なぜPTAの「ベルマーク作業さぎょう」は無なくならないのか？コロナ明あけにまさかの復活ふっかつ、著名ちょめい企業きぎょうが「協賛きょうさん脱退だったい」でも存続そんぞくの怪かい

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保護ほご者しゃに負担ふたんがかかることから、昨今さっこんはベルマーク集あつめやバザーなどの恒例こうれい行事ぎょうじを取とりやめるPTAが出でてきています。その一方いっぽうで、これらの作業さぎょうを続つづけるPTAも根強ねづよく残のこっており、組織そしきごとの方針ほうしんの違ちがいが鮮明せんめいになってきました。ベルマーク不要ふよう論ろんが出でても「やっぱり続つづける」PTAが存在そんざいするのはなぜなのでしょうか。PTA・学校がっこう・保護ほご者しゃに豊富ほうふな取材しゅざい経験けいけんを持もつ筆者ひっしゃが考察こうさつします。（ライター　大塚おおつか玲子れいこ）

「学校がっこう・子こどものため」で続つづいてきた
「ベルマーク運動うんどう」が下火したびに!?

　PTAで最近さいきんよく「なくなった」と聞きこえてくるのが、ベルマーク集あつめ、バザー、資源しげん回収かいしゅうなどの活動かつどうです。それぞれの活動かつどうがどんなものか、まずはご説明せつめいしましょう。

「ベルマーク」は子こどもの頃ころに見みかけたよ、という人ひとも多おおいのでは。市販しはんの商品しょうひんパッケージに印刷いんさつされたベルマークを集あつめて財団ざいだんに贈おくると、「1点てん＝1円えん」というレートで換算かんさんされ、そのお金かねで備品びひんを買かって自分じぶんたちの学校がっこうに寄贈きぞうできるというものです。

　善意ぜんいにあふれた活動かつどうですが、難点なんてんは何なにしろ手間暇てまひまがかかること。集あつめたマークを協賛きょうさん会社かいしゃ（※）ごと、さらに点数てんすうごとに分類ぶんるいして数かぞえやすくまとめ、合計ごうけい何なん点てんになるかを計算けいさんするまでの作業さぎょうが、PTAに求もとめられているのです。

※協賛きょうさん会社かいしゃ：商品しょうひんにベルマークを付つけている会社かいしゃ。それとは別べつに、「ベルマーク預金よきん」で買かえる備品びひんなどを売うっている会社かいしゃは「協力きょうりょく会社かいしゃ」と呼よばれます。

　寄付きふとしては非常ひじょうに低てい効率こうりつと言いわざるを得えません。4、5人にんの保護ほご者しゃ（ほぼ母親ははおや）が半日はんにちかけて作業さぎょうしても2、3000円えん分ぶんの寄付きふしかできないので、長ながい間あいだ「やめたい」という声こえが聞きかれ続つづけてきました。こういった作業さぎょうが好すきな人ひとも意外いがいといるのですが、PTAには「必かならず何人なんにんか（複数ふくすう人じん）でやる」というルールがあり、希望きぼうしない人ひとにもやらせることが多おおかったからです。

「バザー」は、各かく家庭かていや近隣きんりんから不ふ用品ようひんを持もち寄より、値ね付づけをして体育館たいいくかんなどで販売はんばいするイベントです。子こどもたちや保護ほご者しゃ、地域ちいきの人ひとなど来場らいじょう者しゃにとっては楽たのしいイベントでも、準備じゅんびから当日とうじつまで作業さぎょう量りょうがとても多おおいので、担当たんとうする保護ほご者しゃからはよく悩なやみの声こえが聞きこえてきます。バザーの収益しゅうえき金きんもやはり、学校がっこうに寄付きふする備品びひんの購入こうにゅうなどにあてられます。

「資源しげん回収かいしゅう」は、各かく家庭かていで出でた古紙こし・缶かん・ビンなどの資源しげんごみをPTAで集あつめ、自治体じちたいに回収かいしゅうしてもらい、その奨励しょうれい金きん等とうを学校がっこうや周しゅう年ねん行事ぎょうじへの寄付きふにあてる活動かつどうです。保護ほご者しゃの作業さぎょう量りょうはまちまちで、集あつめた資源しげんごみの保管ほかん場所ばしょと回収かいしゅう場所ばしょが離はなれていればリヤカーに積つんで運はこんだりしなければなりませんが、保管ほかん場所ばしょで回収かいしゅうしてもらえる場合ばあいは、比較的ひかくてき手てがかかりません。

　要ようするに、これらは保護ほご者しゃの無償むしょう労働ろうどうによって学校がっこうに「寄付きふ」を行おこなう活動かつどうです。PTAは保護ほご者しゃにこういった活動かつどうを「必かならずやってください」と強しいることが多おおく、不満ふまんの声こえがあがってきましたが、「学校がっこうのため、子こどものため」と言いわれると断ことわりづらいものでしょう。学校がっこうへの遠慮えんりょが働はたらいて、続つづいてきた面めんもありました。

　しかし最近さいきんは、冒頭ぼうとうでも書かいたように、こういった活動かつどうをやめるPTAが増加ぞうかしました。その一方いっぽうで、これらの作業さぎょうを何なにとしても続つづけるPTAも存在そんざいしており、組織そしきごとの方針ほうしんの違ちがいが鮮明せんめいになってきました。変革へんかくの機運きうんが高たかまっても「ベルマークを集あつめ続つづけるPTA」が根強ねづよく存在そんざいするのはなぜなのでしょうか――。