鬼畜きちく大だい宴会えんかい

解説かいせつ

カリスマ的てきリーダーを失うしなった学生がくせい左翼さよく組織そしきの狂気きょうきの暴走ぼうそうの中なかに、人間にんげんの醜みにくいエゴを描えがいた過激かげきなバイオレンス・ドラマ。監督かんとく・脚本きゃくほんは、本ほん作さくでPFFアワード ' 97準じゅんグランプリを受賞じゅしょうした熊くま切きり和かず嘉よしみ。撮影さつえいを橋本はしもと清明きよあきが担当たんとうしている。尚なお、今回こんかいは監督かんとく自みずからが再さい編集へんしゅうしたPFFでのヴァージョンより6分ふん短みじかい完全かんぜん版ばんでの公開こうかいとなっている。第だい28回かいイタリア・タオルミナ国際こくさい映画えいが祭さいグランプリを受賞じゅしょう。第だい48回かいベルリン国際こくさい映画えいが祭さい正式せいしき出品しゅっぴん、第だい20回かいぴあフィルムフェスティバルPFFアワード'97準じゅんグランプリ。8ミリ＋16じゅうろくミリからのブローアップ。成人せいじん指定してい。

1998年ねん製作せいさく／106分ふん／R／日本にっぽん
配給はいきゅう：鬼おにプロ配給はいきゅう（提供ていきょう＊松まつ畜）
劇場げきじょう公開こうかい日び：1998年ねん8月がつ8日にち

ストーリー

学生がくせい運動うんどう全盛ぜんせいの頃ころ、ひとつの左翼さよく組織そしきが薄汚うすぎたない文化ぶんか住宅じゅうたくの一室いっしつをアジトとして集あつまっていた。主おもなメンバーは、相澤あいざわの恋人こいびとで彼かれの不ふ在中ざいちゅう組織そしきを仕切しきる雅美まさみ、年長ねんちょう者しゃの山根やまね、雅美まさみが性せいのはけ口ぐちとして利用りようしている岡崎おかざき、フォークギターの名手めいしゅ・熊谷くまがい、ルームメイトというだけで熊谷くまがいに誘さそわれ組織そしきに参加さんかした新入生しんにゅうせいの杉原すぎはら、そして相澤あいざわの刑務所けいむしょでの友人ゆうじん・藤原ふじわららだ。彼かれらはカリスマ的てき存在そんざいのリーダー・相澤あいざわの信奉しんぽう者しゃで、今いまは獄中ごくちゅうにいる相澤あいざわの出所しゅっしょを待まちながら、雅美まさみの下した、資金しきん稼かせぎや武器ぶき調達ちょうたつに奔走ほんそうしている。ところが、信念しんねんを持もたない雅美まさみのやり方かたに年長ねんちょう者しゃである自分じぶんが指揮しきをとるべきだと山根やまねが反発はんぱつ。勢いきおい余あまりって相澤あいざわをも批判ひはんしたことから、怒おこったメンバーは彼かれを組織そしきから追放ついほうしてしまう。それから数日すうじつ後ご、相澤あいざわが獄中ごくちゅうで割腹かっぷく自殺じさつを図はかった。この事態じたいに、相澤あいざわへの想おもいだけを頼たよりに繋つながっていた組織そしきは大おおきく揺ゆれ始はじめる。そして、彼かれらの不安ふあん感かんは相澤あいざわを批判ひはんし続つづける山根やまねに制裁せいさいを加くわえることへ向むけられるのだった。山根やまねを捕とらえ、山やまへ入はいっていくメンバーたち。山根やまねへの凄惨せいさんなリンチが繰くり広ひろげられる中なか、狂気きょうきの集団しゅうだんとなった彼かれらは次第しだいに殺戮さつりくの暴徒ぼうとと化かしていく。やがて、一貫いっかんして傍観ぼうかん者しゃの立場たちばをとっていた藤原ふじわらは、そんな状況じょうきょうに終止符しゅうしふを打うつべく彼かれらを日本にっぽん刀がたなで斬きると、自みずからの首くびにも刃はをあてがうのだった…。