ストーリー
自分の頭の中に氾濫する声に悩まされ、不眠や過食、食べ吐きを繰り返すアルコール依存症の31歳のルポライター・早川玲。ある雪の夜、コンビニでひとりの若い男に目を留めた彼女は、「彼を食べたい」と言う直感に従い行きずりの関係を結ぶ。男は岡部希寿と言うフリーの長距離トラック運転手。翌朝、そのまま岡部のトラックに揺られ次の仕事先である新潟へと同行した玲は、彼と言葉や肌を重ねながら徐々に心癒されていくのであった。気づくと、頭の中の声も聞こえなくなっていた。だが、旅は終わりに近づこうとしていた。翌日の夜、出会ったコンビニで岡部と別れた玲は、「彼を食べて、彼に食べられた。ただ、それだけのことだった」と思いながらも、自分が”いいもの“になった気がしていた。
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