平成へいせい２９年度ねんどあいちモリコロ基金ききん助成じょせい事業じぎょう「第だい２回かい『外国がいこく人じんの子こども』×『発達はったつ障さわがい』教材きょうざい活用かつよう検討けんとう会かい」を知立ちりゅう市し文化ぶんかセンターで行おこないました。

前回ぜんかい、１２月じゅうにがつ１７日にちに続つづいての２回かい目めの実施じっし。
参加さんかされたのは２０名めいで、小学校しょうがっこうの先生せんせい、地域ちいきの支援しえん機関きかんの方ほう、外国がいこく人じんや発達はったつ障さわがいの支援しえん関係かんけい者しゃだけでなく、外国がいこく人じんの子こどもには直接ちょくせつ関かかわらない、NPO・団体だんたいの方ほうにもご参加さんかいただきました。

講師こうしには、清きよし長ちょう豊ゆたか先生せんせい（NPO法人ほうじんアジャスト代表だいひょう理事りじ・発達はったつ障さわがい支援しえん専門せんもん員いん）と岡谷おかや絵美えみ先生せんせい（小牧おまき市し学校がっこうカウンセラー）をお迎むかえしました。

最初さいしょにお二に人にんの先生せんせいから、今回こんかいのテーマである「課題かだい分析ぶんせき」についてお話はなしいただきました。

清しん長ちょう先生せんせいからは、実際じっさいの事例じれいをもとに、課題かだい分析ぶんせきとは何なにかということを伝つたえていただきました。

発達はったつ障さわがいの子こどもたちには、「耳みみ」からの情報じょうほうよりも、「視覚しかく」の情報じょうほうが優位ゆういで、解わかりやすいという子こどもたちもいます。

視覚しかくに解わかりやすいように工夫くふうしているのに、授業じゅぎょうに集中しゅうちゅうできないのはどうしてだろう・・・
丁寧ていねいに子こどもの行動こうどうを見みていくと、実じつは姿勢しせいが保持ほじできていない、それで先生せんせいが伝つたえることも見みえていない・・ということがわかったそうです。
「つまずき」は「教おしえ方かた」ではなく、「子こどもの姿勢しせい」にあったということを発見はっけんし、子こども自身じしんが姿勢しせいを保たもつための工夫くふうをするということをしたという事例じれいを教おしえていただきました。

子こどもの「できない、しない」に出会であう時とき、やる気きがないから・・根気こんきがないから・・
とやみくもに精神せいしん論ろんに答こたえを向むけるのではなく、一ひとつ一ひとつの行動こうどう、学習がくしゅう課題かだいを分解ぶんかいして、
つまずいているところを発見はっけんする。できるようにする手立てだてを考かんがえるのが課題かだい分析ぶんせき。


岡谷おかや先生せんせいからは、課題かだい分析ぶんせきを行おこなう際さいの理論りろんについて少すこし触ふれていただきました。
応用おうよう行動こうどう分析ぶんせき（ABA)は、「行動こうどうの背後はいごにある原因げんいんを分析ぶんせきすることで、社会しゃかい生活せいかつ上じょうの問題もんだいを
解決かいけつしていこうという学問がくもんと実践じっせん」ということです。
大切たいせつなことは、
・日常にちじょうですぐに役立やくだつもの
・集団しゅうだんの参加さんかを助たすけるもの
・将来しょうらいの自立じりつに結むすびつくもの
・保護ほご者しゃや支援しえん者しゃが実行じっこう可能かのうなもの

大おおきな目標もくひょうではなく、子こどもがすぐにできること、スモールステップであること。
難むずかしいことではなく、子こどもの周まわりにいる保護ほご者しゃや支援しえん者しゃにもできることが大切たいせつ・・・
その方法ほうほうがあることで、周まわりの人ひととも連携れんけいや関係かんけいが生うまれていく。

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講義こうぎのあとは、「課題かだい分析ぶんせき」を行おこない「支援しえん計画けいかくを考かんがえる」ワーク

「作文さくぶんが書かけない子こ」と「分数ぶんすうの足たし算ざん・引ひき算ざんができない子こ」についての
事例じれいです。

そもそも「作文さくぶんを書かける」とはどんな力ちからが必要ひつようなんだろう？
「分数ぶんすうの足たし算ざん・引ひき算ざんができる」ということは何なにがわかっていないといけないんだろう？
と皆みなさんで話はなし合あい。

その子こがどんな風ふうに育そだってきたのか、どんな保護ほご者しゃなのか、どんなことが苦手にがてで、どんなことが得意とくいなのか・・そんな風ふうに事例じれいに焦点しょうてんを当あてると、ついつい「こうすればいいんじゃないか・・？」という方策ほうさくに目めが行いきますが、まずは学習がくしゅう課題かだいについて考かんがえる時間じかんをじっくりとりました。

作文さくぶんと分数ぶんすうについての「課題かだい分析ぶんせき」をして、では、この子こにはどんなスモールステップ
で、取とり組くんでいくか？を皆みなさんで考かんがえて発表はっぴょうしました。

とても印象いんしょう的てきだったのは、「課題かだいが違ちがう」ということがあるということ。

「分数ぶんすうができない」のは「分数ぶんすうがわからないから」だと思おもいがち。

発達はったつ障さわがい特性とくせいを持もつ子こどもの場合ばあいは、鉛筆えんぴつを持もって書かくというところに課題かだいが
あるということもある。
いつもこの課題かだいが「正ただしい」という目めから、「課題かだいが違ちがうこともある」という目めを持もち
子こどもの様子ようすから手立てだてを見みつける目めを持もつということが大切たいせつであることを感かんじました。

分数ぶんすうのグループには、日系にっけいブラジル人じんでかつては、日本にっぽんの学校がっこうで学まなぶことの苦労くろうも感かんじて
きた２０代だいの女性じょせいも参加さんかしていました。
現在げんざいは多た文化ぶんか共生きょうせいや地域ちいきの外国がいこく人じんの子こどもたちの支援しえんに取とり組くんでいる方ほうです。

その方ほうがブラジルで学まなぶ内容ないようや方法ほうほうの違ちがいをお話はなししてくださいました。
外国がいこくにルーツを持もつ子こどもたちに教おしえる時ときに、学習がくしゅうの内容ないようが国こくごとに違ちがうということ
に、日本にっぽんで生うまれ、日本にっぽんで育そだってきた人ひとは、なかなか気きづかないのではないでしょうか。

こんな風ふうに子こどもたちがいつしか大人おとなになり、支援しえん者しゃとなり、当事とうじ者しゃの声こえを伝つたえ
支援しえんの現場げんばをよりよくしていく・・という状況じょうきょうが生うまれていくといいなと思おもいました。




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最後さいごに講師こうしのお二に人にんからコメントをいただきました。
清しん長ちょう先生せんせいからは、子こどもに残のこしていきたいものは、
「自己じこ肯定こうてい感かん」・・子こどもにとってちょっと頑張がんばればできる課題かだいをプレゼントする。できる場面ばめんをたくさんつくる。
「他者たしゃ信頼しんらい感かん」・・教材きょうざいは、子こどもと一緒いっしょにつくればいい。どんな教材きょうざいがいいかなとアレコレ考かんがえて提供ていきょうするだけでなく、どうしたらいいかを一緒いっしょに考かんがえる。一緒いっしょに学まなびの機会きかいをつくるということも信頼しんらい関係かんけいにつながっていくのかなと思おもいます。
　

岡谷おかや先生せんせいからは、支援しえんにはバリエーションがあること、子こどもへの視点してんと課題かだいへの視点してんの両方りょうほう持もちながら、それらを総合そうごうして支援しえんを考かんがえていくこと。
うまくいかない時ときは「課題かだいがあっていないのかも？」と考かんがえてみること。
相手あいての能力のうりょくが低ひくいからだと決きめてしまうのでもなく、また、支援しえん者しゃに能力のうりょくがないと落おち込こむのでもなく、もう一度いちど課題かだいを考かんがえてみる。それでもやれないという時ときは、発達はったつ障さわがい特性とくせいや情緒じょうちょ的てきな課題かだいも考かんがえてみる。

今回こんかいのこの研修けんしゅうでの学まなびを日々ひびの子こどもたちの支援しえんの中なかで活いかしていただき、皆みなさんの「困こまった」や「どうしたらいいのかな」が少すこしでもクリアーになるといいなと思おもいます。