(Translated by https://www.hiragana.jp/)
キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン 特集: 解説・見どころ/ディカプリオ《魂の顔芸24変化》 史上最大級のダメ男役でアカデミー賞確実視!? - 映画.com

劇場げきじょう公開こうかい 2023ねん10がつ20日はつか PROMOTION

  • 予告編よこくへん

キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン : 特集とくしゅう

2023ねん10がつ10日とおか更新こうしん

史上しじょう最大さいだいきゅうのダメ男役おとこやくで2度目どめのオスカー確実かくじつ!?
主演しゅえんディカプリオ《たましいかおげい24変化へんか》×スコセッシ監督かんとく
×デ・ニーロ共演きょうえん 二度にど実現じつげんしない至高しこうのコラボ!
本物ほんもの”たちがおくる“極上ごくじょう”をスクリーンで体感たいかんしよう

画像1

※2024ねん1がつ23にち更新こうしん記事きじ冒頭ぼうとうだい96かいアカデミーしょう10部門ぶもんノミネートの情報じょうほう追記ついきしました。

レオナルド・ディカプリオが美形びけいであることだけで人気にんきはくしていたのは、いまやもうむかしかれまれながらの俳優はいゆうであり、現在げんざいとくに“異常いじょうなまでの演技えんぎりょく”が、世界中せかいじゅうでさらなる支持しじあつめている。

そんなディカプリオの主演しゅえん最新さいしんさく「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」が、10がつ20日はつか映画えいがかん公開こうかいされる。

監督かんとくは「ウルフ・オブ・ウォールストリート」でもタッグをんだ巨匠きょしょうマーティン・スコセッシ、さらに共演きょうえんに「タクシードライバー」「アイリッシュマン」などのだい俳優はいゆうロバート・デ・ニーロがつどい、実際じっさいきた事件じけんもと物語ものがたりつむぐ……この蠱惑こわくてき布陣ふじん映画えいが.comユーザーの鑑賞かんしょう意欲いよくがらないはずがない。

画像2

しかもしかも。ほんさくられるのは、ディカプリオ史上しじょう最強さいきょうクラスのダメ男役おとこやく、そして“たましいかおげい”24変化へんか。そうなのだ。ダメおとこかおげいなのだ、この映画えいがは(もちろんそれだけではないけれども)。

ほん記事きじでは、アカデミーしょうノミネートが確実視かくじつし最終さいしゅうてきだい96かいアカデミーしょうでは10部門ぶもんにノミネート)されている渾身こんしんいちさく魅力みりょく詳細しょうさい解説かいせつ。「ゆれる」「ながいいいわけ」「すばらしき世界せかい」などの西川にしかわ美和みわ監督かんとくによる感想かんそうをまとめたパートもあるので、ぜひとも最後さいごまでとおしてもらえればとおもう。もうとことんすごい、この映画えいが……!


予告編よこくへん】「まぎれもない傑作けっさく」(Rolling Stone)

【マジでてほしい】この顔面がんめんに、自爆じばく誘爆ゆうばく、ご用心ようじん
ディカプリオ×かおげい×ダメおとこ=2度目どめのオスカーをロックオン

画像3

まずは「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」の特徴とくちょうのひとつを、たっぷりとびていただこう。


てくれこのかおを ※げきちゅうのほんの一部いちぶです

余計よけい言葉ことばはいらない。とにかくこのディカプリオの顔面がんめんを、表情ひょうじょう凝視ぎょうししてほしい。

画像4

あなひらくまでていただけただろうか? ほんさく物語ものがたりをざっくりと説明せつめいすると、「油田ゆでんてた先住民せんじゅうみんたちの莫大ばくだいとみねらい、白人はくじんたちが先住民せんじゅうみんとの政略せいりゃく結婚けっこん強請ねだり、殺人さつじん手段しゅだんをなんでもありにエスカレートさせていく」。実際じっさいきた事件じけんがベースとなっている。

そのなかでディカプリオは、戦争せんそうがえりの“英雄えいゆう”ととなえられるが、実際じっさい歩兵ほへいたい炊事すいじがかりだったアーネスト・バークハートやくに。おじ(デ・ニーロがえんじている)をたよってまちながき、財産ざいさんねらって先住民せんじゅうみん女性じょせいちかづくが、やがて自身じしんのキャパシティをえたわるどいビジネスへとからられ、同時どうじしんあいにも目覚めざめ、わらうほど典型てんけいてき板挟いたばさみになっていく。

画像5

このアーネスト、言葉ことばえらばずにうと、本当ほんとうに“ダメおとこ”なのだ。「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」の自信じしん喪失そうしつのリック・ダルトンや、「ウルフ・オブ・ウォールストリート」のラリっているときのジョーダン・ベルフォートにまさるともおとらないダメさ加減かげんかねおんながなく、狡猾こうかつだがめがあまくて、あいすべきというか、もうどうしようもないというか……。

画像6
画像7

げきちゅうではディカプリオらしい華麗かれいいちめんや、たくましい生命せいめいりょくいちはいかしたファインプレーもみせるが、同時どうじに「なんでそんなことしたんだ」と唖然あぜんとするようなめずらしプレーもぶちかます。

その過程かていてくるディカプリオのかおげい絶品ぜっぴんであり、先生せんせいおこられた小学生しょうがくせいみたいな表情ひょうじょう、すさまじい角度かくどがるへのこう、「弱点じゃくてんかねおんな」とかニヤけているテッカテカのかお……。これらをるだけでも鑑賞かんしょう料金りょうきんのおりがくるといえるほどの魅力みりょくなので、絶対ぜったいてほしいとおもう。


●でも、かおだけじゃない。熱演ねつえん熱演ねつえん、これぞたましい芝居しばい
「レヴェナント」につづくアカデミーしょう主演しゅえん男優だんゆうしょうとどくか?
画像17

しかしながら、である。ただディカプリオのかおがイカれているだけじゃないのがほんさくのさらなる奥深おくふかさだ。

かれ芝居しばいはもはや熱演ねつえんとおし、たましい芝居しばいともうべき境地きょうちたっしている。「レヴェナント えりししゃ」などでせたように、かれまれながらの俳優はいゆうであり、やくふかもぐり、実在じつざい人物じんぶつとしてこのに“ろす”。それこそがわたしたち観客かんきゃくをフィクションと現実げんじつあいだにいざない、日常にちじょうとはまたべつ映画えいが世界せかいへとれていてくれるのだ。

画像8

ほんさくでも、アーネストが次第しだいに“凡庸ぼんようなるあく”からのがれられなくなる過程かていを、ときにゾッとするほどのオーラで表現ひょうげん。アカデミーしょう主演しゅえん男優だんゆうしょうのノミネートは確実視かくじつしされており、「レヴェナント」につづく2度目どめ受賞じゅしょう有力ゆうりょくされるなど、評価ひょうか尋常じんじょうじゃなくたかい。

そんなディカプリオを、映画えいがかんないでどうする?


【さらなる魅力みりょくは】圧巻あっかん俳優はいゆう製作せいさくじん達人たつじんげい芝居しばい
映像えいぞう世界せかい全編ぜんぺんつうじて“本物ほんもの”をびる脅威きょうい映画えいが

画像9

当然とうぜん、この映画えいが魅力みりょくはディカプリオだけじゃない。“本物ほんもの”のキャスト・スタッフじんつむ達人たつじんげいが、あなたを“極上ごくじょう”の映画えいが体験たいけんへと没入ぼつにゅうさせる。


本物ほんものびる①]圧巻あっかん俳優はいゆう製作せいさくじん
ディカプリオ×スコセッシ監督かんとく×デ・ニーロ 長編ちょうへんでのタッグはじつはじめて
画像10

主演しゅえんレオナルド・ディカプリオ、監督かんとくマーティン・スコセッシ、共演きょうえんロバート・デ・ニーロ。この3にんのタッグはまさに映画えいがかいにおけるドリームチームであり、とにかく映画えいがファンの琴線きんせんをかきらす。

サッカーでたとえるとディエゴ・マラドーナ、ペレ、ヨハン・クライフ。野球やきゅうでいうとベーブ・ルース、ハンク・アーロン、サイ・ヤング。バスケではマイケル・ジョーダン、レブロン・ジェームズ、ビル・ラッセル。たとえすぎてぎゃくにわかりにくくなっているが、ようはそれくらい素晴すばらしい3にんなのである。

画像11

そして特筆とくひつしたいのは、なんもともに映画えいが製作せいさくんでいるイメージがある面々めんめんだが、この3にん長編ちょうへんでタッグをむのは意外いがいにも今回こんかいはじめて。ありたのにいままで実現じつげんしなかったゆめ布陣ふじんが、どんな作品さくひんともちがうオーラをこの映画えいが付与ふよしている。

もしかすると2実現じつげんしないかも……ゆえにいま、この瞬間しゅんかん映画えいがかんかうべきなのだ。


本物ほんものびる②]達人たつじんげい芝居しばい映像えいぞう世界せかい
しんこおるほどの芝居しばいの“絶技ぜつぎ”、壁紙かべがみにしたい“えた映像えいぞう”が、ときわすれさせる
画像14

豪華ごうか布陣ふじんりなすのは、しん直接ちょくせつさぶるような映像えいぞうのインパクト。常人じょうじんには到達とうたつない達人たつじんげいが、全編ぜんぺんつうじて画面がめんけられている。

ディカプリオは上述じょうじゅつとおりだが、デ・ニーロのかおりょく(かおぢから)もすさまじい。えんじたウィリアム・ヘイルというおとこは、先住民せんじゅうみんにも親切しんせつ善人ぜんにんのようにえるが、そのるものを戦慄せんりつさせる悪人あくにんでもある。

画像13

そんなヘイルのめんせいを、デ・ニーロは表情ひょうじょうやシワの陰影いんえいのみで表現ひょうげん繊細せんさい表情ひょうじょうすじ絶技ぜつぎと、技術ぎじゅつスタッフらの傑出けっしゅつした技能ぎのうが、かれ出演しゅつえんシーンに凝縮ぎょうしゅくされているのだ。また、デ・ニーロがディカプリオをお仕置しおきするシーンもあるので必見ひっけん

さらにスコセッシ監督かんとくも、代名詞だいめいしのスタイリッシュかつダイナミックな映像えいぞう世界せかい冒頭ぼうとうから全開ぜんかいたとえば油田ゆでんから石油せきゆし、先住民せんじゅうみんたちが雄叫おたけびをあげながらよろこ様子ようすがスローモーションでうつされる。ゆったりとしているが、だからこそ細部さいぶながめられ、肉体にくたい躍動やくどうかん意識いしきく……壁紙かべがみにしたくなるくらいバチバチにまりまくった、数々かずかず圧巻あっかんショットをしている。

画像12

ためいきものの技巧ぎこう連打れんだされることにくわえ、スコセッシ監督かんとく×実話じつわベースの物語ものがたり相性あいしょう半端はんぱじゃなくいため、自然しぜん映画えいがにのめりみ、とき感覚かんかくけてなくなりづけば終盤しゅうばん。とことん上質じょうしつ一時いちじ本編ほんぺんじゃくながさをわすれさせ、エンドロールまで一気呵成いっきかせいけることになるだろう。

そして、音楽おんがくになったロビー・ロバートソンの存在そんざいかせない。長年ながねんスコセッシ映画えいがささえ、2023ねん8がつ9にちくなった盟友めいゆうロバートソンが、いきむような数々かずかずのスコアをしている。いわばほんさくは、スコセッシのメモリアルな作品さくひんでもあるのだ。


本物ほんものびる③]エンドロールの直前ちょくぜん映画えいがファンへのいきなプレゼント!
マスコミ試写ししゃで“場内じょうない全員ぜんいん背筋せすじびた”シーンがやってくる――
画像15

さて、これはネタバレをけつつサラッと記述きじゅつするが、ほんさくはエンドロール直前ちょくぜん観客かんきゃくたいする“いきなプレゼント”があるので、最後さいごまで見届みとどけてほしい。

筆者ひっしゃ参加さんかしたマスコミ試写ししゃでは、該当がいとうシーンの瞬間しゅんかん場内じょうない全員ぜんいん背筋せすじがピンとび、まえのめりに画面がめんつめる光景こうけいがみられた。

さあ、かんくことはまったはずだ。問題もんだいは、なんかいかんくか、である。映画えいがかんで「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」をられる機会きかいのがすべからず。


映画えいが監督かんとくはこうた】「すばらしき世界せかい西川にしかわ美和みわ
なにても感動かんどうしなかったが、感動かんどうした」

MCのよしひろまさみち氏と、西川美和監督
MCのよしひろまさみちと、西川にしかわ美和みわ監督かんとく

この渾身こんしんいちさくたら、ひとはどうなってしまうのか? 「ゆれる」「ながいいいわけ」「すばらしき世界せかい」などヒューマンドラマの名手めいしゅとしてられる西川にしかわ美和みわ監督かんとく鑑賞かんしょうし、その感想かんそうをトークイベントでかたった。

西川にしかわ監督かんとくほんさくを2かい鑑賞かんしょうしており、1かい観賞かんしょうには「最近さいきんなにてもあまり感動かんどうしなかったが、感動かんどうした」とかしていた。この記事きじ最後さいごに、壇上だんじょうした印象いんしょうてき言葉ことば抜粋ばっすいして紹介しょうかいしよう。どう監督かんとくならではの興味深きょうみぶか視点してんのコメントをめば、あなたもきっと映画えいがかんで“たしかめたくなる”はずだ。


劇場げきじょう価値かちのある映画えいが

まったらないアメリカだった」(自身じしん勉強べんきょうだったかも、と前置まえおきをしつつ)

画像19

「スコセッシ監督かんとくますます洗練せんれんされた撮影さつえい方法ほうほうることができた」

「(ディカプリオの“ダメおとこやくについて)“ダメ”というだけではない“こわさ”かんじました」

「ダメおとこという次元じげんえて、(ディカプリオの演技えんぎつうじて)人間にんげんおろかしさ、そのつみこわさがかなりふかえがかれている。ほんさくを2かいると、1かいはまだわらえたんです。2かいは、わらえない。そのおろかさが、(ている)自分じぶんかえってくるようながして

「(デ・ニーロの演技えんぎについて)演技えんぎ体力たいりょくせてもらったな、とおもいました。年齢ねんれいかさねたあじわいだけではないたしかさがたもたれている。その秘訣ひけつはなんなのか。1かいでいいから、撮影さつえい現場げんば見学けんがくってみたい

画像20

俳優はいゆうたちの表情ひょうじょうや、1たい1の芝居しばい素晴すばらしい。(ディカプリオとデ・ニーロ)2人ふたりかおは、けっしてオーバーな演技えんぎではない。たがいがなにかんがえて、どこでヒリつくのかが、本当ほんとう的確てきかくにわかる演技えんぎだった」

ほんさくえがかれる事件じけんはいわばアメリカというくにはじ歴史れきしでしょう。こういうテーマに、これだけの製作せいさくとうじ、ずっとトップをはしつづけてきたスコセッシ監督かんとくる。本当ほんとうにまだまだ、アメリカ映画えいがんでいないなおもった」

>>イベントで西川にしかわ監督かんとくはほかになにかたったのか? さらなる詳細しょうさいはこちらの記事きじをチェック!

画像16

画像がぞう提供ていきょう Apple TV+

関連かんれんニュース

関連かんれんニュースをもっと

映画えいが評論ひょうろん

「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」の作品さくひんトップへ