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「PLAN 75」早川千絵監督が“カンヌ快挙”に至るまで――NYアシスタント時代からの道程に迫る : ニューヨークEXPRESS - 映画.com

コラム:ニューヨークEXPRESS - だい15かい

2022ねん6がつ17にち更新こうしん

ニューヨークEXPRESS

ニューヨークで注目ちゅうもくされている映画えいがとは? 現地げんち在住ざいじゅうのライター・細木さいき信宏のぶひろが、スタッフやキャストのインタビュー、イベント取材しゅざいつうじて、日本にっぽん公開こうかい作品さくひん良質りょうしつ独立どくりつけい映画えいが紹介しょうかいしていきます。


だい15かい:「PLAN 75早川はやかわ千絵ちえ監督かんとくが“カンヌ快挙かいきょ”にいたるまで――NYアシスタント時代じだいからの道程どうていせま

「PLAN 75」
「PLAN 75」

5月28にち朗報ろうほうとどいた。だい75かいカンヌ国際映画祭かんぬこくさいえいがさいの「ある視点してん部門ぶもん出品しゅっぴんされた日本にっぽん映画えいがPLAN 75」が、はつ長編ちょうへん作品さくひんあたえられるカメラドールのスペシャルメンション(次点じてん)に選出せんしゅつ――日本にっぽんちゅうのメディアが、この快挙かいきょ報道ほうどうしていた。その一方いっぽうで、わたしは、あることをおもかえしていた。どうさく手掛てがけた早川はやかわ千絵ちえ監督かんとくとの“はじめての出会であい”だ。

わたしはアメリカのフィルムスクールにとおったのちテレビ東京てれびとうきょう番組ばんぐみ「モーニングサテライト」のニューヨーク支社ししゃでアシスタントとしてはたらいていた。当時とうじ仕事しごとは、会社かいしゃのBロール(宣伝せんでんよう映像えいぞう)の発注はっちゅうをしたり、記者きしゃいた原稿げんこうのコピーをかく現場げんばのスタッフにわたしたり、株式かぶしき市場いちばのチェックなどをおこなっていた。

次々つぎつぎあらたな仕事しごとむ「モーニングサテライト」。生放送なまほうそうちゅうは、まさに戦場せんじょうだった。決定けってい稿こうとしてわたされた原稿げんこうでさえも、速報そくほう追加ついか記事きじがあれば、内容ないよう変更へんこうえはたりまえ。ひとつの判断はんだんミスが周囲しゅうい多大ただい迷惑めいわくをかけてしまうほど、緊張きんちょうかんのある現場げんばだった。

そのような日々ひびごすなかで、映画えいが関係かんけい仕事しごとをするというゆめあきらめきれずにいた。そして、この仕事しごとめ、バイトをしながら、映画えいが記者きしゃになろうとおもっていた時期じきのこと――アシスタントの仕事しごとぐためにやってきたのが、ニューヨークのだい(School of Visual Arts)を卒業そつぎょうしたばかりの早川はやかわ監督かんとくだった。

いまわらないショートヘア。おしえることをひとつひとつ、ちいさなメモちょうしるしていく。不明瞭ふめいりょうなところは、みじか質問しつもん確認かくにんしてからすすめ、物事ものごと一度いちどおしえただけでマスターしてしまう。アシスタントは、2、3の業務ぎょうむ並行へいこうしてこなさなけれならないタフな仕事しごとだ。それをなんなくこなしていたのが、早川はやかわ監督かんとくだったのだ。

それから月日つきひながれ、カンヌでの快挙かいきょることに。今回こんかいは、早川はやかわ監督かんとく時間じかんいていただき、ロングインタビューにおうじてもらった。

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早川はやかわ監督かんとくは、だい36かいぴあフィルムフェスティバル「PFFアワード2014」にてグランプリ(「ナイアガラ」)を受賞じゅしょうしている。そのことは、かつての同僚どうりょうつうじてらされていた。しかし、どのような経緯けいい映画えいが監督かんとくみちへとすすんだのかは、これまでわからなかった。「モーニングサテライト」のアシスタントをめたのち、どのように映画えいがかいへとあゆんでいったのだろう。

「アシスタントをめたのち東京とうきょうあたらしくできた映画えいが学校がっこうかようか、もしくは助監督じょかんとくになって現場げんばまなぼうとおもって、日本にっぽんかえろうとしていたんです。でも、そんな矢先やさきどもをさずかりました。そこから人生じんせい計画けいかくえることとなり、アメリカで出産しゅっさんすうねんてから、日本にっぽん帰国きこくしました。日本にっぽんかえってからは、WOWOWの映画えいが業務ぎょうむ委託いたく仕事しごとをしていたんです。クリエイティブな仕事しごとではなく、デスクワークでした。アメリカのメジャースタジオに素材そざいをリクエストして、せたものを、日本にっぽん放送ほうそうフォーマットに仕上しあげる――というような仕事しごと映画えいがかこまれている仕事しごとなので、すごくたのしくて、居心地いごこちかったです」

そうこたえたものの、映画えいがへのおもいはつのるばかりだったそうだ。

「ずっと映画えいがりたくて、30だいなかばで、映画えいが学校がっこうのENBUゼミナールにかよはじめました。1年間ねんかんかよってった卒業そつぎょう制作せいさく『ナイアガラ』が、2014ねんカンヌ国際映画祭かんぬこくさいえいがさいシネフォンダシオン部門ぶもん入選にゅうせんし、ぴあフィルムフェスティバルでもグランプリをいただいたことで、徐々じょじょ映画えいが関係かんけいしゃい、監督かんとく育成いくせいワークショップなどに参加さんかするようになりました。その、18ねんにオムニバス映画えいがじゅうねん Ten Years Japan』の1へん監督かんとくしたのですが、そのときはじめて“日本にっぽんのプロのスタッフとる”という経験けいけんをし、その映画えいが公開こうかいされるとしにWOWOWの仕事しごとめました。映画えいが監督かんとくという看板かんばんかかげ、監督かんとくという職業しょくぎょうでやっていくために、退路たいろつことにしたんです」

「十年 Ten Years Japan」の1編「PLAN75」
じゅうねん Ten Years Japan」の1へん「PLAN75」

じゅうねん Ten Years Japan」は、是枝これえだ裕和ひろかず監督かんとくがエグゼクティブプロデューサーをつとめた作品さくひんだ。その是枝これえだ監督かんとくのもとでまな機会きかいはあったのだろうか。

是枝これえださんは『じゅうねん』に参加さんかした監督かんとくたちたいして、今後こんごもアドバイスしたり、ちからになるよとってくださったのですが、是枝これえださんがあたらしい作品さくひん制作せいさくはいっていることをっていたので、ご相談そうだんにいくのは遠慮えんりょしてしまっていました。長編ちょうへんるとなったときわたしはスタッフとして長編ちょうへん映画えいが現場げんばはいった経験けいけんがなかったので、プリプロダクション(撮影さつえい準備じゅんび段階だんかい)からどうやってスタッフとコミュニケーションをり、どのようなかたち現場げんばうごいていくのか、最初さいしょ勝手かってからず不安ふあんでした」

「十年 Ten Years Japan」の1編「PLAN75」
じゅうねん Ten Years Japan」の1へん「PLAN75」
「十年 Ten Years Japan」の1編「PLAN75」
じゅうねん Ten Years Japan」の1へん「PLAN75」

PLAN 75」は長編ちょうへんデビューさくであるばかりでなく、最初さいしょから最後さいごまで“現場げんばにいた”映画えいがでもあった。話題わだいは、作品さくひんのコンセプトへ。物語ものがたりまれるきっかけとなった出来事できごと事件じけんについてたずねてみた。

日本にっぽんもどってきてから『自己じこ責任せきにん』という言葉ことば頻繁ひんぱんくようになりました。たすけをもとめたくても、もとめられない社会しゃかい空気くうきがある――そうかんじていました。生活せいかつ保護ほごたいするバッシングがあったり、透析とうせき患者かんじゃ透析とうせき腎臓じんぞうはたらきの一部いちぶ人工じんこうてきおぎな治療ちりょうほう)にたいして『自業自得じごうじとくだ』というようなことを著名ちょめいじん政治せいじがいる。社会しゃかいがどんどん寛容かんよう方向ほうこうすすみつつあるのではないかと。そんな矢先やさきの2016ねんなつ相模原さがみはら障害しょうがいしゃ施設しせつ殺傷さっしょう事件じけんきました。障害しょうがいったひときる価値かちがないという犯人はんにん主張しゅちょう言葉ことばうしないました。生産せいさんせいひと価値かちはかろうとする風潮ふうちょうはこの事件じけんこるまえから社会しゃかい存在そんざいしていたとおもいますが、この事件じけん一線いっせんえてしまったとかんじ、衝撃しょうげきけました。このままでは、生産せいさんせいのない高齢こうれいしゃ不要ふようである、とうかのような『プラン75』(75さい以上いじょう高齢こうれいしゃたいして、みずからの生死せいし権利けんり保障ほしょう支援しえんする制度せいど)が日本にっぽんまれるのではないかと。『いま、この映画えいがつくらなければならない』とおもったのが、17ねん初頭しょとうころでした」

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では、物語ものがたりえがうえでの“下地したじ”についてはどうだろう。介護かいご施設しせつおとずれたり、高齢こうれいしゃはなしいたりはしたのだろうか。

「60~80だいくらいの女性じょせい中心ちゅうしんに、15にんくらいのほうにおはなしをうかがいました。これまでどういう人生じんせいおくってこられたか、『プラン75』という政策せいさくがあったとしたらどうおもうか、ということをきました。また、介護かいご仕事しごとをされているほうや、日本にっぽん介護かいごとしてはたらくフィリピンじん女性じょせいたちにもはなしきました」

このリサーチをつうじて印象いんしょうのこった言葉ことば、もしくは重要じゅうよう要素ようそとなった部分ぶぶんについてもこたえてくれた。

あらたな発見はっけんという意味いみでいえば、フィリピンから介護かいごとして日本にっぽんはたらきにきているほうについてです。当初とうしょ差別さべつてきあつかいをけているというステレオタイプのイメージがあったので、そのようなシーンを(脚本きゃくほんに)れていました。でも、実際じっさいにおはなしいてみると、職場しょくば環境かんきょうく、みなさん感謝かんしゃされながらお仕事しごとをされていました。『言葉ことばつうじないこともあって、大変たいへんだけど、この仕事しごとほこりをっている』とわれるほうおおかった。自分じぶんのステレオタイプなモノの見方みかたあらためました」

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印象いんしょうのこったのは、高齢こうれい女性じょせいたちとおいしたときのこと。大半たいはん方々かたがたくちそろえておっしゃっていたのが『ひと迷惑めいわくをかけたくない。どもに迷惑めいわくをかけたくない』というものでした。“ひと迷惑めいわくをかけてはいけない”というおしえを、わたしたち日本人にっぽんじん子供こどもころからまれています。迷惑めいわくをかけたくないというおもい、それ自体じたいうつくしいことですが、それがぎてしまうと、なかなかひとたすけをもとめられなくなってしまう。また、他人たにんに“迷惑めいわくをかけている”にんたいして敵意てきいしにするような、非常ひじょうきづらい社会しゃかいになる。そのような両面りょうめんがあるとおもいました」

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ほんさく鑑賞かんしょうして「こわい」とかんじた部分ぶぶんがある。それは「プラン75」のCM、その内容ないよう説明せつめいする市役所しやくしょ職員しょくいん言葉ことば前向まえむきであること。「プラン75」にまつわる作業さぎょうが、事務じむてきに、そして淡々たんたんとこなされていくさまに恐怖きょうふかんじてしまった。

「『プラン75』のような制度せいどができるとしたら、こういうふうされるのだろうなと想像そうぞうしてづくりました。人間にんげんてきおそろしいシステムを、フレンドリーで、使つかいやすくて便利べんりなものであるというふうせようとするだろうと。これは“やさしいかおをした暴力ぼうりょく”だとおもうのです。現在げんざい日本にっぽんでも様々さまざま言葉ことばのすりえや印象いんしょう操作そうさがなされているなとおもっています。たとえば『いちおくそう活躍かつやく社会しゃかい』という言葉ことば。『くにたすけないから、自分じぶんたちがはたらいて、それぞれでなにとかしてください』ということがいいかえられているようながします」

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自分じぶん選択せんたくするということ。それを尊厳そんげんなすひともいれば、自殺じさつという見方みかたをするひともいる。“”というものについての意見いけんもたずねてみた。

かんしては、ひとそれぞれに価値かちかんがあります。尊厳そんげん安楽あんらくたいするおもいやかんがかたも、ひとそれぞれのもの。だからこそ、そこにたいしてものもうしたいとか、是非ぜひうような映画えいがにするつもりはありませんでした。個人こじんへのかたかんがかたをジャッジするような映画えいがにはしたくなかったのです。国家こっか他人たにんが“人命じんめい”に線引せんひきをしたり、そういう選択肢せんたくしがあることで、まれてしまうひと存在そんざいするということ。そして、それにづかない社会しゃかいをこの映画えいがではえが必要ひつようがあるとおもいました」

つづけて、ばいしょう千恵子ちえこ主演しゅえん起用きようした理由りゆうかしてくれた。

脚本きゃくほんわり、ようやく日本にっぽん製作せいさくパートナーもつかって、『さぁ映画えいがれるぞ』となったときに、はじめてキャスティングをかんがはじめました。今回こんかい映画えいがは、主人公しゅじんこう次第しだいめられていくおはなしでしたが、みじめなかんじにはせたくなかったんです。この主人公しゅじんこうにはりんとしたうつくしさがあって、人間にんげんてき魅力みりょくもあるひとであってしい。そのほう観客かんきゃく感情かんじょう移入いにゅうしやすく、このひとに『きてしい』とおもえるような主人公しゅじんこうにしたかった。そんなことかんがえたときに、ばいしょうさんのおかおがフッとおもかびました」

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仕事しごとをしている女性じょせいえんじるばいしょうさんの姿すがたがすごく印象いんしょうのこっているんです。たとえば、牧場ぼくじょうはたら女性じょせいふね運転うんてんする女性じょせい居酒屋いざかやをひとりでりする女性じょせいとくはたらいている所作しょさがすごくいたについていて、うつくしいなとおもっていました。今回こんかい角谷かどやミチという役柄やくがらは、78さいでまだ仕事しごとをしている。それをリアルにえんじられるひとは、ばいしょうさん以外いがいかんがえられないとおもって、おねがいしました」

現在げんざい日本にっぽんは、少子しょうし高齢こうれい社会しゃかい早川はやかわ監督かんとくには、このてんについての意見いけんべてもらった。

「この映画えいがつくった理由りゆうは、高齢こうれい問題もんだい興味きょうみがあり、それをえがきたいとおもったからではないんです。それよりも、社会しゃかい寛容かんようさにたいするいきどおりがもとになっています。高齢こうれい問題もんだいをこれからどうしていくべきなのか――そういうことにたいして、問題もんだい提起ていきおこないたいわけではありません。もちろん、そういう見方みかたをされるほうもいらっしゃるとおもいますが、わたしとしては、そこにあまりおもきをいていないというのが正直しょうじきなところです」

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ほんさく特筆とくひつすべきポイントは、カメラの配置はいち観察かんさつてきなポジションで、主人公しゅじんこう角谷かどやミチをとらえている。だれかの影響えいきょうけたのだろうか?

「いろいろな監督かんとく作品さくひん影響えいきょうけているとはおもうのですが、今回こんかい物語ものがた姿勢しせいとして、客観きゃっかんてきしずかな眼差まなざしをけたいとかんがえていました。たくさんカットをったり、近接きんせつるというよりも、ある程度ていど距離きょりたもつ。ながめのカットで、ずっとつめているというようなトーン、あるいはながれみたいなものをつくりたいとおもっていました」

日本にっぽんだけでなく、フランス、フィリピン、カタールなど、さまざまな国々くにぐに製作せいさくたずさわっている。

長編ちょうへん1ほん新人しんじん監督かんとくのオリジナルストーリーでるとなったとき日本にっぽんでは1おくえん以上いじょう予算よさん映画えいがは、なかなかれないとおもうんです。ゴーサインがなかなかない。水野みずの詠子えいこプロデューサーから『新人しんじん監督かんとくでもすくない予算よさんならなんとかれるだろう。でも、この映画えいがはちゃんとおかねをかけて、きちんとしたクオリティでつくるべきだ』という方針ほうしん最初さいしょにあり、そして『日本にっぽんだけにまらず、海外かいがい観客かんきゃくにもきちんとめられるような作品さくひんにしよう。そこを目指めざしたい』という共通きょうつう認識にんしきがありました。そのため、最初さいしょから国際こくさい共同きょうどう製作せいさくにしようというおもいはありました。りおおくの予算よさんあつめるため、というのはおおきな理由りゆうのひとつだったのですが、海外かいがい才能さいのう出会であうことで、よりクオリティのたかいものをつくれるのではないかという期待きたいもありました」

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ほんさくのエンディングは、希望きぼういだけるようなかたちとなっている。そこでは、自己じこ選択せんたくすることの大切たいせつさをえがいているようにおもえた。

市役所しやくしょはたら岡部おかべヒロム(磯村いそむらいさむ)、コールセンターの成宮なるみや瑶子ようこ河合かわいゆう)といったわかにんは、くにまったこと、うえからあたえられたものにたいして、なん疑問ぎもんいだかず、のまま仕事しごと遂行すいこうしてしまう。その態度たいど日本人にっぽんじん特有とくゆうなものにおもえるのです。ルールにしたがうことをだいいちとし、自分じぶんあたまかんがえることをやめてしまう。そんなかれらが、自分じぶん意思いしで、自分じぶんあたまかんがえ、自分じぶん感情かんじょうしたがって行動こうどうこすというところをえがきたかったんです。かれらのづきがこの映画えいが希望きぼうになりえるのではないかと」

カンヌ国際映画祭かんぬこくさいえいがさいでの反応はんのうは? 日本にっぽん観客かんきゃくとのちがいはあったのだろうか。当時とうじ様子ようすかえってもらった。

日本にっぽん方々かたがたからは『につまされた』『自分じぶん将来しょうらいるようでかんがえさせられた』『こわかった』という感想かんそうがかなりおおかったとおもいます。一方いっぽう、カンヌでは『弱者じゃくしゃ排除はいじょされていく傾向けいこうは、日本にっぽんだけのことではなく、世界中せかいじゅうきていること。いまわたしたちにとって、必要ひつよう映画えいがだ』とおっしゃってくださるほうがいましたね。には『自分じぶん母親ははおやのことをおもいながらていた』であるとか、『鑑賞かんしょう、すぐに映画えいがかん祖父そふ電話でんわした』となみだながらにつたえてくるほうもいらっしゃいました。しんふかいところにまでとどいているような印象いんしょうちました」

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ENBUゼミナールで映画えいがづくりをまなんだ早川はやかわ監督かんとく。たずねてみたかったのは「わか才能さいのう育成いくせいするが、日本にっぽんには十分じゅうぶんあるとえるのだろうか」ということ。早川はやかわ監督かんとくは「むかしくらべると、すこしずつできているとおもいます」と意見いけんべる。

日本にっぽん国内こくないでも若手わかて映画えいが作家さっかやプロデューサーをそだてようというこころみが確実かくじつえているとおもいます。わたし自身じしんも、東京とうきょうフィルメックス主催しゅさいのタレンツ・トーキョーやNHKサンダンスの脚本きゃくほんワークショップ、VIPOの脚本きゃくほん研修けんしゅうなど、様々さまざまなワークショップに参加さんかしましたが、そこで経験けいけんいまにつながっているとおもいます。すぐに結果けっかないかもしれませんが、方向ほうこうわりつつある。ただ、わたし一番いちばん問題もんだいだとおもっていることは、日本にっぽんにおける映画えいがスタッフの労働ろうどう環境かんきょう過酷かこくすぎること。そこを早急そうきゅうえないと。映画えいが監督かんとくいちにんではつくれません。作品さくひんには大勢おおぜいのスタッフがかかわっています。映画えいがささえるスタッフが安心あんしんして仕事しごとができる環境かんきょうがないかぎり、日本にっぽん映画えいがはどんどん衰退すいたいしていくとおもいます」

最後さいご質問しつもんは、次回じかいさくのアイデアについて。すで内容ないようかたまっているのだろうか?

作品さくひん具体ぐたいてきがっているわけではないのですが、『PLAN 75』は社会しゃかいてきなテーマをモチーフにした作品さくひんだったので、つぎさくは、パーソナルな物語ものがたりつくってみたいなとおもっています」

シネマ映画えいが.comでいますぐ

筆者ひっしゃ紹介しょうかい

細木信宏のコラム

細木さいき信宏のぶひろ(ほそき・のぶひろ)。アメリカで映画えいがまなぶことを決意けつい渡米とべい。フィルムスクールを卒業そつぎょうしたのちテレビ東京てれびとうきょうニューヨーク支社ししゃ番組ばんぐみ「モーニングサテライト」のアシスタントとしてはたらく。だが映画えいがへのおもいがあきらめきれず、アメリカ国内こくないのプレスわく現地げんち人々ひとびとともに15年間ねんかん取材しゅざいをしながら、日本にっぽん映画えいがサイトに記事きじ寄稿きこうしている。またアメリカの友人ゆうじんとともに、英語えいご映画えいがサイト「Cinema Daily US」をげた。

Website:https://ameblo.jp/nobuhosoki/

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