Fair Play フェアプレー

ク◯どうでも良よい仕事しごと。
ブリシットジョブ。
低てい次元じげんでの争あらそい。
アメリカンドリームの終焉しゅうえん。
更さらに、
愛あいの無ないＡＩが拡充かくじゅうすると、この人達ひとたちは何なにをするんだろうね。
アナリストの知識ちしきが全すべてコンピュータがなんとかしてくれる訳わけだから、人間にんげんはデータを打うち込こむだけになり、データもインターネットさえ拡充かくじゅうしていれば、勝手かってに知識ちしきは打うち込こまれる。
あとは、この映画えいがの様ように外見がいけんだけで上うえの者ものに気きに入いられるかどうかたけ。さて、つまり、生臭なまぐさい性的せいてきな関係かんけいだけが残のこる事ことになる。い換いかえれば、人ひとの評価ひょうかすら基準きじゅんが変かわる。もはや、人間にんげんとしての知的ちてき進化しんかは終焉しゅうえんを迎むかえると言いう事ことだ。

この映画えいがの中なかで『俺おれも性せい転換てんかんしようかなぁ』と言いう台詞せりふが出でてくるが、CEOが物理ぶつり的てきな男おとこならば正まさにそれが正解せいかいになる。
つまり、映画えいがの中なかで部屋へやを掃除そうじするWORKMANが登場とうじょうするが、その仕事しごとがこの映画えいがの中なかで、最後さいごまで残のこる仕事しごとになるが、通信つうしん技術ぎじゅつが更さらに発展はってんすれば、事務所じむしょが要いらなくなるので、彼かれらも要いらなくなり、CEOが一人ひとり残のこるだけ。つまり、より体力たいりょくを使つかう肉体にくたい労働ろうどうが残のこり、人間にんげんの性的せいてきな欲望よくぼうのみが残のこり、男おとこも女おんなもその方向ほうこうへ向むく。
その究極きゅうきょくが争あらそいであり、戦争せんそうと言いう事ことである。そして、破壊はかいが進すすめば『スクラップからビルトへと再生さいせいするだろう』とアナリストは予測よそくしているのだろうが、最終さいしゅう戦争せんそうの可能かのう性せいもあるので、もう戻もどる事こともない世界せかいに至いたる可能かのう性せいの方ほうが遥はるかに高たかい。

この映画えいがでの矛盾むじゅん点てんは競合きょうごう他社たしゃがある事こと。それが、アメリカンドリームを形成けいせいしている。駄目だめなら、別べつの会社かいしゃにヘッドハンティングされれば良よいだけ。

経済けいざいアナリストをアイ・ビ◯リ◯グからと言いうが、所詮しょせん、この仕事しごとはギャンブルの予想よそう師しと同おなじだ。
僕ぼくが競馬けいばをする時ときのスタイルは絶対ぜったいに予想よそうをしない事こと。予想よそうする時間じかんと予想よそうする為ための有料ゆうりょうのデータ取得しゅとく（競馬けいば新聞しんぶんなど）が無駄むだ。

追記ついき　この映画えいがの最大さいだいの欠点けってんは制作せいさく者しゃが男おとこと女おんなの恋愛れんあいのもつれくらいにしかこの男女だんじょ達たちを見みていない事こと。アメリカやキャピタリズムを理解りかいして、その矛盾むじゅんを突つく話はなしにはなっていない事ことだ。しかし、幸さいわいにシンラツに描えがいたので、思おもいの外ほかこの男女だんじょが異様いように思おもえて、結果けっかオーライになったと思おもう。従来じゅうらいのハリウッド映画えいがなら、大団円だいだんえんなのだが、ブロークンでバッドエンドが素晴すばらしい。ついでだから、もう一いち歩ほ先さきのバッドエンドなら傑作けっさくになった。

面白おもしろいという表現ひょうげんも変へんだけど、一気いっきに観みた。
こえーな、どっちも。という感想かんそう。

アナリストはPMのアシスタントなんだね。
金融きんゆう業界ぎょうかいよく知しらないけど、今いまも変かわらず男おとこ社会しゃかいか。
社内しゃない恋愛れんあい禁止きんしとか、ちょいびっくり。
厳きびしい世界せかいなのかもしれないけど、出世しゅっせした彼女かのじょからボスに取とり合あってあげるからって、そりゃプライドもズタズタになるわ。
そして最後さいごはストーカー扱あつかい。
あれはルークがかわいそうかと。

いや、ホント怖こわい怖こわい。
さっさと別わかれればいいのに、と思おもってしまった。
ズルズルしてないでさ〜と。

恋愛れんあい相手あいてになにを望のぞんでますか？

相手あいてがどういう立場たちばであろうと
どういう発言はつげんをしようと
相手あいてを信しんじられますか？

この映画えいがはおそらく相手あいてより優位ゆういに立たちたい人ひとたちの話はなし。

前半ぜんはんの「I love you」をその瞬間しゅんかんだけに使つかえる人ひとたちの話はなし、

日本語にほんごでは「愛あいしてる」という言葉ことばがなかった時代じだい
「あなたとなら死しんでもいい」という意味いみだったという。
（もちろん近代きんだいのことでしょうが）
その「愛あいしてる」はこの現代げんだいではとても刹那せつな的てきに便利べんりに使つかうことができるのかもしれません。

映画えいがの主人公しゅじんこうの気持きもちに寄より添そうことは
わたしにはできませんでしたが
恋愛れんあいしている相手あいてに自分じぶんが
「なにを望のぞんでますか？」

映画えいがなどでよく描えがかれるエリートたちのパーティーシーン。
揃ぞろいも揃そろって若わかい美男びなん美女びじょ。カッコいいスーツにセクシーなドレス。
ゴージャスで、贅沢ぜいたくなお酒さけや料理りょうりに舌鼓したつづみ。
浮うかれに浮うかれ、誰だれもが人生じんせいの成功せいこう者しゃの顔かお。俺おれ/私わたしたちを中心ちゅうしんに世界せかいは回まわっている。
付つき合あってたり、カップル誕生たんじょうも何なん組くみも。パーティーの後のちはホテルへ。チュッチュッチュッチュッ、からのベッドイン。
憧あこがれ？ 羨うらやましい？ それとも…？
ひねくれ者しゃの私わたしはよくこう思おもう。神様かみさま！どうかこの高慢こうまんちきな連中れんちゅうに悪わるい目めを！
…が届とどいたかどうかは別べつとして、修羅場しゅらばに陥おちいっていく。

NYの超ちょう一流いちりゅうヘッジファンド会社かいしゃ。
過酷かこくな競争きょうそう世界せかいの中なか、エミリーとルークは同僚どうりょうで、密ひそかに付つき合あう恋人こいびと同士どうし。
同棲どうせいし、婚約こんやくも。仕事しごともプライベートも順調じゅんちょう。
ある時ときPM(正式せいしき名称めいしょうポートフォリオ・マネージャーで、責任せきにん者しゃらしい)がクビになり、誰だれが後任こうにんになるか…？
エミリーは小耳こみみに挟はさむ。後任こうにん者しゃはルーク。
それを密ひそかにルークに伝つたえ、期待きたいが高たかまる。
が、後日ごじつCEOが抜擢ばってきしたのはエミリーだった。
エミリーは気きまずそうにルークに伝つたえ、ルークは祝福しゅくふくするが…。

その後ごの展開てんかいは自おのずと想像そうぞう付つく。
ルークが祝福しゅくふくしたのは表面ひょうめん上じょうだけ。本心ほんしんは…。
それまでラブラブだった二人ふたり。
これを機きに二に人にんの関係かんけいも悪化あっかしていく…。

男女だんじょ平等びょうどうの社会しゃかい。
仕事しごとに於おいてもどちらが上司じょうしかなんて今いまや関係かんけいない。
本当ほんとうにそうか…？
まだまだ性別せいべつの格差かくさがあちこちに蔓延はびこる。
殊ことに、未いまだ男尊女卑だんそんじょひが残のこる中国ちゅうごくや韓国かんこく、日本にっぽんでも政治せいじの世界せかいで中年ちゅうねんや老害ろうがい連中れんちゅうなど少すくなくはないだろう。
今年ことしあった宝塚たからづか研究けんきゅう生せいのいじめ自殺じさつ事件じけん。女性じょせい世界せかいのイメージだが、そのトップは中年ちゅうねん初老しょろうの男おとこばかりで私わたしは驚おどろいた。そこに女性じょせいのトップはいないのか…？
日本にっぽんやアメリカでは女性じょせいがまだ国くにのトップになれず。
男女だんじょ格差かくさは問題もんだいなほど根強ねづよい。

それを個人こじんと個人こじんの関係かんけいに。
愛あいが相反あいはんする感情かんじょうに一瞬いっしゅんにして変かわる。
男おとこの嫉妬しっとほど醜みにくいものはない。
そこに、また別べつのものが絡からむ。
元々もともとエミリーはポスト的てきにはルークより下しただった。
それが突然とつぜん昇進しょうしんしたのは、“女おんなの武器ぶき”を使つかったのに違ちがいない。
本人ほんにんが言いったのではない。同僚どうりょうが。が、嫉妬しっとに駆かられた猜疑心さいぎしんはそうと思おもい込こむ。
愛あいから妬ねたみへ。憎悪ぞうおに。
無論むろんエミリーは色仕掛いろじかけで昇進しょうしんした訳わけではない。純粋じゅんすいに能力のうりょくと実力じつりょくで。
昇進しょうしんしてすぐの上役うわやく会議かいぎでもアイデアを出だす。
低ひくいポストに甘あまんじている人材じんざいではない。
その才能さいのうを、CEOは見抜みぬいていた。
見みる目めあるCEOだが、冷徹れいてつな面めんも。
実力じつりょくある者ものは高たかく評価ひょうかする。が、実力じつりょくなき者しゃは…。不ふ必要ひつようならば切きり捨すてる。切きり捨すてなくとも全まったく関心かんしんナシ。CEOにとってルークがそれ。
競争きょうそう激はげしい実力じつりょく主義しゅぎの世界せかいでは当然とうぜんのように思おもえるが…。

恋人こいびとで同僚どうりょう。詳くわしく言いえば自分じぶんより下しただった。
それが突然とつぜん、上司じょうしに。
うっわ、やりづらい…。社内しゃない恋愛れんあいはやっぱりやるもんじゃない…？
仕事しごととして割わり切きる側がわと、そうでない側がわ。
エミリーが仕事しごとでミスる。たった一いち度どの失敗しっぱいで信頼しんらいガタ落がたおち。CEOからはパワハラ暴言ぼうげん。
これ、ルークがわざと足あしを引ひっ張ぱったような…？
すぐさま損失そんしつ分ぶんを取とり戻もどし、信頼しんらいを回復かいふくさせるが、その時ときのルークの胸中きょうちゅうは…？
一見いっけんするとルークが追おい込こみ、エミリーが追おい込こまれているようだが、ただ一概いちがいにそうではない。
エミリーは上司じょうしとよく飲のみに。夜よる遅おそくベロンベロンになって帰かえり、水入みずいらずの最中さいちゅう深夜しんやの上司じょうしからの電話でんわに出でる。
ルークからすれば気分きぶんいいもんじゃない。理性りせいある事こと言いうが、貶けなすような事ことも…。
どちらにもい分いぶんがある。
職場しょくばでギスギスし、家いえに帰かえってからも。
愛あいを信しんじてはいるが…、次第しだいに揺ゆらぎ始はじめる。
そんな険悪けんあくになりつつある時とき、エミリーの両親りょうしんが両家りょうけを招まねいて大々的だいだいてきに婚約こんやくパーティー。
ちょうどルークがCEOに楯突たてつき、事実じじつ上じょうのクビ。エミリーとの関係かんけいも完全かんぜんに。連絡れんらくすら取とれない。
やむなくパーティーに行いくが、そこに何なに食くわぬ顔かおしてルークが。
考かんがえるだけでも恐おそろしい本音ほんねぶちまけの修羅場しゅらばが始はじまる…。

概要がいようは下世話げせわネタのようだが、
官能かんのう要素ようそを交まじえつつ、実じつは非常ひじょうに秀逸しゅういつな男女だんじょのパワーバランス、エゴや心理しんり描写びょうしゃを巧たくみにスリリングに描えがき、現代げんだい社会しゃかいに生々なまなましく訴うったえる。
俊英しゅんえいクロエ・ドモントの手腕しゅわんは見事みごと。
フィービー・ディネヴァーとオールデン・エアエンライクの男おとこと女おんなの全すべてをさらけ出だした熱演ねつえんは必見ひっけん！

二人ふたりの行ゆく末すえは…？
最後さいごまで目めが離はなせない。
一級いっきゅうのサスペンス！