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グエムル 漢江の怪物 インタビュー: ポン・ジュノ監督インタビュー(2) (2) - 映画.com

劇場げきじょう公開こうかい 2006ねん9がつ2にち

グエムル 漢江かんこう怪物かいぶつ : インタビュー

2006ねん9がつ1にち更新こうしん

ポン・ジュノ監督かんとくインタビュー

――家族かぞく焦点しょうてんてるために、国家こっか権力けんりょくいとなみが極力きょくりょくはぶかれていましたが、「リアリティがなくなるのでは」とおもいませんでしたか?

描かれるのはあくまで普通の家族の奮闘
えがかれるのはあくまで普通ふつう家族かぞく奮闘ふんとう

たしかにちょっと心配しんぱいになりました。シナリオをみなんでもらったときに、『警察けいさつなにしてるの?』とか、『軍隊ぐんたいはどこにいってしまったの?』とわれたので。ですが、警察けいさつ軍隊ぐんたい人間にんげん重要じゅうようやくあたえてしまうと、そちらのほう物語ものがたり核心かくしんうつってしまうとおもったのです。それよりは、そと出来事できごとそと出来事できごとはなして、家族かぞくほう集中しゅうちゅうしようとめたんです。M・ナイト・シャマラン監督かんとくの『サイン』でも、宇宙うちゅうじん襲来しゅうらいなどについてはなしているのは、すべてTVニュースだけで、基本きほんてきにメル・ギブソンの家族かぞくだけをっていくストーリーでした。そときていることはあくまでもバックグランドてきかんじでえがき、家族かぞく集中しゅうちゅうするということをひとつの特徴とくちょうとしてしたかったので。ただ、そときていることも、えがかなくてはいけなかったので、最小限さいしょうげんですがところどころれておきました」

――この映画えいがでの、くに関心かんしんぶりは現在げんざい韓国かんこくというくに象徴しょうちょうさせているのですか?

今回こんかいわたし社会しゃかいがくてき立場たちば韓国かんこく分析ぶんせきして、この映画えいが表現ひょうげんしたというよりも、わたしいままでそだってきたなかで、『韓国かんこくというくにはどんなこくなんだろう?』という疑問ぎもんいかけをしています。わたし国家こっか国家こっかつくすシステムにたいして、いつも疑問ぎもん不満ふまんをもっているんです。というのも、かれらのつくったシステムで国民こくみんしあわせになったとはおもえませんから」

監督こだわりの火炎瓶アクション?
監督かんとくこだわりの火炎瓶かえんびんアクション?

――グエムルにたいして火炎瓶かえんびんたたかうところが左翼さよくてきだとおもいました。

わたしにとって、火炎瓶かえんびんというものは政治せいじてき凶器きょうきではなくて、むしろアートなんですよね。火炎瓶かえんびんげられたときにえがかれる放物線ほうぶつせんうつくしいとおもうのです(笑)。政治せいじ意識いしきつよひとにとっては、子供こどもじみているとおもうかもしれませんけど。わたし個人こじんとしては、『世界せかいはつ火炎瓶かえんびんアクション映画えいが!』と銘打めいうってもいいかもしれません(笑)」

――グエムルとはなに象徴しょうちょうしているのでしょうか?

怪獣に対する人々の反応は…
怪獣かいじゅうたいする人々ひとびと反応はんのうは…

わたしはひとつのジャンル映画えいがとして製作せいさくはじめるのですが、最終さいしゅうてきには、ジャンル映画えいがをはみした作品さくひん完成かんせいさせてしまうのです。『殺人さつじん追憶ついおく』の場合ばあいは、スリラーではじまりましたが、最終さいしゅうてきには韓国かんこく農村のうそんえがいた民俗みんぞくがくてき側面そくめん作品さくひんになりました。今回こんかい場合ばあい怪獣かいじゅう映画えいがということではじまりましたが、わるとことなる印象いんしょうけるとおもいます。わたし今回こんかいえがきたかったのは、グエムルという怪獣かいじゅうそのものではなく、グエムルという怪獣かいじゅう登場とうじょうしたことがきっかけとなってこる、人々ひとびと反応はんのうだったのです。だから、グエムルが特定とくていなにかを象徴しょうちょうしているということではないんです。カンヌで取材しゅざいけたメディアのなかに、あのアルジャジーラがあったのですが、かれらは『あの怪物かいぶつはアメリカを象徴しょうちょうしているのですよね?』とこちらの意見いけん無視むしして、しつこく意見いけんしつけていました(笑)。そういえば、カンヌでは、どこかのジャーナリストが、『これは今村いまむら昌平しょうへいった怪獣かいじゅう映画えいがみたいだ』とってくれて、とてもうれしかったんですよ。わたしにとっては最高さいこう言葉ことばですね」

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