の・ようなもののレビュー・感想かんそう・評価ひょうか

森田もりた芳光よしみつ監督かんとくの商業しょうぎょうデビュー作さく。1981の作品さくひん。

初はつソープでソープ嬢じょうに一目惚ひとめぼれした若手わかて落語らくご家か。
高校こうこうの落研で女子高じょしこう生せいと知しり合あい、付つき合あう事ことに。
そんな彼かれと彼かれを取とり巻まく青春せいしゅん群ぐん像ぞう劇げき、落語らくごの世界せかい…。

デビュー作さくの題材だいざいに選えらんだのは、監督かんとくが好すきな落語らくご。
そこに、ソープ、落研、TVの世界せかい、天気てんき予報よほうギャンブルなど、風変ふうがわりなネタを織おり込こんで。
メインの話はなしも普通ふつうに語かたれば普通ふつうの青春せいしゅん劇げきになる所ところ、シュールやドタバタ。
後のちに『家族かぞくゲーム』などでありふれたスタイルに囚とらわれない斬新ざんしんな作品さくひんや演出えんしゅつを発表はっぴょう。
デビュー作さくからそれは一貫いっかんしていた。

しかし、本当ほんとうに好すき勝手かってやったという感かんじで、映画えいが的てきなストーリーの面白おもしろさや巧たくみな仕上しあがりとかはビミョー…。
先述せんじゅつの通とおりシュールやドタバタ、脱線だっせん、ワチャワチャ、ハチャメチャで、正直しょうじき意味いみ不明ふめい…。
高座こうざもあるが、思おもってたほど落語らくご披露ひろうは少すくなく、本格ほんかく的てきな落語らくご映画えいがを期待きたいしてはいけない。
当時とうじの日本にっぽんののほほん感かんじ、若者わかものたちのマイペース感かん、ラストはちょっぴりしみじみと…。そんな空気くうきだけでも楽たのしむ作品さくひん。

主演しゅえんの棒読ぼうよみ演技えんぎが…。加くわえて、落語らくごもメリハリ無なくつまらない。そういう設定せっていなんだけど、そりゃあ女子高じょしこう生せいの父親ちちおやからダメ出しゅっしされるわな…。
ソープ嬢じょう役やく・秋吉あきよし久美子くみこの色いろっぽさと魅力みりょくは確たしかにリピートしたくなるレベル。
デビュー作さくでありながら、豪華ごうかな個性こせい的てきな面々めんめん。尾藤びとうイサオ、でんでん、鷲尾わしお真知子まちこ、内海うつみ佳子けいこに関根せきね&小しょう堺さかい…。女子高じょしこう生せいの一人ひとりにエド・はるみ！ これも森田もりた監督かんとくの人望じんぼうか。
落語らくごの世界せかいなので落語らくご家かたちも。今年ことし亡なくなられた円楽えんらく師匠ししょうの姿すがた…。
約やく40年ねん前まえ。若わかき日ひの姿すがたを楽たのしむと共ともに、在ありし日ひの姿すがたに思おもいを馳はせる…。

ー　年齢ねんれい的てきに、初はつ鑑賞かんしょうであるが、好すきだった森田もりた芳光よしみつ監督かんとくの劇場げきじょう初はつ公開こうかい作品さくひんという事ことは、知しっていた。－

■古典こてん落語らくごの修業しゅうぎょうに励はげむ二にツ目めの落語らくご家か・志こころざしん魚さかな。
　23歳さいの誕生たんじょう日び、初はじめてソープランドに行いった彼かれは、ソープ嬢じょうのエリザベス（秋吉あきよし久美子くみこ）と引ひかれ合あう。
　そんなある日ひ、志こころざしん魚さかなは女子高じょしこうの落研部員ぶいん・由美ゆみと出会であい、割わり切きれない気持きもちのまま両方りょうほうとデートを重かさねるように。

◆感想かんそう

・とにかく、４０年ねん前まえの映画えいがなので、知しっている俳優はいゆうさんは、尾藤びとうイサオと秋吉あきよし久美子くみこと、異様いように若わかやいでんでん位くらいである。
　あとは、チョイ役やくで、内海うつみ桂子けいこ、好江よしえ師匠ししょうと、小しょう堺さかい一いち機きと、ラビット関根せきね位いである。

・ストーリーとしては、特とくに大おおきな抑揚よくようがある訳わけではなく、落語らくごを愛あいする２枚まい目めの志こころざしん魚さかなが、エリザベスと、女子高じょしこうの落研部員ぶいんとの間あいだで、モヤモヤした気持きもちを抱かかえる姿すがたと、先輩せんぱい、同僚どうりょうの落語らくご家かたちの姿すがたが描えがかれる。

＜何なにてことはない映画えいがではあるが、何なんだかホンワカしてしまう作品さくひん。１９８１年ねんと言いえば、バブル直前ちょくぜんだった筈はずだから、世間せけん的てきにも大だいらかな空気くうきに包つつまれていたのかな、と思おもった作品さくひん。＞

落語らくご家かの卵たまごを主人公しゅじんこうに、ありふれた青春せいしゅんの断片だんぺんを軽妙けいみょうなタッチでつづった青春せいしゅんコメディ。コサキンのふたりや名めい脇役わきやくのでんでんなど、若わかかりし頃ころの大物おおもの芸能人げいのうじんの姿すがたも楽たのしめる。
ストーリー

ドラマチックな演出えんしゅつはなく、淡々たんたんと進すすんでいく物語ものがたり・の・ようなもの。

23歳さいの二ふたつ目め落語らくご家か（伊藤いとう克信かつのぶ）が誕生たんじょう日びにソープランドに行いく。
ついてくれたソープ嬢じょう（秋吉あきよし久美子くみこ）はインテリ女おんなで、気きに入いられる。
次ついで落研女子高じょしこう生せいがやってきて、気きに入いってしまう。
当時とうじはトルコでしたが・・・。

　80年代ねんだい前半ぜんはんのギャグとか風俗ふうぞくがよくわかる。小しょうネタオンパレードの群像ぐんぞう劇げきといった雰囲気ふんいきなんだけど、結局けっきょくは青春せいしゅんモノの域いきを出でない。23歳さいの二ふたつ目めだというのに下したネタばかりじゃ将来しょうらいが不安ふあんだなぁ・・・やっぱり下手へただし。

　女子高じょしこう生せいの落研にもうちょっと華はながあればいいんだろうけど、前半ぜんはんのメインとなる団地だんちの有線ゆうせん放送ほうそうにおける天気てんき予想よそうクイズでもはじけてほしかったな。ヌードだって出だすんだから、若気わかげのいたりでもっと過激かげきに・・・

面白おもしろかった。
次つぎに何なにが起おこるかわからない話はなしの筋書すじがきは好すきだ。
ただ、人間にんげんのリアルさが感かんじられない側面そくめんもあった。
そういうふうに撮とっていると解釈かいしゃくしよう。
今いまなら落語らくごに焦点しょうてんを当あてた熱血ねっけつ這はい上あがり的てきなものになるのだろうが、80年代ねんだいの緩なるさがそれを許ゆるさなかったのだろう。
なお、尾藤びとうイサオの音楽おんがくが心しんをとらえた。いい声ごえしてるなあ。

秋吉あきよし久美子くみこのソープでの色気いろけがすごい。
それだけ見みて、見みるのをやめた。
古ふるい。

一いち度ど言いってみたかったんです(笑わらい)

この台詞ぜりふに本ほん作さくのテーマが凝縮ぎょうしゅくされています

当時とうじの時代じだいのその空気くうき感かん、雰囲気ふんいきをフィルムに閉とじ込こめたい
70年代ねんだいとは決定的けっていてきに違ちがう、緩ゆるい空気くうき感かん
それがいいとか悪わるいとかではなくて、実際じっさいにそうなんだから、映画えいがもそれを写うつし撮とらなければおかしい
これが本ほん作さくのテーマなのだと思おもいます

これは見事みごとに成功せいこうしています
ポパイ、ホットドッグエキスプレス、ケントのトラッドテイストの服ふく、クラフトワークのレコード
当時とうじのアイコンがちりばめられています

そして何なにより、伊藤いとう克信かつのぶの表情ひょうじょう、立たち振舞ふるまい、話はなし方かた、全身ぜんしんから立たちのぼる弛たゆさ楽たのしさが本ほん作さくのテーマを体現たいげんしてみせています

お話はなしとかには特段とくだんの意味いみはありません
この時代じだいの空気くうき感かんを楽たのしめば良よいのです

森田もりた監督かんとくってこんな感かんじなんだ～
愛情あいじょうは感かんじるけど　つまんないね(^-^;
時代じだいを感かんじるにはとても参考さんこうになった
下しもネタ多おおし( 一いち一いち)
尾藤びとうイサオのエンディングが上手じょうず

小しょう噺はなしを映画えいがで表現ひょうげんしたのかなあと思おもいました。だから作品さくひんが妙みょうに脚本きゃくほんや映像えいぞう主体しゅたいではなく、お噺はなし的てきだったのかと。初はじめてソープランドに行いってそんなことになるのもリアルに感かんじなくてふわふわ感かんじたのもそこなのかと思おもいました。

落語らくごの「居酒屋いざかや」に のようなものというフレーズがありそれがタイトル。
若わかい落語らくご家か役やくの伊藤いとう克信かつのぶと兄弟子あにでし、ソープ嬢じょう役やくの秋吉あきよし久美子くみこを中心ちゅうしんとした様々さまざまな人々ひとびとの沢山たくさんのエピソードをジャンプカットを多用たようしてみせる作品さくひん。
キャストが凄すごい人達ひとたちばかり。内海うつみ桂子けいこ師匠ししょうに室井むろい滋しげる、関根せきね勤つとむ小しょう堺さかい一いち機きに永井豪ながいごうや頭あたまに毛けのあるでんでん。 伊藤いとう克信かつのぶとアルパチーノ似にてる？
トルコ風呂とるこぶろの名称めいしょうが使つかわれなくなるのは1984年ねんだからこの映画えいがの中なかではトルコの単語たんごよくでてくる。

人間にんげんはおもしろい。みたいな作品さくひん。

進すすんでいく物語ものがたり。
ソープで出会であった女おんなに惚ほれ込こみ。
主人公しゅじんこうがお坊ぼっちゃんに見みえる。

冒頭ぼうとうから伊藤いとう克信かつのぶの雰囲気ふんいきにガッチリ心しんを掴つかまれた
魚眼ぎょがんレンズは笑わらった
麻生あそうえりかも可愛かわいい

「言葉ことばやしぐさの中なかに含ふくまれる人間にんげん的てきな温あたたかみを表現ひょうげんしたかった」
監督かんとくが言いうように、尖とがった作風さくふうながらも安心あんしん感かんがある、ハートフルコメディだった

情緒じょうちょという言葉ことばが非常ひじょうによく似合にあう映画えいがでした。（前半ぜんはん）中盤ちゅうばんからかだんだんとテンポが増まして来きて賑にぎやかで楽たのしい映画えいがになって来きました。

ずっと見みていられますね。

秋吉あきよし久美子くみこは最高さいこうだった。
あと、色いろんな俳優はいゆうさんの若わかい頃ころが見みられるので、そういう意味いみで豪華ごうかだったのと、吾妻橋あづまばしやアサヒビールが今いまと全然ぜんぜん違ちがう面めんと、変かわらぬ面めんがあり、何なんだか嬉うれしくなった。
劇げき中ちゅうに、鐘かねヶ淵ふちの話はなしをしながら、カネボウ美人びじんが生うまれるって台詞せりふがあり、個人こじん的てきにはそことてもグッときた。

いろんな意味いみで時代じだいを感かんじる作品さくひんで特とくにキャストは面白おもしろいところが揃そろっていて懐なつかしさを覚おぼえる。ただ役者やくしゃの巧拙こうせつがはっきりしていて下手へたな人ひとは目立めだつし、上手うまい人ひとは上手うまい人ひとで逆ぎゃくに目立めだっている。
描写びょうしゃや撮影さつえいなどちょっとわからない部分ぶぶんがあってどう評価ひょうかしていいのか困こまる。恐おそらくそこにリアリティなどは求もとめていないんだろうけど、ちょっと不思議ふしぎなシーンがいくつかあった。また落語らくごを題材だいざいにしていているのだが、ちょっとしたスパイス程度ていどに感かんじ、もうちょっと落語らくごのいい面めんを作品さくひんに落おとし込こんだら面白おもしろくなったような気きもした。
３５年ねん以上いじょう前まえの作品さくひんで若わかかりし頃ころの役者やくしゃもいたり、すでに亡なくなっている方ほうもいて歴史れきし的てきには興味深きょうみぶかい一本いっぽんだった。特とくに秋吉あきよし久美子くみこがめっちゃかわいかったという印象深いんしょうぶかさを残のこす作品さくひんだった。
ちなみに「の・ようなもの　の・ようなもの」を観みるために視聴しちょうしました。

一言ひとことで言いえば変へんな映画えいが・・・としか言いいようがないかも（苦笑くしょう）
私わたしレベルの頭あたまでは、この映画えいがの良よさがいまいちよく分わからなかったです。
続編ぞくへんが製作せいさくされたと言いう事ことは、当時とうじある程度ていどヒットした映画えいがなんでしょうが、まあこれはかなり賛否さんぴ両論りょうろんあったんでしょうね。
万まん人受ひとうけはしない、私わたしなんかとは視点してんの違ちがう映画えいが通どおりが喜よろこぶ映画えいがって印象いんしょうです・・・。
森田もりた芳光よしみつ監督かんとくのデビュー作さくだそうですが、何なんとも挑戦ちょうせん的てきな作品さくひんを作つくったようで・・・斬新ざんしん過すぎる・・・。

これはもしかして、映画えいがのようなものってことなの？
よくよく考かんがえれば、落語らくごにそれほど興味きょうみがないのに見みてしまったので、作品さくひんに込こめられた意味いみもよく分わかってないのですが・・・。
主人公しゅじんこう達たちも落語らくご家かのようなものでしたし、結局けっきょく「のようなもの」ばかりで構成こうせいされた映画えいがってことだったのかなぁ。
一応いちおう話はなしのメインとなったしんとととソープ嬢じょう（当時とうじはトルコ嬢じょう）エリザベスの恋こい？も、恋こいのようなものでしたしね。
主人公しゅじんこうしんととを演えんじた伊藤いとう克信かつのぶの棒読ぼうよみ加減かげんも、役者やくしゃのようなものを体現たいげんしていたのかな？

しかし一応いちおう話はなしの軸じくはエリザベスとしんととの恋こいと、女子高じょしこう生せいとしんととの恋こいでしたが、まあ話はなしはあってないようなもの・・・それ以外いがいの小しょうネタが妙みょうに変態へんたいチックだったりで、いまいちついて行いけなかった。
唯一ゆいいつ尾藤びとうイサオが演えんじたしんとと達いたるの「あにさん」絡がらみのシーンは結構けっこう笑わらえましたが、それ以外いがいは・・・（苦笑くしょう）
でんでんが若わかかったのと、関根せきね＆小堺こさかいがちょっとだけ出でてきたのは印象深いんしょうぶかかったですけどね。

まあそんな訳わけで映画えいが自体じたいはそれほど楽たのしめなかったのですが、エリザベスを演えんじた秋吉あきよし久美子くみこの存在そんざい感かんは特筆とくひつ物ぶつ！
これが大人おとなの女おんな、大人おとなの色気いろけだね～、ソープ嬢じょう役やく嵌はまり過すぎ、若造わかぞうからしたら、やっぱり恋こいのようなものでしょう。
麻生あそうえりかの女子高じょしこう生せいの方ほうも、何なに気きに可愛かわいかったけど、秋吉あきよし久美子くみこには敵てきわないでしょう。
あ、それと女子高じょしこう生せいの家いえでの一幕ひとまくと、そこからしんととが帰かえる際さいの当時とうじの東京とうきょうの風景ふうけい美びは良よかったですね！
尾藤びとうイサオの主題歌しゅだいか２曲きょくも心地ここち良よかったなぁ。
結局けっきょく何なんだかんだで、それなりには楽たのしめていたのかも。

のようなもののようなもの
を見みたあとの鑑賞かんしょう。やっぱり森田もりた芳光よしみつ監督かんとくだと全然ぜんぜん違ちがう。続編ぞくへんは人情味にんじょうみあふれるというか、伝つたえたいことがあるんだな、という感かんじだったけど、のようなものは完全かんぜんギャグ。斬新ざんしんだった。思おもわず声こえを出だして笑わらってしまうほど。何なにも考かんがえないで見みられて気楽きらくだった。ここから家族かぞくゲームに繋つながるのか‥と、妙みょうに納得なっとくしてしまった。

監督かんとくデビュー作さくらしいけど、大分おおいたチャレンジした作品さくひんなのかな？よく分わからなかった。所々しょしょにへんな会話かいわや効果こうか音おんがあったり。ストーリーより個性こせい的てきなキャラクターを楽たのしむ作品さくひん。

初期しょきの森田もりた監督かんとくは大体だいたいこんな感かんじ。特とくに秋吉あきよし久美子くみこの存在そんざいがこの映画えいが全体ぜんたいを表現ひょうげんしていると言いっても過言かごんではない。