セレンディピティ ダイアリー

作家さっかの平野ひらの啓一郎けいいちろうさんのファンで、平野ひらのさんからのメールレターを読よむのを楽たのしみにしています。11月24日にちに届とどいたメールレターに、三島みしま由紀夫ゆきおの定宿じょうやどだった下田しもだのホテルのことが書かかれていて、思おもわず目めを留とめました。

ちなみに平野ひらのさんは小説しょうせつの他ほかに、三島みしま由紀夫ゆきお研究けんきゅうでも知しられていて、2023年ねん4月がつには大作たいさく「三島みしま由紀夫ゆきお論ろん」を刊行かんこうされています。(表紙ひょうしは、三島みしま由紀夫ゆきおの新潮しんちょう文庫ぶんこのデザイン！)　恐おそれ多おおいですが私わたしも三島みしまは好すきな作家さっかです。

三島みしまのことですから、定宿じょうやどはきっと老舗しにせの日本にっぽん旅館りょかんだろうと想像そうぞうしていたところ、なんと私わたしたちが２か月げつ前まえに宿泊しゅくはくした下田しもだの東急とうきゅうホテルだということです。(下田しもだの東急とうきゅうホテルに宿泊しゅくはくした時ときの記事きじをリンクします。写真しゃしんは再掲さいけいですが、その時とき撮とったものです。)

南伊豆みなみいず　ビートリゾートの休日きゅうじつ ＆ シュノーケリングを楽たのしむ　(2023-09-18)

11月21日にちは、下田しもだで三島みしま由紀夫ゆきおと海うみについての講演こうえんをしてきました。
三島みしまは、1964年ねんから亡なくなる1970年ねんまで、毎年まいとし夏なつに1ヵ月かげつ間あいだ、下田しもだの東急とうきゅうホテルに家族かぞくと滞在たいざいしていました。（平野ひらのさんのメールレターより）

僕ぼくは、三島みしまが執筆しっぴつ部屋へやに使つかっていた503号ごう室しつに今回こんかい宿泊しゅくはくしました。（同どうメールレターより）

私わたしたちが宿泊しゅくはくしたのもたしか５階かいだったと記憶きおくしていますが、部屋へや番号ばんごうまでは覚おぼえていなくて。でも503号ごう室しつではなかった気きがします。次回じかい宿泊しゅくはくする機会きかいがあったら、503号ごう室しつに宿泊しゅくはくしてみたいです。(内装ないそうは当時とうじとまったく変かわっているそうですが)

三島みしまが日光浴にっこうよくをしたプールを見みて（彼かれはカナヅチでした）、ビーチに降おりてゆく階段かいだんも歩あるいてみました。（同どうメールレターより）

三島みしまもこのプールサイドですごし、ビーチに降おりていく階段かいだんを下おりていったんだなーと思おもうと感慨深かんがいぶかいです。

平野ひらのさんのインスタグラムを見みたところ、このホテル、平野ひらのさん原作げんさくのNHKドラマ「空白くうはくを満みたしなさい」(私わたしは原作げんさくは読よんでいますがドラマは未見みけん) のロケ地ちにもなっていたとか。平野ひらのさん自身じしんもご存知ぞんじなかったそうです。^^

思おもいがけない偶然ぐうぜんでしたが、このホテルに特別とくべつな思おもいを抱いだきました。

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話はなしはがらりと変かわりますが、この秋あきに購入こうにゅうしたコスメの話はなしです。

ADDICTIONでアイシャドウを２色しょく購入こうにゅうしました。左ひだりは Tamarindo Beach という色いろでほんのりピンクがかったブラウンです。タマリンド・ビーチというのはコスタリカにあるビーチだそうですが、そのビーチの砂すなの色いろに似にているのでしょうか。

右みぎは Cassis という色いろで、ボルドーのような紫むらさきがかったピンク色ぴんくいろ。どちらも秋あき～冬ふゆにぴったりの色いろでとってもお気きに入いりです。

11月初はじめのある休日きゅうじつ、虎ノ門とらのもんヒルズの目めの前まえにある GOOD MORNING CAFE & GRILL (以下いかGMC) にお昼ひるを食たべに行いきました。

GMCは本店ほんてんが千駄ヶ谷せんだがやにあった頃ころ、当時とうじ通かよっていた大学だいがくの社会しゃかい人じんクラスの友人ゆうじんたちとよく行いったお気きに入いりのお店みせ。クワトロフォルマッジとはちみつのピッツァというものを、初はじめて知しったのもこのお店みせでした。

虎ノ門とらのもんのお店みせは車くるまで前まえを通とおるたびに気きになっていました。空あきスペースに建たてられたコンテナ造づくりのお店みせで、ずっと仮かり店舗てんぽだと思おもっているうちにいつの間まにか10年ねんちかく経たっていました。テラス席せきがあり、休日きゅうじつのブランチやランチをのんびり楽たのしむのにぴったりの雰囲気ふんいきです。

ランチメニューから私わたしが選えらんだのはパスタのセット。食事しょくじの前まえにコンソメスープと、カポナータ、フリッタータ (イタリア風ふうオムレツ)、きのこのオイル煮になどの前菜ぜんさい盛もり合あわせ。

こちらはお店みせのシグネチャーメニューのグッドモーニングバーガー。グリルでぎゅっと焼やき上あげたパティが、シンプルながらとてもおいしい。細ほそめに仕上しあげたフレンチフライもおいしくて手てが止とまらない。

この日ひのパスタは、シーフードのラグートマトスパゲティ。たたいて細こまかく刻きざんだシーフードは、ミートのラグーとはひと味あじ違ちがった食しょく感かんでした。

食後しょくごにコーヒー (私わたしはカフェラテ) をいただきました。ミルクのほのかな甘あまさが体からだに優やさしくしみわたります。

私わたしたちは屋内おくないの席せきにしましたが、壁かべが取とり払はらわれていて、テラス席せきのような解放かいほう感かんがあるのが気持きもちよかったです。

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食事しょくじの後のちにすぐ近ちかくの愛宕山あたごやままで散策さんさくしました。愛宕山あたごやまは東京とうきょう23区くで一番いちばん高たかい山ざんですが、標高ひょうこうわずか25.7mです。江戸えど時代じだいには眺ながめがよいというので浮世絵うきよえに描えがかれ、また日本にっぽんで初はじめてのテレビ放送ほうそうもこの山やまから発信はっしんされました。

虎ノ門とらのもんヒルズのレジデンス横よこの坂道さかみちを、のんびり10分ふんくらい登のぼればそこが山頂さんちょうです。^^

山頂さんちょうには愛宕あたご神社じんじゃと、NHK放送ほうそう博物館はくぶつかんがあります。愛宕あたご神社じんじゃは境内けいだい整備せいび工事こうじの真最中まっさいちゅうでしたが、お参まいりはできるようになっていました。境内けいだいの山茶花さざんかがきれいでした。

そして愛宕あたご神社じんじゃといえば有名ゆうめいなのが、出世しゅっせの階段かいだん。

ひえ～っと言いいたくなる急きゅうな階段かいだんですが、ここは江戸えど時代じだいに、徳川とくがわ３代だい将軍家しょうぐんけ光こう公こうの命いのちにより馬うまにて階段かいだんを駆かけ上のぼって梅うめの枝えだを取とりに行いって献上けんじょうしたという、曲きょく垣かき平たいら九郎くろう (くがき へいくろう) の故事こじにちなんで名なづけられています。

階段かいだんを下おりて見上みあげると、このような眺ながめとなっています。

この後のちは再ふたたび階段かいだんを上のぼって、NHK放送ほうそう博物館はくぶつかんに寄よりました。ラジオ・テレビ放送ほうそうの歴史れきしと、放送ほうそう技術ぎじゅつの変遷へんせん、昔むかしの懐なつかしいテレビ番組ばんぐみ、放送ほうそうの最新さいしん技術ぎじゅつの紹介しょうかいと、無料むりょうながらなかなか見応みごたえがありました。

配信はいしんで、久ひさしぶりに再さい見みした２作品さくひんです。

ノッティングヒルの恋人こいびと　(Notting Hill)　1999

この映画えいがは、公開こうかい時じにアメリカの劇場げきじょうで見みて、その後ご日本にっぽんのテレビで偶然ぐうぜん見みて、今回こんかい見みるのが３度目どめでしたが、何なん度ど見みてもおもしろい。そして最後さいごの記者きしゃ会見かいけんの場面ばめんでは、何なん度ど見みても号泣ごうきゅうしてしまいます。序盤じょばんで、スパイクがＴてぃーシャツ着きて階段かいだんを下おりてくるところから

オチがわかっているのに、にやにやが止とまらない。アナの I am just a girl. は、いつか使つかいたいと思おもいながら、いまだに使つかうチャンスがない。ヒューが Horse & Hound を持もち出だす度たびに笑わらい転ころげてしまう。それもこれも、リチャード・カーティスの脚本きゃくほんがすばらしいから。

主演しゅえんのジュリア・ロバーツとヒュー・グラントはじめ、登場とうじょう人物じんぶつがみな魅力みりょく的てきで、ノッティング・ヒルという舞台ぶたいが魅力みりょく的てきで、そして何なによりエルヴィス・コステロの「She」が魅力みりょく的てき。私わたしにはエターナル・ベストというべき、大好だいすきな作品さくひんです。

サタデー・ナイト・フィーバー　(Saturday Night Fever)　1977

公開こうかい時じに劇場げきじょうで見みて以来いらいの再さい見みです。当時とうじはビージーズの音楽おんがくとトラボルタのダンスばかりが印象いんしょうに残のこっていましたが、年としを重かさね、経験けいけんを重かさねた今いま改あらためて見みると、さまざまな気きづきがありました。以下いか思おもいつくままに書かいていきます。

ウエストサイド物語ものがたり (1961) へのオマージュ

ブルックリンの空そら撮つまみからはじまるオープニング、プエルトリコ移民いみんとの確執かくしつなど「ウエストサイド物語ものがたり」を彷彿ほうふつとさせる場面ばめんがいくつもありました。主人公しゅじんこうの名前なまえも同おなじくトニー。トニーは悪友あくゆうたちとつきあっていますが、実じつはまじめで、頭あたまがきれる青年せいねんです。

トニーが恋こいをするステファニーは、これまでトニーの周まわりにいた女性じょせいたちとはまったく違ちがうタイプ。彼女かのじょの白しろいドレスは、ウエストサイドのマリアを彷彿ほうふつとさせました。名前なまえがマリアではないのは、上昇じょうしょう志向しこうの強つよいステファニーが、自分じぶんのステップアップのために

有力ゆうりょく者しゃの愛人あいじんとなっているからと理解りかいしました。ステファニーの鼻持はなもちならない自慢じまん話はなしの数々かずかずは、実じつは劣等れっとう感かんの裏返うらがえしなのでしょう。でもトニーは彼女かのじょと出会であったことで、これまでの生いき方かたを変かえる決心けっしんをするのです。

トニーの部屋へやと、狼おおかみたちの午後ごご

ファラ・フォーセット、ブルース・リーなど、当時とうじのスターたちのポスターが懐なつかしい。アル・パチーノに似にていると言いわれたトニーは、自室じしつのアル・パチーノのポスターに向むかって、似にているかな？と自問じもんします。

そのあとの「アッティカ！アッティカ！」(映画えいがではアディゴ！アディゴ！と聞きこえる) というセリフは、映画えいが「狼おおかみたちの午後ごご」(Dog Day Afternoon・1975) の一いち場面ばめんですが、これも映画えいがを見みたからこそ、わかったことです。

イタリア系けい移民いみんと、ブルックリンの今こんむかし

ブルックリンに住すむイタリア系けい移民いみんの物語ものがたりといって思おもい出だすのは、シェールの「月つきの輝かがやく夜よるに」(Moonstruck・1987)。月つきの輝かがやく～はイタリア系けいらしい大だい家族かぞくの心温こころあたたまる物語ものがたりでしたが、本ほん作さくのトニーを取とり巻まく環境かんきょうはあまり芳かんばしいとはいえません。

口くちうるさく、いがみあってばかりの両親りょうしん。お世辞せじにも素行そこうがいいとはいえない友人ゆうじんたち。勤務きんむ先さきのペンキ店てんでは仕事しごとぶりを評価ひょうかされているけれど、長年ながねん働はたらいたところでいいことなんてひとつもない。先さきの見みえない閉塞へいそく感かんの中なかで、トニーが唯一ゆいいつ誇ほこれるものがダンスでした。

当時とうじ、白人はくじんといっても下層かそうに位置いちしていたイタリア系けいは、マンハッタンではなく下町したまちのブルックリンに住すんでいましたが、そのブルックリンも今いまは様変さまがわりしています。マンハッタンの家賃やちんの高騰こうとうにより、ソーホーに住すんでいたアーティストたちが

家賃やちんの安やすいブルックリンに移うつり住すむようになったのを機きに、今いまではすっかり人気にんきのおしゃれエリアに。2015年ねんの映画えいが「マイ・インターン」(The Intern) ではアン・ハサウェイ演えんじるイーコマースの社長しゃちょうが、ブルックリンのれんが造づくりの倉庫そうこをオフィスにしています。

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人種じんしゅ差別さべつ、性せい差別さべつ、格差かくさ、暴力ぼうりょくなど、当時とうじの社会しゃかい問題もんだい (と認識にんしきされていたかどうかわかりませんが) が生々なまなましく描えがかれていて、単たんなるディスコ映画えいがではなかったことを、今いまさらながら知しりました。それだけでも見みる価値かちのある作品さくひんでした。

だいぶ間あいだがあいてしまいましたが、京都きょうと旅行りょこう記き（2023・夏なつ）の続つづきです。前回ぜんかいまでの記事きじはこちら。

１．京都きょうと旅行りょこう記き（2023・夏なつ）松まつ粂さんのミニ会席かいせき ～ 鹿苑寺ろくおんじ (金閣寺きんかくじ)
２．京都きょうと旅行りょこう記き（2023・夏なつ）新島にいじま旧きゅう邸やしき ～ kawaCOFFEE
３．京都きょうと旅行りょこう記き（2023・夏なつ）草くさ風土ふうど うしのほね ＠先斗ぽんと町まち
４．京都きょうと旅行りょこう記き（2023・夏なつ）高木たかぎ珈琲こーひー店てんのモーニング
５．京都きょうと旅行りょこう記き（2023・夏なつ）畳たたみアート ＠東福寺とうふくじ光明院こうみょういん

畳たたみアートを見みた後のちは、東山ひがしやま五条ごじょうのオムライス屋やさんでお昼ひるをいただいてから、河井かわい寛次郎かんじろう記念きねん館かんを訪おとずれました。

清水寺きよみずでらからほど近ちかい住宅じゅうたく街がいにある、味あじわいのあるこのお家いえは、柳やなぎ宗悦むねよし、浜田はまだ庄司しょうじらとともに民藝みんげい運動うんどうに携たずさわった、陶芸とうげい家かの河井かわい寛次郎かんじろうが生前せいぜん住すんでいた住宅じゅうたくで、現在げんざいは寛次郎かんじろうの記念きねん館かんとなっています。

太ふとい梁はりと柱はしら、どっしりと風格ふうかくのある住宅じゅうたくに、寛次郎かんじろうのぽってりとした厚あつみのある陶芸とうげい作品さくひん、ひいては日々ひびの暮くらしを見みつめ続つづけた、寛次郎かんじろうの実直じっちょくな生いき方かたに通つうじるものを感かんじました。

古風こふうで伝統でんとう的てきな日本にっぽん住宅じゅうたくながら、どことなくモダンで粋いきなところも感かんじられるすてきなお家いえでした。

住宅じゅうたくから長ながく続つづく廊下ろうかを通とおって、奥おくの窯かまのあるエリアへと向むかいます。白砂はくしゃが敷しかれたシンプルな中庭なかにわに、凛りんとした清潔せいけつ感かんを感かんじました。

廊下ろうかにはガラスのケースがあり、寛次郎かんじろうの作品さくひんが展示てんじされていました。ルーシー・リーを思おもわせる美うつくしいローズピンクにうっとりしました。

八角はっかく形がたですが、角かくの取とれた四角形しかっけいといった感かんじで、やわらかさを感かんじる器うつわです。温あたたかみのある青色あおいろと、幾何きか学がく模様もようの美うつくしさに惹ひかれました。

寛次郎かんじろうの作品さくひんを見みると、飾かざりたいというよりは、日常にちじょう生活せいかつに取とり入いれて日々ひび大切たいせつに使つかってみたい、と思おもいます。まさに民藝みんげい運動うんどうが目指めざした用ようの美び、ここに極きわまれりです。

廊下ろうかを抜ぬけたところから奥おくは、窯かまのある作業場さぎょうばとなります。これは素焼すやき窯かま。乾燥かんそうした粘土ねんどの段階だんかいの作品さくひんは、この窯かまに入いれて焼やきます。

奥おくの離はなれも、趣おもむきのある建物たてもので、庇ひさしに藤棚ふじだながありました。この離はなれにも、寛次郎かんじろうの作品さくひんのほか、東京とうきょう高等こうとう工業こうぎょう学校がっこう (現げん・東京工業大学とうきょうこうぎょうだいがく) の窯業ようぎょう科かを卒業そつぎょうした寛次郎かんじろうの、克明こくめいに記しるされた勉強べんきょうノートなどが展示てんじされていました。

さらに奥おくにある登のぼり窯かまです。素焼すやきにした作品さくひんは、釉薬をかけた後のち、この窯かまで焼やきます。登のぼり窯かまは共同きょうどう窯かまで、近隣きんりんの20軒けんが使つかっていたそうです。このあたりは清水寺きよみずでらに近ちかいので、清水焼きよみずやきの窯元かまもとがたくさん集あつまっていたのでしょうか。

登のぼり窯かまには階段かいだん状じょうに窯かまが並ならんでいます。

各かく窯かまの室しつは、こんな風ふうになっています。

再ふたたび住宅じゅうたくにもどって、今度こんどは２階かいに上あがってみることにしました。奥おくに見みえる階段かいだんを上のぼります。階段かいだんの下したに収納しゅうのうがついていて、家具かぐのようになっています。

寛次郎かんじろうの書斎しょさいです。

再ふたたび１階かいにもどりました。お座敷ざしきの中央ちゅうおうに寛次郎かんじろうのオブジェがあります。

寛次郎かんじろうは猫ねこを飼かっていたようで、今いまも看板かんばん猫ねこが受うけ継つがれていました。ちょっぴりおデブな猫ねこちゃんが気持きもちよさそうにお昼寝ひるねの最中さいちゅうでした。

寛次郎かんじろうの作品さくひん、寛次郎かんじろうの暮くらしぶりに触ふれ、東京とうきょうにもどったら、寛次郎かんじろうらが開館かいかんに携たずさわった駒場こまばの日本にっぽん民藝みんげい館かんも訪おとずれよう、と心しんに決きめました。

これで京都きょうと旅行りょこう記き（2023・夏なつ）の〆といたします。長々ながながとおつきありくださり、ありがとうございました。

Netflix配信はいしんの新作しんさく。エミリー・ブラント主演しゅえんの社会しゃかい派は？ドラマです。

ペイン・ハスラーズ　(Pain Hustlers)

家いえも職しょくもすべて失うしなったシングルマザーが、ひょんなことから製薬せいやく会社かいしゃの営業えいぎょう員いんとして採用さいようされて大だい活躍かつやく。会社かいしゃも大おおきく業績ぎょうせきを伸のばしますが、さらなる金儲かねもうけをもくろむ会社かいしゃが、やがて倫理りんり的てきに許ゆるされざる道みちへと突つき進すすんでいく...という実話じつわをもとにした作品さくひんです。

エミリー・ブラントが好すきで、不正ふせいを暴あばく社会しゃかい派は作品さくひんが好すきなので、配信はいしんを楽たのしみにしていました。見みる前まえは、大好だいすきな「エリン・ブロコビッチ」みたいな作品さくひんを想像そうぞうしていたのですが、そこまでの爽快そうかい感かんがなかったのは

エミリー・ブラント演えんじる主人公しゅじんこうのライザ自身じしんが不正ふせいに手てを染そめていたからでしょうか。もっともライザは会社かいしゃのために、そして自分じぶんのために必死ひっしにがんばっているうちに、いつの間まにか越こえてはいけない一線いっせんを踏ふみ出だしてしまったわけで

誰だれもが陥おちいる危険きけんのある落おとし穴あな、と少すこし怖こわくなりました。まわりが見みえなくなるくらいに、すべてが順調じゅんちょうにいっている時ときは、ふと立たち止どまって冷静れいせいにまわりや自分じぶんを見みつめる勇気ゆうきが必要ひつよう、という忠告ちゅうこくと受うけ止とめました。

それから本ほん作さくでは、アメリカの拝金はいきん主義しゅぎが「ウルフ・オブ・ウォールストリート」のようにシニカルに、カリカチュアに描えがかれていて、もちろんそうではない人ひともたくさんいることはわかっていますが、少々しょうしょう嫌気いやけがさしました。

ライザが家族かぞくとうまくいかなくなったのもお金かねが原因げんいんですし、その後ご仲直なかなおりしたのもお金かねのおかげなのですよね。貧まずしさを知しっていても（あるいは知しっているからこそ？）お金かねを手てにしたとたんに、高級こうきゅう車しゃを乗のり回まわし、豪邸ごうていを手てに入いれ、人ひとが変かわってしまう。

お金かねはつくづく魔物まものなのだと思おもいます。子こどもの教育きょういくも、医療いりょうも、そして正義せいぎさえも金かね次第しだい。そんな現実げんじつもコミカルに描えがかれていました。

ノー天気てんきな博士はかせを演えんじていたのは、アンディ・ガルシアだったのですね。私わたしは宮崎駿みやざきはやおさんに見みえてしまって困こまりました。^^