ファミリーナンバーとは、サラブレッドの分類法の一種である。
概要
オーストラリアの競馬研究家、ブルース・ロウはよく走る競走馬・走らない競走馬について考えていた。そして
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_ (m) _ピコーン
|ミ|
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/( ●) (●)\
/::::::⌒(__人__)⌒::::: \ そうだ、優秀な繁殖牝馬を系統分けしたら
| |r┬-| | 走る馬の傾向がわかるんじゃね?
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※やる夫はイメージです
と思いつき、実際、今あるジェネラルスタッドブック(以下GSB)から血統が解っているセントレジャー・オークス・ダービーの優勝馬の母系を可能な限り遡って調べたのである。もちろんネットがない時代だから全部自力である。そして走る順番から1~43号族に分類し、更にそこからよく走る1~5号族を「競走族」、優秀な種牡馬を輩出すると推定したグループの3・8・11・12・14号族を「種牡馬族」とした。(3号族は両方に分類した)。ブルース・ロウの研究は1895年に「フィギュアシステムによる競走馬の生産(Breeding Racehorses by the Figure System)」で発表された。
セントレジャー・オークス・ダービーの勝利馬の牝系だけを調べたから当然漏れもあって(まあ個人の研究だから限界もあるし)、牝系を分類するのに便利だったこともあり、現在では74号族まで、また南北戦争の混乱で辿ることのできない牝系についてはアメリカンナンバーを与えられA1~A39及びa40~a90まで及びap1、初期のGSBに載っていない、後から東洋から輸入したと思われる牝系についてはブリティッシュ・ハーフブレッドを与えられB1~B26、オーストラリア及びニュージーランドに関する牝系についてはコロニアルナンバーとしてC1~C35及びc36~c74、その他さまざまな理由でGSBに辿り着くことのできない各国の牝系(アルゼンチンはAr1・Ar2、ポーランドはP1・P2、ウルグアイはUr1)には独自に番号を与えられた。
今では早い番号だから優れているとはいえなくなっていると多くの解説書・サイトには記されているが、1号族は今でも勢力を伸ばし、ブルース・ロウの時代には9%くらいだった1号族は今では20%くらいにまで勢力を伸ばしている。また、1~23号族及び27号族は増えすぎているためアルファベットをつけて更に細分化し「1-a」「1-b」などのように表記されている。
なお、同じファミリーナンバーを持つ馬の牝系を牝系で家系図にしたものを、ファミリーラインと呼ぶ。書き方はサイアーラインとほぼ同じように書く(ただし、あちらは牡馬ベースで書くのに対し、こちらは牝馬ベースで書くことに注意せよ)。例えば、シラオキ(3号族)からの派生を書くと、以下の通りとなる(クラシック競走関係の馬のみ列挙)。
シラオキ→コダマ・シンツバメ
|ワカシラオキ
||ローズトウショウ
|||グレイトトウショウ
||||アテナトウショウ→マチカネフクキタル
|||コーニストウショウ
||||エナジートウショウ
|||||タニノシスター
||||||ウオッカ
||||シスタートウショウ
|ミスアヤシガワ
||レディーシラオキ
|||キャンペンガール→スペシャルウィーク
また、ドイツの競走馬の生産にあたっては、牝系を重視すること、馬の名前の一番頭を母親の名前と統一することから、Sライン(Schware Kutteを起点とする牝系。直近ではサリオスやシュネルマイスターがこの系譜から輩出されている)などが有名な牝系として存在する。どういうことかというと…
Schwarze Kutte 1920
|Schwarzliesel 1931
||Schwarzgold 1937
|||Schwarzblaurot 1947
||||Scheherezade 1952
|||||Schonbrunn 1966
||||||Southern Seas 1975
|||||||Sea Symphony 1980
||||||||Suivez 1990
|||||||||Suivi 1999
||||||||||Soignee 2002
|||||||||||スタセリタ(フランス産) 2006
||||||||||||サザンスターズ(英国産) 2013
|||||||||||||スターズオンアース 2019
||||||||||||ソウルスターリング 2014
||||Suleika 1954
|||||Senitza 1963
||||||Salesiana 1973
|||||||Saite 1978
||||||||Salde 1992
|||||||||Saldenehre 2000
||||||||||セリエンホルデ 2013→シュネルマイスター 2018
|||||||||Saldentigerin 2001
||||||||||サロミナ 2009→サリオス 2017
|||||||||||サラキア 2015
|||||Santa Luciana 1973
||||||アグサン(アイルランド産) 1985
|||||||ビワハイジ 1993
||||||||ブエナビスタ 2005
||||||サトルチェンジ(アイルランド産) 1988→マンハッタンカフェ(1998)
こんな感じで、頭文字がSで統一されてる馬が多いことがわかるだろう。というより、ドイツ産の馬は片っ端からSで始まっている。逆に、ドイツから出たらその縛りはないので、そこでアルファベットが変わっても構わない。ちなみに、このSラインは16号族(16-c)である。
あとは、薔薇一族(ローザネイを基礎繁殖牝馬とするファミリー、1号族)とか、スカーレット一族(スカーレットインクを基礎繁殖牝馬とするファミリー、4号族)なども、ファミリーラインに基づくものである。
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