはチョコレートが並んでいるんですが、店の奥の商品とは無関係(奥には、局アナグッズと仮面ライダーグッズです)。これでは動線が長くなりません。
さらにいえば、商品陳列は入り口付近、メイン通路、奥、出口付近と、分けておくことによってお客を長く滞在させます(鉄板は、奥に絶対的商品を置くことです。しかし、テレ朝ショップの場合、「ドラえもん」「相棒」がともに、入り口付近にあります)。
(2)ターゲット顧客の視線と合っていません。
大人は男性170センチ、女性160センチと思えば、視線設計がうまくいきます。しかし、キャラクターグッズ販売で重要なのは、ターゲットが子供であること。子供の視線に合致した商品陳列をせねばなりません。
その観点で見てみましょう。子供は80センチメートルを視線基準に持つ必要があります。
そこで、チェックしてみると、見事に大人視線のみでの商品陳列であることがわかります。
これが大人の視線です。それに対して、子供視線はこうです。