ストーリー
父(J・マイロン)に連れられて砂漠へ遊びにきていた十四歳の少女(J・アガター)と六歳の息子(L・ジョン)は、父が自殺したために、そこにとり残され、途方に暮れた娘は弟を連れて砂漠をさまよった。帰るすべを知らない二人は翌日も放浪の旅を続けるが、そのうちに食物も水もなくなってしまった。そんな時、大人の仲間入りするための旅を続けている原住民の少年(D・ガルピリル)と知りあい、水のある所へ案内してもらった。やがて姉弟と原住民の少年は、互いにうちとけるようになり、仲よくなった。彼らは一緒に狩りをし、泳ぎ、色色な遊びをした。また数々の冒険も経験し、次第に小さな一つの家族をつくっていった。その後、三人は砂漠を越え、小さな空家にたどりついた。三人はその家に住むようになり、男は食物を探すために表にでて、女の子は家を守った。ある日少女が、上着を洗濯していると、突然少年が現われ、彼は踊りだした。その踊りは次第に激しく熱をおび、彼が少女に愛を呼びかけているのは確かだった。少年の踊りは夜中まで続き姉弟は眠りについた。翌朝、姉は原住民の少年の遺体を発見した……。姉弟は無事町にたどりついた。この町には一人の老人がおり、彼の案内でホテルにとまり、救助された。数年後、成長した少女は平凡な主婦として生活していた。しかし彼女の眼はうつろだった。彼女の脳裏には、原住民の少年と十四歳の少女とその弟が、汚染されない未開地の世界で、自由に、何ものにも拘束されずに裸で泳いでいた日の姿がやきついて離れなかった。
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