絶対に
大丈夫だと
自分たちの
絆を
強く
思うこともあれば、ふとした
瞬間に
目の
前で
崩れ
去るんじゃないかという
不安に
押しつぶされそうにもなる。
それは
寝て
起きて、
隣に
眠る
愛する
人の
体温を
感じる
時未来を
語り
合い、それが
自分たちだけではなく
取り
巻く
環境に
想いを
馳せた
時そして、
自分の
過去が
目の
前に
現れて
嘲笑うかのように
見下された
時そういう
瞬間、
腹の
奥を
掴まれて
高い
場所から
突き
落とされるような
感覚に
陥る。
どんな
俺だろうとチャンミンは
真っ
直ぐに
優しい
心を
伝えてくれるけれどその
感覚は
俺の
中にうまれてくる。
それは、
今もそう
ふたりで
選んだものが
入った
重い
袋がもっと
重く
感じる。
「ユノ。」と
声をかけてきた
奴の
目が
見れない。
あれだけ
君が
俺に
心砕き、
温めてくれたというのに
現実から
目を
逸らしたくなる。
「はじめまして、だよね。
君も
綺麗な
顔してるね。
趣味良いじゃん。ユノ。」
「…さわるな。」
チャンミンに
伸びてくる
手その
手は
俺を
嘲笑うかのようにヒラヒラと
舞い
弱味を
見つけたとばかりに
近づいてくる
影を
踏む。
この
時間の
商店街はポツリポツリと
照明が
落ちコンビニが
照らす
光がやけに
明るい。
その
光を
背に
店が
設置したんだろう
灰皿にタバコを
落としゆっくりと
近付いてきた。
自転車へと
向かってた
俺たちの
行く
手を
阻むその
過去と
向き
合う。
「
偶然会うっていうのはさ、
必然ってことなんだと
思わない?」
そう
言って
笑っている
奴の
口元を
見続ける。
次に
出てくる
言葉は?
何を
言いたい。
何をしたい?
俺をつけてきたってわけではないだろうけど
背筋の
毛が
立つ。
「…こいつには
近付くな。」
「
酷い
言いようだな。
紹介くらいしてくれてもいい
仲だと
思うんだけどね。それに
仮にも
僕の
方が
先輩だよ?ユノくん。」
この
人が
人を
見下す
時、
敢えて
名前に
君とかさんとかつけてくる。
俺は
見下されても
仕方ないのかもしれない
弱い
人間だけれど、
君まで
巻き
込みたくはない。
先輩と
会う
時は
僕も
一緒に、と
笑ってくれた
君だけは…、
「…
知り
合いの
方です?」
君がそっと
触れてきた
背中が
熱い。
逆立つ
毛を
慰めるように
撫で
大丈夫か?と
言ってるような
仕草厚めのダウン
越しなのに
君のあったかさが
伝わってくるみたいだ。
君を
後ろに
隠したつもりなのに
俺に
並び「どうもはじめまして。」と
先輩に
軽く
会釈をする。
背中に
触れてる
手はそのままに
君が
笑う。
「スタイルもいいね。どう?
君は
仕事探してない?
新しい
事業始めるんだけど、
君なら
即採用。ユノも
誘ったんだけど。なぁ、おまえも
気は
変わらない?」
「お
誘いありがとうございます。でも
僕たちはお
断りします。…ですよね?」
最後の
言葉は
俺に
向けふわりと
目を
細める。
目の
前にいる
人が
俺とどんな
関係にあったかなんて
君にはお
見通しのはずなのに、
笑う。
嫉妬や
不安を
微塵も
見せずにそうやって
笑う
君に
自然と
触れる
俺の
手。
無意識に
伸ばした
俺の
手を
君が
握りしめてくる。
さっきまで
背中を
温めてくれていた
君の
手は
今は
手を
温めてくれる。
「へぇ、
相変わらず
男の
方がいいのか。ユノは。」
ボソっと
呟かれた
言葉に
唇を
噛む。
確かにそうではあるけれど、
男を
選ぶことがまるで
淫乱だと
言われてるような
気がする。
…それも
否めない
自分がなぜか
悔しい。
「あなたもそうなんです?」
「は、
僕はそんなんじゃないよ。まぁ、
頼まれればどっちでもイケるってだけ。」
質問をした
君は
何も
返事をしない。
小首傾げ
何を
考えているのか…
「どう?これから3
人で
飲みながらいろいろと
話でも…、」
俺の
過去や
君を
傷つけ
懐の
深さをはかろうとするであろう
先輩の
言葉を
君は
手で
制してまた
微笑む。
「お
会いできてよかったです。これから
所用がありますので
僕らはこれで。…ユノ、
行きましょう?」
「…あぁ、…それじゃ
失礼します。」
「
相変わらずユノは
今でも
人の
言いなりってわけか。」
ピクリと
筋肉が
強張る。
怒りともなんとも
言えない
感情が
渦巻き
反論の
火ぶたをきろうとすれば、
君は
俺の
手をきつく
握りしめる。
かと
思えば、
先輩に
頭を
下げ、
俺の
手を
引き
重い
袋を「こっちに。」とだけ
言い
自分の
方のカゴへと
入れる。
寄り
添い
合ってた
自転車を
君が
引けばもう
片方がカシャリと
揺れる。
その
揺れを
止めようとハンドルを
握り
先に
行く
君の
後に
続く。
「…あなたはわかってない。」
冷たい
風が
低く
這うように
君の
声を
運ぶ。
先輩の
方へと
振り
返り
君が
選んだ
言葉澄んだままの
声なのに
心を
射るようなそれ…
「あなたが
認めたくないだけかもしれませんけど。」
君の
言葉に
嘲笑が
消えた
先輩の
口元それが
歪むから
視線を
上げれば
君に
挑むような
目視線の
先は
君そして
君もまた…
その
横顔は
怒り
眼光は
鋭く
唇をきつく
結ぶ。
…
君がこんなに
怒るのを
見るのは2
度目だ。
先生を
許せないと
言った
時以来…
フッという
息と
共に
自分が
笑ってることに
気付く。
そんな
俺に
視線を
寄こし「
行きますよ。」と
呆れと
怒りが
混じり
合ったような
声。
怒るなよ。
君が
救ってくれたんだ。
君が
俺の
心のツカエをとり
強張った
体をほぐす。
…
凄く
楽だ。
自然と
先輩の
目も
見ることが
出来る。
「
誘ってくださってありがとうございました。それじゃ、
先輩もお
元気で。」
微笑んでそう
言葉を
紡げばいつもの
先輩へと
変わる。
軽く
片手をあげ
飄々とした
風貌片足を
引くと
踵を
返して
去っていく。
「…ユノ?」
その
先輩の
背中に
頭を
下げ
過去と
決別する。
多分、チャンミンは
俺のどんな
過去を
聞かされたとしても
今の
俺を
信じようとしてくれるんだろ?
揺らがないとこんな
風に
示されたら
自分だって、と
思う。
…
負けるわけにはいかない。
「ん。ありがとな。うちに
帰ろう。」
「…ですね。」
まだちょっとだけ
怒ったような
顔だけど
俺を
見る
目は
優しい。
俺が
笑えば「ばか。」と
言いながら
自転車の
前輪で
俺をせっつく。
「
帰って
飯にしよ?」
「それよりしたいことがありますけどね。」
「…お
前の
方がばかだろ、」
「なんとでも
言ってください。」
軽口を
叩きあえるのが
嬉しくて、
楽しくて
ユノが
笑えばチャンミンも
仕方ないっていうように
笑って
ペダルに
足を
乗せ
漕ぎ
出せば、
同じスピードで
家路を
急ぐ。
風を
切る
音も
通り
過ぎてくヘッドライトが
見える
景色もふたり
同じスピード。
冬の
夜が
好きになるそんな
日だった。
にほんブログ村しばらくこんな
風に
不定期になりそうで
申し
訳ありませんが、
時間のある
時にチェックして
読んでくれると
嬉しいです。
今日も
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