藤嶋ふじしま陽子ようこが解説かいせつ。明日あしたがわかる「ファッション」の最新さいしん時事じじ用語ようご事典じてん

テクノロジーがファッションにどのように導入どうにゅうされていくのか注目ちゅうもくされるが、効率こうりつ化かばかりが重視じゅうしされてファストファッションのような大量たいりょう生産せいさん・大量たいりょう消費しょうひになるのは望のぞましくない。テクノロジーを生産せいさん・流通りゅうつう・消費しょうひなどの工程こうていに導入どうにゅうすることのポジティブな側面そくめんに期待きたいしたい。

リジェネラティブファッション

再さい生産せいさんされた服ふくやリサイクルやアップサイクル、古着ふるぎまでも含ふくむファッションの総称そうしょう。バイオ技術ぎじゅつの発展はってんとともに回収かいしゅう後ごに分解ぶんかいやリサイクルができる素材そざいの開発かいはつも進すすんでいる。

例たとえば、微生物びせいぶつ発酵はっこうのようなバイオテクノロジーや、農業のうぎょう廃棄はいき物ぶつや食品しょくひん廃棄はいき物ぶつを活用かつようした新しん素材そざいが広ひろまることで、回収かいしゅうや再生さいせいまで見越みこした製造せいぞう・流通りゅうつうプロセスが整備せいびされ、衣服いふくの消費しょうひ習慣しゅうかんが根本こんぽんから変化へんかすることが期待きたいされる。

クリエイティブ・ディレクター

ファレル・ウィリアムスがルイ・ヴィトンのメンズ クリエイティブ・ディレクターに抜擢ばってきされた。服飾ふくしょくでの活動かつどうを主軸しゅじくとしていなかった人ひとがビッグメゾンのデザイナー職しょくに就ついたことは大おおきな事件じけんといえる。

ファッション市場いちばの規模きぼがグローバルに大おおきくなるにつれて、またSNSでの情報じょうほう発信はっしんが中心ちゅうしんとなるにつれて、ブランド運営うんえいは変化へんかが求もとめられている。すでに強固きょうこな発信はっしん力りょくを確立かくりつしたインフルエンサーを起用きようする流ながれは、今後こんごも拡大かくだいしていくかもしれない。

コンピュテーショナルデザイン

建築けんちくを中心ちゅうしんに発達はったつした設計せっけいプロセスの一部いちぶをコンピューターに代替だいたいさせるという手法しゅほうが、衣服いふくの設計せっけいでも増ふえている。例たとえば、型紙かたがみの制作せいさくに人工じんこう知能ちのうや3DCGを活用かつようすることで、残ざん布ぬのや廃棄はいきが少すくないように再さい構成こうせいすることが可能かのうに。

こうした技術ぎじゅつの開発かいはつは資本しほん力りょくのある大手おおてブランドでしか実践じっせんできないため、技術ぎじゅつ開発かいはつに特とく化かした企業きぎょうと協業きょうぎょうする形式けいしきも見みられる。また衣服いふくの意匠いしょうや機能きのうなどデザイン面めんでも、従来じゅうらいではあり得えない表現ひょうげんや構造こうぞうを実現じつげんできる可能かのう性せいがある。

デジタルファッション

SNS、ゲームやメタバースといったデジタル空間くうかんでの活動かつどうが増ふえるなかで、プロフィール画像がぞうやアバターにも自分じぶんのアイデンティティを表現ひょうげんしたいというニーズが増ますと見越みこし、デジタル上じょうで使用しようするファッションアイテムが販売はんばいされている。

実写じっしゃの画像がぞうに合成ごうせいするデジタル服ふくを販売はんばいするDRESSXは、物理ぶつり服ふくを代替だいたいすることでサステイナビリティに貢献こうけんすることも狙ねらいとして掲かかげている。今後こんごは、各かくブランドが培つちかってきた資産しさんをデジタルな空間くうかんにどのように活用かつようできるかが問とわれている。