ソクラテス

解説かいせつ

自称じしょうハーフの暴あばれん坊ぼう男おとこが活躍かつやくする、義理ぎりと人情にんじょうの浪花なにわヒューマン・コメディ。監督かんとくはこれがデビュー作さくとなる鶴巻つるまき日出雄ひでお。小川おがわ竜りゅう生せいの原作げんさく『極道ごくどうソクラテス』を、鶴巻つるまきの師匠ししょうでもある「美味おいしんぼ」の森崎もりさき東ひがしが脚色きゃくしょく。撮影さつえいを「美味おいしんぼ」の東原ひがしはら三郎さぶろうが担当たんとうしている。主演しゅえんは「ＤＡＮ－ＧＡＮ教師きょうし」の大だい仁田にった厚あつし。共演きょうえんに小嶋こじま亜由美あゆみ、山本やまもとゆめ、森もり香かおり名子なご、遠山とおやま景織子きょうこほか。

1996年ねん製作せいさく／95分ふん／日本にっぽん
配給はいきゅう：日活にっかつ
劇場げきじょう公開こうかい日び：1996年ねん12月21日にち

ストーリー

大阪おおさか・通天閣つうてんかく界隈かいわいに残のこる遊郭ゆうかくの一いち部屋へやに住すみついている大男おおおとこ・菊地きくち竹雄たけおは、父親ちちおやがギリシャ人じんの神父しんぷだったというだけでミドルネームを“ソクラテス”と名乗なのる、フリーのヤクザ者しゃだ。乱暴らんぼう者しゃだが人情にんじょうにもろく、泣なきつかれると大抵たいていのトラブルに首くびを突つっ込こんでは体からだを張はる性分しょうぶんのソクラテスは、五目並ごもくならべ仲間なかまで医者いしゃの玄げん先生せんせいや、その娘むすめで看護かんご婦ふでもある里さと夏なつの手伝てつだいなどをしながら生活せいかつしている。ある日ひ、白しろタクの運転うんてん手しゅ・ヤマちゃんが、ソクラテスのもとに、手形てがた詐欺さぎにあった印刷いんさつ屋やの社長しゃちょうを連つれてきた。手形てがたも不渡ふわたりも何なにのことだかわからないソクラテスは、始はじめは面倒臭めんどうくさそうなので断ことわっていたが、結局けっきょく泣なき落おとしにあって、手形てがたを取とり戻もどすために黒松くろまつ組ぐみに乗のり込こむことになる。手形てがたは黒松くろまつ組ぐみ系けいで表向おもてむきは金融きんゆう業ぎょうを営いとなんでいるが裏うらでシャブの売買ばいばいをしている立花りっかの手てに渡わたっており、ソクラテスは黒松くろまつ組ぐみ若わか頭あたま・前園まえぞのと一緒いっしょに手形てがたを取とり戻もどしに行いって、大だい暴あばれをして帰かえってきた。ソクラテスの男おとこっぷりに惚ほれこんだ黒松くろまつ組ぐみの組長くみちょうは、娘むすめの咲子さきこと結婚けっこんさせてソクラテスに跡目あとめを継ついでもらおうと考かんがえる。一方いっぽう、立花たちばなはひそかに黒松くろまつ組長くみちょうを亡なきものにして組くみを乗のっ取とろうと計画けいかくしていた。そんなころ、ソクラテスを“クソのおっちゃん”と呼よんで慕したっている居候いそうろう先さきの娘むすめ・チエとその友達ともだちの良子りょうこが、テレクラ遊あそびをきっかけに立花りっかたちに連つれ込こまれ、シャブ浸つけにされそうになった。立花りっかのあくどい手口てぐちに堪忍袋かんにんぶくろの緒いとぐちが切きれたソクラテスは、激闘げきとうの末すえに立花りっかたちを倒たおし、良子りょうことチエを無事ぶじに救出きゅうしゅつする。こうして通天閣つうてんかく界隈かいわいには、再ふたたび平和へいわな日々ひびが取とり戻もどされた。