ビジネスで「陰かげキャ」が外向がいこう的てきな人ひとと戦たたかう方法ほうほう

　会議かいぎで堂々どうどうと発言はつげんしたり、初はじめて会あう人ひとと人間にんげん関係かんけいを築きずいたり、自分じぶんの能力のうりょくにわずかな疑問ぎもんも抱だいていないような素振そぶりで自己じこアピールしたり。

　こんなコミュニケーション能力のうりょくが高たかい人ひとはビジネスでは強者きょうしゃだ。自信満々じしんまんまんに商品しょうひんをすすめてくる営業えいぎょうマンの方ほうが説得せっとく力りょくがあるし、外交がいこう的てきな人ひとは一般いっぱん的てきに意欲いよく的てきに見みえる。

　では、内向ないこう的てきな人ひと、対人たいじん関係かんけいが不器用ぶきようで、初はじめての場所ばしょで緊張きんちょうしてしまい、自分じぶんをアピールするのが苦手にがてな人ひと、言いってみれば「陰かげキャ」な人ひとはビジネスで外向がいこう的てきな人ひとに勝かてないのだろうか？

内向ないこう的てきな人ひとがビジネスで評価ひょうかされるには？

　物静ものしずかな人ひと、内向ないこう的てきな人ひとが活発かっぱつで外向がいこう的てきな人ひとより意欲いよくや能力のうりょくで劣おとるということはないし、実力じつりょくで劣おとることもない。両者りょうしゃの違ちがいは単たんに性格せいかく的てきなもの。それならば、内向ないこう的てきな人ひとはその性格せいかくなりに実力じつりょくを磨みがき、発揮はっきする方法ほうほうを考かんがえればいい。無理むりに外向がいこう的てきであろうと努力どりょくする必要ひつようはない。

　『「静しずかな人ひと」の戦略せんりゃく書しょ──騒さわがしすぎるこの世界せかいで内向ないこう型がたが静しずかな力ちからを発揮はっきする法ほう』（ジル・チャン著ちょ、神崎かんざき朗子あきこ訳やく、ダイヤモンド社だいやもんどしゃ刊かん）は、外向がいこう的てきな人ひとが高たかく評価ひょうかされやすいビジネス文化ぶんかのなかで内向ないこう的てきな人ひとが正当せいとうな評価ひょうかを受うけるための方法ほうほうを授さづける。

　外向がいこう型がたになろうと努力どりょくしたところで、内向ないこう型がたの悩なやみがすべて解決かいけつするわけではない。

　それどころか、内向ないこう型がたには内向ないこう型がたの能力のうりょくが備そなわっている。それを発揮はっきするには、内向ないこう型がたならではのやり方かたがあるのだ。（P 59より）

「控ひかえめな態度たいど」が武器ぶきになる

　内向ないこう型がたの人ひとが外向がいこう型がたの真似まねをしてもいいことはない。外向がいこう型がたの人ひとがしばしばやるように、事実じじつよりも話はなしを少すこし盛もったり、ハッタリを使つかったり業界ぎょうかい用語ようごを並ならべ立たてる必要ひつようもないし、無理むりやり場ばを盛もり上あげようとする必要ひつようもない。

　自分じぶんの性格せいかくそのまま、穏おだやかに落おち着ついて、事実じじつだけを話はなせばいい。そういう控ひかえめさを好このましく思おもって信頼しんらいする人ひとも少すくなからずいるのだ。内向ないこう的てきな人ひとは社交しゃこう的てきな人ひとに憧あこがれるものだが、内向ないこう的てきな自分じぶんの特性とくせいはマイナス面めんだけではないことは知しっておくべきだろう。

■気きの利きいた切きり返かえしができなくても大丈夫だいじょうぶ

　明あかるくて気きさくな人ひと、機転きてんが利きいて当意即妙とういそくみょうな受うけ答こたえができる人ひとは、誰だれからも好すかれる。テキパキしていて、判断はんだんも早はやく、リスクを恐おそれない。

　対たいして内向ないこう的てきな人ひとは物事ものごとを深ふかく考かんがえがちで、慎重しんちょうだ。多おおくの刺激しげきには対応たいおうできず、争あらそいはなるべく避さける。

　これだけ見みるとビジネスには外向がいこう型がたの方ほうが有利ゆうりに見みえるが、内向ないこう型がたの人ひとは機転きてんや瞬発しゅんぱつ的てきなコミュニケーション力りょくに欠かける代かわりに、ゆっくりじっくり考かんがえたり、物事ものごとをよく観察かんさつする力ちからに長たけているという特徴とくちょうもある。自分じぶんの性格せいかくのままビジネスで活躍かつやくするなら、この特性とくせいは大事だいじにしたほうがいいだろう。

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　とっさのアドリブが苦手にがてなのは入念にゅうねんに準備じゅんびをすることで克服こくふくできるし、自分じぶんの仕事しごとの核かくになるスキルを見極みきわめて鍛きたえていくことで、コミュニケーションが苦手にがてでも職場しょくばで頼たよられる人ひとになることはできる。

　本書ほんしょでは、内向ないこう的てきな人ひとが戦場せんじょうのようなビジネスの現場げんばでどう戦たたかって行いくべきかという示唆しさを与あたえてくれる。大事だいじなのは「性格せいかくを変かえようと努力どりょくする必要ひつようはない」ということ。今いまの自分じぶんのまま評価ひょうかされ、活躍かつやくしていくために何なにをすべきか。口下手くちべたな人ひと、コミュニケーションに苦手にがて意識いしきを持もっている人ひと、あがり症しょうの人ひと、本書ほんしょが役立やくだつ人ひとは多おおいはずだ。（新刊しんかんJP編集へんしゅう部ぶ）
※本ほん記事きじは、「新刊しんかんJP」より提供ていきょうされたものです。