あらすじ

男おとこの話はなしと愚痴ぐちばかりのクラスメイトになじめず、教室きょうしつから遠とおいトイレに逃にげ込こんだなつみ。ところが、そこには先客せんきゃくが…。美人びじんで秀才しゅうさいの有栖川ありすがわさんは、トイレの一室いっしつを豪華ごうか絢爛けんらんなプライベートルームに改装かいそうして居座いすわる、孤高ここうの変かわり者ものだった!? そんな有栖川ありすがわさんに興味きょうみをもち、近ちかづけば近ちかづくほどクラスで居場所いばしょを失うしなっていくなつみ。一方いっぽう、トイレで悠々自適ゆうゆうじてきなお姫様ひめさま暮くらしの有栖川ありすがわさんにも、何なにやら複雑ふくざつな事情じじょうがあるようで…。

寸評すんぴょう

抜群ばつぐんに可愛かわいい女おんなの子こたち、ベタながらしっかり練ねり込こまれた話はなし運はこび、ほんの小ちいさな感情かんじょうの「揺ゆれ」を巧たくみに捉とらえた会話かいわや設定せってい、端々はしばしまで心配こころくばりの行いき届とどいた画面がめんづくり……すべてが高水準こうすいじゅんで、文句もんくなしの授賞じゅしょうとなりました。細こまかすぎて所々ところどころかえって見みづらくもなっているので、メリハリを意識いしきし、もっとのびのび描かけばますます魅力みりょく的てきになりそう。あとはそこにどう個性こせいを乗のせていけるかが鍵かぎ!!

あらすじ

エドー大陸たいりく西方せいほうに位置いちする軍事ぐんじ大国たいこく・オストルダ国こくとイツラ帝国ていこく。確執かくしつを持もつ両国りょうこくは、互たがいに軍拡ぐんかくを推進すいしんしていた。イツラ帝国ていこくにあるガーネット家かは、戦車せんしゃなどの建造けんぞうを得意とくいとする名家めいかで、その技術ぎじゅつ力りょくは両国りょうこくの均衡きんこうを崩くずすとさえ言いわれていた。そんなガーネット家かが突如とつじょ、デニング盗賊とうぞく団だんに襲おそわれる。ガーネット家かの一人娘ひとりむすめアメリアは、オストルダ国こくへと逃にげ込こみ、そこで出会であった新聞しんぶん記者きしゃロイドと共ともに、自慢じまんの戦車せんしゃを駆かりデニング盗賊とうぞく団だんに戦たたかいを挑いどむ！

寸評すんぴょう

特筆とくひつすべきはその描えがき込こみ。ファンタジー＆ミリタリーという難むずかしい世界せかい観かんを、このクオリティで描えがききったことが高たかく評価ひょうかされました。特とくに背景はいけいに関かんしては即そくデビューできるレベル。一方いっぽうで、キャラが背景はいけいに埋うずもれがちなのが残念ざんねん。今後こんごはキャラを立たたせることを強つよく意識いしきして作画さくがしてほしいです。ストーリーは王道おうどうで気持きもちよく読よめるが、先さきの展開てんかいも読よみやすい。読者どくしゃの想像そうぞうをいい意味いみで裏切うらぎるようなもう一いち展開てんかいがほしかったです。

あらすじ

たんぽぽ、あじさい、ひまわりに月下美人げっかびじん……種類しゅるいは様々さまざまなれど、女おんなの子こは思春期ししゅんきになると頭あたまに花はなが咲さく――！　ついに花はなが咲さいた一条いちじょう薫かおる（まさに花はなの女子高じょしこう生せい）は、嬉うれしさでいっぱい。クラスの友人ゆうじんたちともその話はなしで持もち切きりだった。そんな中なか、クールで人ひとを寄よせ付つけないクラスメイトの星ほし月がつ小夜子さよこは、まだ花はなを咲さかせていなかった。どんな花はなが咲さくか興味きょうみを持もった薫かおるは、小夜子さよこに話はなしかけるが……。

寸評すんぴょう

女おんなの子この頭あたまに花はなが咲さく、というネタも面白おもしろく、話はなしにもしっかりからめられており、全体ぜんたい的てきにうまくまとまっている作品さくひんでした。ただ、会話かいわの部分ぶぶんでコマ数すうが多おおかったり、原稿げんこう用紙ようしの枠わく内ないに収おさめようと意識いしきしすぎているのか、読よんでいて窮屈きゅうくつに感かんじる所ところも多おおかったです。斬新ざんしんなネタを使つかっているのですから、コマ割わりや構図こうずももっと大胆だいたんに思おもいきって描えがいてほしかったです。

米村よねむら孝一こういち郎ろう先生せんせいの寸評すんぴょう

この作品さくひんの完成かんせい度どが高たかい部分ぶぶんは、台詞せりふや会話かいわの際さいの仕草しぐさ、表情ひょうじょうなどで心情しんじょうの変化へんかをうまく描写びょうしゃ出来できていたところです。細部さいぶであるけれど大事だいじなところを、良よく作つくり込こんであります。自然しぜんに見みえますが、根気こんきよくコンテを修正しゅうせいしたのではないかと思おもえます。事件じけんが主人公しゅじんこうに降ふりかかる巻まき込こまれパターンの物語ものがたりはココをおろそかにすると、その場ばの出来事できごとにキャラがリアクションばかりしていて心情しんじょう変化へんかの読よみづらい、「物語ものがたりが主人公しゅじんこうを動うごかしている」印象いんしょうを与あたえるので注意ちゅういが必要ひつようです。
次つぎ作さくに期待きたいすることは主人公しゅじんこう達たちにやりたいけど出来できないこと、やらなければいけないけどやりたくないこと等ひとし、自分じぶんの未熟みじゅくさの中なかであがいている感かんじを、本ほん作さくよりもう少すこし追加ついかすることです。それができれば描写びょうしゃの厚あつみが増まし、読者どくしゃ層そうも広ひろがると思おもいます。