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君が笑えば心たゆたう 9 - 君が笑えば心たゆたう
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くんわらえばしんたゆたう 9







絶対ぜったい大丈夫だいじょうぶだと自分じぶんたちのきずなつよおもうこともあれば、ふとした瞬間しゅんかんまえくずるんじゃないかという不安ふあんしつぶされそうにもなる。




それはきて、となりねむあいするひと体温たいおんかんじるとき

未来みらいかたい、それが自分じぶんたちだけではなく環境かんきょうおもいをせたとき

そして、自分じぶん過去かこまえあらわれて嘲笑あざわらうかのように見下みくだされたとき




そういう瞬間しゅんかんはらおくつかまれてたか場所ばしょからとされるような感覚かんかくおちいる。

どんなおれだろうとチャンミンはぐにやさしいしんつたえてくれるけれどその感覚かんかくおれなかにうまれてくる。



それは、いまもそう



ふたりでえらんだものがはいったおもふくろがもっとおもかんじる。


「ユノ。」とこえをかけてきたやつれない。
あれだけきみおれしんくだき、あたためてくれたというのに現実げんじつかららしたくなる。




「はじめまして、だよね。きみ綺麗きれいかおしてるね。趣味しゅみいじゃん。ユノ。」


「…さわるな。」



チャンミンにびてくる

そのおれ嘲笑あざわらうかのようにヒラヒラと弱味よわみつけたとばかりにちかづいてくるかげむ。


この時間じかん商店しょうてんがいはポツリポツリと照明しょうめいちコンビニがらすひかりがやけにあかるい。


そのひかりみせ設置せっちしたんだろう灰皿はいざらにタバコをとしゆっくりと近付ちかづいてきた。

自転車じてんしゃへとかってたおれたちのはばむその過去かこう。




偶然ぐうぜんうっていうのはさ、必然ひつぜんってことなんだとおもわない?」



そうってわらっているやつ口元くちもとつづける。

つぎてくる言葉ことばは?
なにいたい。なにをしたい?

おれをつけてきたってわけではないだろうけど背筋せすじつ。




「…こいつには近付ちかづくな。」

ひどいようだな。紹介しょうかいくらいしてくれてもいいなかだとおもうんだけどね。それにかりにもぼくほう先輩せんぱいだよ?ユノくん。」



このひとひと見下みくだときえて名前なまえきみとかさんとかつけてくる。

おれ見下みくだされても仕方しかたないのかもしれないよわ人間にんげんだけれど、きみまでみたくはない。

先輩せんぱいときぼく一緒いっしょに、とわらってくれたきみだけは…、




「…いのほうです?」


きみがそっとれてきた背中せなかあつい。
逆立さかだなぐさめるように大丈夫だいじょうぶか?とってるような仕草しぐさ

あつめのダウンしなのにきみのあったかさがつたわってくるみたいだ。


きみうしろにかくしたつもりなのにおれならび「どうもはじめまして。」と先輩せんぱいかる会釈えしゃくをする。

背中せなかれてるはそのままにきみわらう。



「スタイルもいいね。どう?くん仕事しごとさがしてない?あたらしい事業じぎょうはじめるんだけど、きみならそく採用さいよう。ユノもさそったんだけど。なぁ、おまえもわらない?」


「おさそいありがとうございます。でもぼくたちはおことわりします。…ですよね?」




最後さいご言葉ことばおれけふわりとほそめる。

まえにいるひとおれとどんな関係かんけいにあったかなんてきみにはお見通みとおしのはずなのに、わらう。


嫉妬しっと不安ふあん微塵みじんせずにそうやってわらきみ自然しぜんれるおれ


無意識むいしきばしたおれきみにぎりしめてくる。
さっきまで背中せなかあたためてくれていたきみいまあたためてくれる。



「へぇ、相変あいかわらずおとこほうがいいのか。ユノは。」



ボソっとつぶやかれた言葉ことばくちびるむ。

たしかにそうではあるけれど、おとこえらぶことがまるで淫乱いんらんだとわれてるようながする。

…それもいなめない自分じぶんがなぜかくやしい。



「あなたもそうなんです?」

「は、ぼくはそんなんじゃないよ。まぁ、たのまれればどっちでもイケるってだけ。」


質問しつもんをしたきみなに返事へんじをしない。
小首こくびかしなにかんがえているのか…



「どう?これから3にんみながらいろいろとはなしでも…、」


おれ過去かこきみきずつけふところふかさをはかろうとするであろう先輩せんぱい言葉ことばきみせいしてまた微笑ほほえむ。



「おいできてよかったです。これから所用しょようがありますのでぼくらはこれで。…ユノ、きましょう?」

「…あぁ、…それじゃ失礼しつれいします。」



相変あいかわらずユノはいまでもひといなりってわけか。」




ピクリと筋肉きんにく強張こわばる。

いかりともなんともえない感情かんじょう渦巻うずま反論はんろんぶたをきろうとすれば、きみおれをきつくにぎりしめる。

かとおもえば、先輩せんぱいあたまげ、おれおもふくろを「こっちに。」とだけ自分じぶんほうのカゴへとれる。



ってた自転車じてんしゃきみけばもう片方かたがたがカシャリとれる。

そのれをめようとハンドルをにぎさききみのちつづく。





「…あなたはわかってない。」


つめたいふうひくうようにきみこえはこぶ。

先輩せんぱいほうへとかえきみえらんだ言葉ことば
んだままのこえ

なのにしんるようなそれ…


「あなたがみとめたくないだけかもしれませんけど。」




きみ言葉ことば嘲笑ちょうしょうえた先輩せんぱい口元くちもと
それがいがむから視線しせんげればきみいどむような

視線しせんさききみ
そしてきみもまた…

その横顔よこがおいか


眼光がんこうするどくちびるをきつくむすぶ。


くんがこんなにおこるのをるのは2度目どめだ。
先生せんせいゆるせないとったとき以来いらい



フッといういきとも自分じぶんわらってることに気付きづく。

そんなおれ視線しせんこし「きますよ。」とあきれといかりがじりったようなこえ

おこるなよ。きみすくってくれたんだ。

きみおれしんのツカエをとり強張こわばったからだをほぐす。


すごらくだ。
自然しぜん先輩せんぱいることが出来できる。




さそってくださってありがとうございました。それじゃ、先輩せんぱいもお元気げんきで。」



微笑ほほえんでそう言葉ことばつむげばいつもの先輩せんぱいへとわる。

かる片手かたてをあげ飄々ひょうひょうとした風貌ふうぼう
片足かたあしくとかかとかえしてっていく。




「…ユノ?」


その先輩せんぱい背中せなかあたま過去かこ決別けつべつする。

多分たぶん、チャンミンはおれのどんな過去かこかされたとしてもいまおれしんじようとしてくれるんだろ?

らがないとこんなふうしめされたら自分じぶんだって、とおもう。

けるわけにはいかない。



「ん。ありがとな。うちにかえろう。」

「…ですね。」



まだちょっとだけおこったようなかおだけどおれやさしい。

おれわらえば「ばか。」といながら自転車じてんしゃ前輪ぜんりんおれをせっつく。




かえってめしにしよ?」

「それよりしたいことがありますけどね。」


「…おまえほうがばかだろ、」

「なんとでもってください。」



軽口かるくちはたきあえるのがうれしくて、たのしくて
ユノがわらえばチャンミンも仕方しかたないっていうようにわらって

ペダルにあしせば、おなじスピードで家路いえじいそぐ。


かぜおととおぎてくヘッドライトがえる景色けしきもふたりおなじスピード。


ふゆよるきになるそんなだった。








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にほんブログむら
しばらくこんなふう不定期ふていきになりそうでもうわけありませんが、時間じかんのあるときにチェックしてんでくれるとうれしいです。
今日きょうんでくれてありがとうございます。
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Category - きみわらえばしんたゆたう

1 Comments

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2019/06/14 (Fri) 09:06 | REPLY |   

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