アニメ制作せいさく会社かいしゃ「ガイナックス」の社長しゃちょうが準じゅん強制きょうせいわいせつ容疑ようぎで逮捕たいほされた。この事件じけんでは、『エヴァンゲリオン』の名なを付ふした報道ほうどうが数多かずおおくあり、これについて庵あん野の秀明ひであき監督かんとくは強つよい憤いきどおりを感かんじているという。そこで今回こんかい改あらためて、庵あん野の監督かんとくの特別とくべつ寄稿きこうを連載れんさいしていく。第だい1回かいは、これまでのガイナックスとの関係かんけいや袂たもと（たもと）を分わかつまでの経緯けいいなどについて語かたる。

「ガイナックス」の事件じけん報道ほうどうについて
逮捕たいほされた人物じんぶつは『エヴァ』とは全まったく関係かんけいない

庵野秀明監督庵あん野の秀明ひであき監督かんとく

　まったく面識めんしきのない経歴けいれきもよく知しらない人物じんぶつが、僕ぼくが以前いぜん在籍ざいせきしていたアニメ制作せいさく会社かいしゃ「ガイナックス」の社長しゃちょうになっていました。そして、刑事けいじ事件じけんの被疑ひぎ者しゃになった、というニュースが入はいってきたのです。

　この事件じけんについては、まず何なによりも先さきに、被害ひがいに遭あわれた方ほうに心しんよりお見舞みまいを申もうし上あげます。

　そして、その上うえで僕ぼく自身じしんが設立せつりつに参加さんかし長ながらく制作せいさくの現場げんばとし、一時いちじは取締役とりしまりやくも務つとめたガイナックスという会社かいしゃがこのような形かたちで報道ほうどうされるに至いたったことは非常ひじょうに残念ざんねんだと思おもっています。

　もともとガイナックスは、アニメ映画えいが『王立おうりつ宇宙うちゅう軍ぐん オネアミスの翼つばさ』（1987）を制作せいさくすることを目的もくてきとして1984年ねんに作つくられた会社かいしゃです。