映像えいぞう制作せいさくユニット「こねこフィルム」によるショートドラマ『年齢ねんれい確認かくにんVSプライド』での演技えんぎ注目ちゅうもくあつめる女優じょゆう赤間あかま麻里子まりこ(53)。今年ことしあさドラ『とらつばさ』(NHK)や『アンメット』(フジテレビけい)に出演しゅつえんし、53さいにしてついにブレイクをたしたあかあいだが、無名むめいじゅく時代じだい挫折ざせつ育児いくじによる10ねんのブランク、そして映画えいがはつ出演しゅつえん発覚はっかくしたやまいについてはじめてかたった。(ぜん3かいの2かい#1からむ)

赤間あかま麻里子まりこ ©文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう

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結婚けっこんし、30だいはほとんど子育こそだてに専念せんねん

――無名むめいじゅく時代じだいはテレビドラマを中心ちゅうしん活動かつどうしていた赤間あかまさんですが、やく10ねん在籍ざいせきしたのちにフリーに転身てんしんされましたね。

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仲代なかだいさんも無名むめいじゅく大好だいすきでしたが、ここにいたらあまえてしまうとおもい、一人ひとりきていくためにもおもって独立どくりつしました」

――おなごろに、無名むめいじゅく出身しゅっしん俳優はいゆう高川たかがわ裕也ゆうやさんとご結婚けっこんされています。

「はい。子供こどもも3にんまれたので、30だいはほとんど子育こそだてに専念せんねんしていました」

――子育こそだてによってキャリアが中断ちゅうだんされることに不安ふあんはありましたか?

「そうですね。テレビをつければ、仲間なかまたちが活躍かつやくしていて、わたしだけがポツンとのこされた気持きもちになる。きゅうなみだがあふれてくることもありました。でも、芝居しばいなんさいになってもできるけど、子供こどもたちの成長せいちょうられるのはいましかない。ここで子育こそだてに全部ぜんぶのエネルギーをかけないと、それはそれで後悔こうかいするとおもいました。だから、もし子育こそだてをやりったのちに、ものちたようにお芝居しばいへの気持きもちがなくなっていれば、役者やくしゃへのおもいはそんなもんだったんだな。それならそれでいいじゃないか。と、自分じぶんにいいきかせていましたね」

38さいのある、スポーツニュースを号泣ごうきゅうした

赤間あかま麻里子まりこ ©文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう

――2つの気持きもちのあいだうごいていたんですね。

「でも、38さいのある、そののことはいまでもはっきりおぼえているんですが、まだちいさかった3にん子供こどもかしつけたあと、へとへとで洗濯せんたくぶつたたみながら、テレビのスポーツニュースをていたんです。そうしたら、当時とうじ阪神はんしんタイガースにいた下柳しもやなぎつよし投手とうしゅのインタビューがながれていました。『40さいぎても現役げんえき投手とうしゅをされている理由りゆうなにですか』とかれた下柳しもやなぎさんは、『みんなは40さいぎるとやめる理由りゆうさがすけど、ぼくはやる理由りゆうさがつづけてやってるだけなんです』とこたえていらした。わたし、それをいて号泣ごうきゅうしちゃったんです。わたし子育こそだてが大変たいへんだからとか、そうやっていいわけをして自分じぶんきずつかない引退いんたい仕方しかたをどこかでずっとさがしていたがするんです。でも、本当ほんとうわたし、ずっと芝居しばいがやりたかったんですよね」