■■ はじめに・・・ ■■  *当とうブログは2人組にんぐみで運営うんえいしております。*内容ないようは男性だんせい同士どうしの恋愛れんあい等とうをメインに取とり扱あつかった一いち次じ創作そうさくです。 BLなどのご理解りかいを頂いただけていない方ほう、嫌悪けんお感かんを抱いだかれる方ほうは回まわれ右みぎでお願ねがい致いたします。 ま

ファインに言いわれたことはあの時とき、結構けっこう刺ささっていたのだろう。「お前まえが何なんでああいうキスが嫌いやじゃないか、わからねえならもう、それでいい。それにお前まえの中なかでは親おやにキスするのとオレとさっきのようなキスする感覚かんかくは同おなじなのかもしんねえしな。もう、いい」

◆水晶すいしょうの涙なみだ◆ ── とある王国おうこく 神しんの子こが禁忌きんきを犯おかし、居いなくなってから長ながい年月としつきが過すぎ去さった……。 辺境へんきょうの村むらで少年しょうねん2人にんは、いつも通とおり平穏へいおんに暮くらしていたはずだった。 *赤あか&ra

「他人たにんに置おき換かえるってどういうこと。第だい一いち、俺おれの体からだの状態じょうたいと関係かんけいないような……」 思おもったことを口くちにすれば「いいから」とカースが続つづけてくる。「例たとえばさ、ナージフとファインが挨拶あいさつってことでお互たがいハグしたとするだろ」「何なんで

ファインが好すきだと、打うち明あけられた。 アルスは肩かたの荷にが下おりたかのようにホッとした。ボルフォルドに会あう前まえからひたすら悶々もんもんと考かんがえていただけに、気持きもちを口くちにして照てれたり緊張きんちょうしたりするより使命しめいを果はたしたかのような、脱力だつりょくにも近ちかい安堵あんど感かんがまず押おし寄よせ

やはり少々しょうしょう歩あるいた程度ていどでは村むらも町まちも見みつからなかった。だが予想よそう通どおり森もりには洞窟どうくつとまではいかなくとも四よん人にんが休やすむには十分じゅうぶんな洞穴どうけつがあった。 ちなみに洞窟どうくつや洞穴どうけつができるには気きの遠とおくなるような年月としつきが必要ひつようで、雨水あまみずや地下水ちかすいが何なん十じゅう年ねん、何なん百ひゃく年ねんとかけてじわじわ岩いわを

急きゅうに動悸どうきが激はげしくなった気きがする。ファインは自分じぶんに落おち着つけと心しんの中なかでい聞いきかせた。 あれだ。いつもみたいにオレの都合つごういいように考かんがえている可能かのう性せいあんだろ。もう一度いちど思おもい返かえせ。 だが深呼吸しんこきゅうしてから思おもい返かえしても同おなじ会話かいわしか浮うかばない。「&helli

ファインとアルスがい合いあっている間あいだに、カースとフォルアでボルフォルドを埋うめてくれていたようだ。その上うえで改あらためてアルスを見みて、話はなしを遮さえぎってでも治療ちりょうを優先ゆうせんしたほうがいいとカースは判断はんだんしたのだろう。 ファインとて冷静れいせいだったならばアルスの治療ちりょうを最さい優先ゆうせん

剣けんではじかれるのが予想よそう外がいだったのか、ボルフォルドの反応はんのうに遅おくれが生しょうじた。それでもすぐ立たて直なおそうとしていたが、些細ささいであれアルスが見逃みのがすはずなかった。今いままでどれくらい剣けんを振ふり、練習れんしゅうだけでなく実戦じっせんで体からだを動うごかしてきたかわからない。今いまもボルフォルドの

ずっと一緒いっしょに旅たびしてきたからか、自然しぜんと動うごきの連携れんけいは取とれていた。それに、ルビアと対決たいけつした時ときとやり方かたは似にていた。 あの時ときもファインが指示しじを出だしてくれていた。魔力まりょくや戦闘せんとうの強つよさで言いうならダントツにカースやフォルアだと言いい切きれるが、こういう時ときにさっと

いい加減かげんにしろとファインは本気ほんきで忌々いまいましげに怒鳴どなっているが、目めの前まえにいる老人ろうじんをアルスは少々しょうしょう引ひきつった気持きもちで見みた。 あれから結構けっこう経たっている。だが今いまでも覚おぼえている。魔法まほうが得意とくいでないアルスですら、初はじめて見みたボルフォルドに対たいし相当そうとうな魔力まりょくの持もち主ぬしで

結局けっきょくアルスは何なんともなかったようだ。診みてくれたカースいわく「少すこし疲つかれてただけじゃないかな」らしい。フォルアも診みてくれたのかもしれないが、とりあえず安定あんていの無む反応はんのうだった。「でも……」「本当ほんとうに大丈夫だいじょうぶだって。だいたいあの

しばらく抱だきしめたままでいたが、アルスが「そろそろ離はなして」と言いってきてファインはようやくハッとなった。「あ、えっと、悪わるい」「ううん。悪わるくはないけど、ずっとだと何なんだか落おち着つかなくて」「落おち着つかない？ 何なんで」 アルスに自分じぶんの気持きもちがバレてから

カルフォンの王おうに提案ていあんされたことはさすがに即答そくとうするわけにもいかず、一旦いったん持もち帰かえりでファインはアルスと話はなし合あった。とはいえその話はなしが長ながくなることはなかった。 二人ふたりともに魅力みりょく的てきすぎる話はなしだと理解りかいはしている。だがありえないほど破格はかくの申もうし出でをされ、むしろ

ファインが持もっていたクレブスだが、実際じっさい処方しょほうしたのはフォルアだった。「オレだとまだ扱あつかったことなくて詳くわしくわからねえから何なにかあってもまずいし、万まんが一いち効ききが悪わるくなっても困こまる」 ファインはアルスからすれば大抵たいてい何なんでも知しっている。蓄たくわえている知識ちしきは豊富ほうふ

水晶すいしょうの件けんはすぐ王おうの耳みみにも届とどいたようだ。アルスたちの存在そんざいも知しることとなり結果けっか、クレブスのこともあからさまになった。 身元みもとが確たしかではないため数すう日にちかけて様子ようすを窺うかがってからとモーヴェルトが言いっていたのは案あんの定じょう、クレブスの存在そんざいを公おおやけにしないためとアルス

ここへ来きてからのフォルアが何なんとなくおかしいような気きがして、アルスはとうとう直接ちょくせつ本人ほんにんに聞きいた。「フォルア、どうかしたの？」 ただき方きかたが抽象ちゅうしょう的てきだったのだろう。フォルアは首くびを傾かしげながらアルスを見みてくる。ついでにファインも少すこし首くびを傾かしげながらアル

「あれは私わたしが持もつべきものだ」 キャンドルの灯あかりの中なか、モーヴェルトは呟つぶやいた。 彼かれらと話はなしていて不意ふいに目めに入はいってきたそれを見みた時とき、モーヴェルトは自分じぶんの目めを疑うたがった。ほんの一瞬いっしゅん過すぎて幻まぼろしを見みたのかとも思おもった。 何なにという……

そのアルスも成人せいじんして体からだがしっかりできてきたからだろうか。以前いぜんは馬鹿力ばかぢからであっても筋肉きんにくなどまったくないように見みえていた体からだが最近さいきんは結構けっこう引ひき締しまってきているように思おもえる。 ちなみにアルスの体からだを日々ひび覗のぞき見みしているのではなく、風呂ふろを時折ときおり一緒いっしょに入はいる羽目はめ

「オレに奪うばわれんのかって思おもってるような態度たいどよせ。オレが、んなことしてどうするよ。ったく。とばっちり過すぎんだろが」 微妙びみょうな顔かおでファインが見下みおろせば、フォルアはじっとファインを見みた後のちに抱いだきかかえた楽器がっき兼けん武器ぶきに顔かおを摺すり寄よせた。 そんな様子ようすのフォル