ときめき

解説かいせつ

中学ちゅうがく時代じだいの仲良なかよし四よん人組にんぐみが卒業そつぎょう後ご、それぞれの道みちを苦くるしみながらも明あかりかるく楽たのしく歩あゆむ姿すがたを描えがいた青春せいしゅん映画えいが。脚本きゃくほんは「新しん・同棲どうせい時代じだい　－愛あいのくらし－」の石森いしもり史郎しろう、監督かんとくは「としごろ(1973)」の市村いちむら泰一やすいち、撮影さつえいも同どう作さくの小杉こすぎ正雄まさおがそれぞれ担当たんとう。

1973年ねん製作せいさく／88分ふん／日本にっぽん
配給はいきゅう：松竹しょうちく
劇場げきじょう公開こうかい日び：1973年ねん6月がつ30日にち

ストーリー

須永すなが久子ひさこ、江上えがみ早苗さなえ、南みなみ美川みかわ杏子きょうこの三さん人にんは、高校こうこう水泳すいえい界かいの名門めいもん、海星かいせい女子じょし高校こうこうの水泳すいえい部員ぶいんである。ある日ひ、突然とつぜん、杏子あんずが退すさ部ぶしたいといい出だした。早苗さなえはその理由りゆうを知しっていた。杏子あんずが、人形にんぎょう劇団げきだんで各地かくちを回まわっている氏家うじいえ浩司こうじに好意こういを持もっている、ということを。氏家うじいえは早苗さなえの兄あに・和夫かずおの友人ゆうじんで、早苗さなえも氏家うじいえを知しっていたが、ある日ひ、彼かれから以外いがいなことを聞きいた。和泉いずみは、杏子あんずには人形にんぎょう劇団げきだんに参加さんかしてもらってはいるが、本当ほんとうに好すきなのは早苗さなえだというのである。杏子あんずとの友情ゆうじょうを裏切うらぎっているようではあるが、早苗さなえの胸むねは怪あやしく躍おどった。ある日ひ、早苗さなえは氏家うじいえに誘さそわれて、旅たびさきの人形にんぎょう劇団げきだんへ、差さし入いれに行いった。そして、二人ふたりは、共ともに互たがいの愛あいを確認かくにんしあい結むすばれた。だが、杏子あんずが物もの蔭かげから見みていた。杏子あんずは早苗さなえが憎にくかった。そんなある日ひ、杏子あんずは、かつての仲間なかまで今いまは新人しんじん歌手かしゅとして注目ちゅうもくされ始はじめていた浅田あさだ美代子みよこに会あった。美代子みよこは仕事しごとに疲つかれ果はてて、止とめたい、と言いう。杏子あんずはそんな美代子みよこを怒おこった。中学ちゅうがく時代じだい、プールで身体しんたいも心しんも鍛きたえた四よん人組にんぐみではないか、と。美代子みよこは久子ひさこの言葉ことばに奮ふるい立たち、新あたらしい興行こうぎょう地ちへと向むかった。一方いっぽう、久子ひさこは、自分じぶんの敬愛けいあいする歯科しか医いの母ははが、母ははの人ひとで働はたらく技工ぎこう師し杉井すぎいと愛あいし合あっているのを目撃もくげきした。久子ひさこは母ははを罵倒ばとうし、家いえを飛とび出だした。放心ほうしん状態じょうたいの彼女かのじょの足あしはいつしか学校がっこうのプールへと向むかっていた。そこに彼女かのじょを捜さがしていた杏子あんずと早苗さなえも来きた。無言むごんのままに三さん人にんはプールへと飛とびこんだ。三さん人にんは互たがいに友情ゆうじょうを確認かくにんしあった……。高校こうこう水泳すいえい選手権せんしゅけんの日ひ、優勝ゆうしょうをねらう早苗さなえと久子ひさこの耳みみにファンファーレが鳴なり渡わたった。