こんにちは。行動習慣コンサルタントの冨山真由です。3回連続で、実りある1on1(ワンオンワン)ミーティングの土台となる、信頼関係の築き方について説明しています。
初回は「相手(部下)を承認する」ことについて(「部下が言ったとおりに動かない」 その原因はあなたにある)、2回目は「話のき方」について(腕組み、ダメ出し、「結論から話せ」 こんな1on1はイヤだ)について説明しました。3回目となる今回は、話のき方の続きで、「部下から何を聞くのか」について説明します。
上に用意したのは、「部下の主体性を引き出す7つのリスト」です。全部を確実にやる必要はありませんが、分かりやすく仕様化しました。
これから7項目について一つひとつ、説明します。まず1番目の「相談」ですが、これは文字通り、部下に「相談を持ちかける」ということ。信頼関係を築く上では、何か困りごとがあったときに「これはどうしたらいいと思いますか?」と、部下に対してこちらから相談するのが有効です。
自分で分かり切っていることを、部下に「あえて聞いてみる」
上司であるあなたが普段、部下に相談することは、まれですよね。そこを、あえて聞く。一瞬、「これ何だっけ?」と思うことがあれば、自分で調べる前にあえて「〇〇さん、これ詳しかったですよね」とか、「〇〇さん、この案件に同行していますよね。あのときお客さん、何て言ってましたか」といった具合に。「あえて相談する」ことで、メンバーとの距離を縮めることができます。日頃、自分に指示を出して業務を回している上司が、自分に相談してくれたということを、有意義なことだと認識する部下は少なくありません。相談というのは、信頼関係を築く上で重要なポイントの1つなのです。
次に2番目の「主体性」を引き出すポイントですが、これは部下がどうしたいのかを単純に聞くだけで構いません。「〇〇さんはどうしたいですか」といった具合です。このとき、一方的に決めつけて「〇〇さんは新規顧客が苦手だから、継続案件を任せよう」などとはしないでください。もしかしたら部下は、違うことを考えているかもしれません。例えば「新規顧客の開拓は苦手だけど、克服するために挑戦したい」といった具合に。部下の主体性を引き出すためには、相手がどうありたいのか、どうしたいのかを根気よく尋ねることを心がけてください。
続いて3番目の「自立心」。これは言うのは簡単ですが、身に付けるのは大変です。まさに、何かを経験させないと芽生えないものなので。例えばメンバーに、「私はあなたならできると思いますけど、どうですか? この案件を担当してみませんか?」と、ストレッチゴールを設けるつもりで「サポートするからやってみませんか」と問いかけ、部下のやる気を引き出すのが狙いです。
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