イン・ザ・ベッドルーム

前半ぜんはんに山場やまばが来きて、中盤ちゅうばんは淡々たんたん、終盤しゅうばんに少すこしサスペンスが入はいります。
話はなしは暗くらい。時折ときおり挿入そうにゅうされる引用いんよう文ぶんがテーマを暗示あんじしてるらしいけど、耶蘇やそ教徒きょうとじゃない日本人にっぽんじんには理解りかい不能ふのう。
まあ、評論ひょうろん家か向むけなので一般いっぱん受うけはしません。

　亡なくした息子むすこを想おもう夫おっとと妻つま。夫おっとマットは医者いしゃでもあるため理性りせい的てきであるが、妻つまは厳きびしくしつけて理想りそう的てきな息子むすこに育そだて上あげたという自負じふを持もつ。二人ふたりの息子むすこに対たいする接せっし方かたは違ちがってはいるものの深ふかい親子おやこ愛あいには変かわりない。しかし、殺人さつじん事件じけんの犯人はんにんに対たいする憎にくしみは画面がめんからは伝つたわってこなかった。国民こくみん性せい、宗教しゅうきょう上じょうの違ちがいはあるが、いきなりには感情かんじょうを表ひょうに出ださなかったのは眠気ねむけを誘さそう。

　後ごからジワジワ映画えいがの内容ないようを反芻はんすうさせる映画えいがだったと思おもいます。殺人さつじんのシーンにはそこから推理すいりサスペンスを思おもわせる手法しゅほうであったのに、淡々たんたんとしたドラマの雰囲気ふんいきは変かわらなかった。全体ぜんたい的てきなバランスが悪わるいのだろうか、いい素材そざいであるのに緊張きんちょう感かんが途切とぎれてしまう内容ないようだ。

真夜中まよなか～夜明よあけ～朝あさにかけての風景ふうけいのかわりかたがひとりの男おとこの変かわり様ように沿そっていた。犯人はんにんと車中しゃちゅう二に人にんきりのシーンを除のぞいて音楽おんがくが全まったくなく、それだけ淡々たんたんとした現実味げんじつみがあった。息子むすこを銃じゅうで殺ころした犯人はんにんと後日ごじつ自分じぶんの住すむ街まち中ちゅうで出会であうおぞましさは想像そうぞうに難かたくない。