猿とは (サルとは) [単語記事]

猿さる（サル）とは、哺乳類ほにゅうるいのサル目め（霊長れいちょう目め）に属ぞくする動物どうぶつである。
単たんに「猿さる」と言いったり書かかれたりした場合ばあいはヒトを除のぞいたサル目めの動物どうぶつを指ゆびしていることが多おおい。

概要がいよう

知ち能のうが高たかいことで知しられる動物どうぶつであり、猿さるに道みち具ぐを使つかわせる場面ばめんがテレビ番組ばんぐみで取とり上あげられることも多おおい。ただし（ヒト以外いがいの猿さるは）ヒトに近ちかい姿すがたでありながらその知ち能のうはヒトに遠とおく及およばない。そのことから、考かんがえが浅あさい事ことを「猿知恵さるぢえ」と揶揄やゆすることもある。

日本人にっぽんじんには古ふるくからなじみが深ふかい動物どうぶつであり、そのため「猿さるも木きから落おちる」「猿芝居さるしばい」「犬いぬ猿さるの仲なか」など様々さまざまな慣用かんよう句くに使つかわれている。

原始げんし的てきでイタチやキツネにも似にた顔かおの「原猿げんえん」（キツネザルやロリスなど）と、より進化しんかの進すすんだ「真しん猿さる」（ニホンザルや類人猿るいじんえん、ヒトなど）の二ふたつに大別たいべつできる。猿さるといわれて真しんっ先さきにイメージできるのは真しん猿さるの方ほうだろう。

また額がくが突つき出でた猿さる（真しん猿さる）に似にた面容めんようをした人ひとのことを「猿さる顔がお」と呼よぶことがあり、歴史れきし上うえの人ひと物ものでは豊臣とよとみ秀吉ひでよしが有名ゆうめいである。

漢字かんじとして

常つね

猿さる

Unicode: U+733F
JIS X 0213: 1-17-78
部首ぶしゅ: 犭部
画数かくすう: 13画かく
音読おんよみ（常用じょうよう）: エン
訓読くんよみ（常用じょうよう）: さる

意味いみ: サル、サルの仲間なかまのうち大おおきめでよく喋しゃべるもの、という意味いみがある。; 〔説せつ文ぶん解かい字じ〕の本字ほんじは蝯で〔説せつ文ぶん・巻まき十じゅう三さん〕に「善よく援（よ）づるなり。禺の屬ぞくなり」とある。「援（よ）じる」というのは蝯と援の音おとによる解釈かいしゃくである。猿さるは俗字ぞくじ。
字形じけい: 猿さるは形かたち声こえ。声こえ符ふは袁。
音訓おんくん: 音読おんよみはエン（漢かん音おと、呉ご音おと）、訓読くんよみは、さる、まし（古訓こくん）。
規格きかく・区分くぶん: 常用漢字じょうようかんじである。JIS X 0213第だい一いち水みず準じゅん。当用とうよう漢字かんじにはなく、1981年ねんに常用漢字じょうようかんじになった。
語彙ごい: 猿猴えんこう・猿さる人じん・猿臂えんぴ

異体いたい字じ

蝯

Unicode: U+876F
JIS X 0212: 59-20
部首ぶしゅ: 虫むし部ぶ
画数かくすう: 15画かく

猨

Unicode: U+7328
JIS X 0213: 1-87-78
JIS X 0212: 43-16
部首ぶしゅ: 犭部
画数かくすう: 12画かく

𤝌

Unicode: U+2474C
部首ぶしゅ: 犭部
画数かくすう: 7画かく

𤟗

Unicode: U+247D7
部首ぶしゅ: 犭部
画数かくすう: 11画かく

𪻅

Unicode: U+2AE C5
部首ぶしゅ: 犭部
画数かくすう: 12画かく

𤠔

Unicode: U+24814
部首ぶしゅ: 犭部
画数かくすう: 13画かく

𧳭

Unicode: U+27CED
部首ぶしゅ: 豸部ぶ
画数かくすう: 16画かく

𧳷

Unicode: U+27CF7
部首ぶしゅ: 豸部ぶ
画数かくすう: 17画かく

蝯は、〔説せつ文ぶん〕の本字ほんじ。形かたち声こえで声こえ符ふは爰。〔干ひ禄ろく字書じしょ〕に、猿さるは俗字ぞくじ、猨は通用つうようの字じ、蝯は正字せいじとある。JIS X 0212補助ほじょ漢字かんじ。
猨は、〔玉たま篇へん〕にある古文こぶん。JIS X 0213第だい三さん水みず準じゅん。JIS X 0212補助ほじょ漢字かんじ。
𤝌は、〔集あつまり韻いん〕に「或あるひは作つくる」とある蝯の異体いたい字じ。
𤟗は、〔竜りゅう龕がん手鑑てかがみ〕や〔字彙じい補ほ〕にある異体いたい字じ。〔字彙じい補ほ〕には猨の訛なまり字じで、〔釈しゃく典のり〕に見みえるとある。
𪻅は、〔字彙じい〕に猨と同おなじで俗字ぞくじとある字じ。
𤠔は、〔字彙じい〕に猿さると同おなじで俗字ぞくじとある字じ。
𧳭は、〔集あつまり韻いん〕に「或あるひは作つくる」とある蝯の異体いたい字じ。
𧳷は、〔字彙じい〕に𤠔と同おなじとある異体いたい字じ。