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氷の微笑 : 映画評論・批評 - 映画.com

劇場げきじょう公開こうかい 2023ねん6がつ16にち

  • 予告編よこくへん

こおり微笑びしょう : 映画えいが評論ひょうろん批評ひひょう

2023ねん6がつ20日はつか更新こうしん

2023ねん6がつ16にちより新宿しんじゅくピカデリー、まるうちピカデリーほかにてロードショー

30ねんまえ衝撃しょうげきふたたび。だいブームをこしたエロティック・サスペンスの金字塔きんじとう

カンヌ映画えいがさい開幕かいまくかざり、全米ぜんべいボックスオフィスで1おくドルを突破とっぱぜん世界せかいで3おく5せんまんドル以上いじょうげた衝撃しょうげきさくが、30ねんときて4Kレストアばんとなって公開こうかいされる。

ロック歌手かしゅのジョニー・ボズが自宅じたく寝室しんしつ惨殺ざんさつされた。サンフランシスコ市警しけい刑事けいじニックの捜査そうさせんじょうかんだのは、ボズの愛人あいじんわか推理すいり作家さっかのキャサリン。捜査そうさすすめるニックだったが、いつしか彼女かのじょ魅力みりょく翻弄ほんろうされていく。そしてあらたな殺人さつじん事件じけんこる。

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ジョー・エスターハス脚本きゃくほんは、映画えいが史上しじょう最高さいこうがく当時とうじ)の300まんドルで落札らくさつされ、製作せいさくまえからおおきな話題わだいんだ。マリオ・カサールひきいるカロルコしゃはサスペンス映画えいがとしてはちょう高額こうがくの5000まんドルを製作せいさくとして計上けいじょう監督かんとくは「ロボコップ」のポール・バーホーベン撮影さつえいヤン・デ・ボン音楽おんがくジェリー・ゴールドスミスと、ちょう一流いちりゅうのスタッフがあつめられた。

13キロ減量げんりょうしてのぞんだマイケル・ダグラス出演しゅつえんりょうは1400まんドル、たいするシャロン・ストーンのギャラは50まんドルだった。彼女かのじょは、ジュリア・ロバーツミシェル・ファイファーレナ・オリンなどの有力ゆうりょく候補こうほしのけてのだい抜擢ばってき原作げんさくにはいあのあしみシーン(通称つうしょう「レッグ・クロス・ショット」)で着用ちゃくようしたしろいドレスは、ストーン自身じしんがショップにおもむき、キャサリンをイメージしてえらんだ衣装いしょうだった。

じつはこの作品さくひん日本にっぽん特有とくゆうのエンタメ事情じじょうからんでいた。映画えいが公開こうかい前年ぜんねんは、樋口ひぐち可南子かなこ本木もとぎ雅弘まさひろ宮沢みやざわりえ写真しゃしんしゅう出版しゅっぱん一気いっきにヘアヌード・ブームが到来とうらい映画えいがかいもその影響えいきょうけ、ジャック・リベット監督かんとくうつくしきいさかおんな」と、ほんさくこおり微笑びしょう」(R18)がつづけに修正しゅうせい上映じょうえい正確せいかくには映倫えいりん規定きていだい6こう2「性器せいきはじ描写びょうしゃしない」の審査しんさ基準きじゅん見直みなおし)となり、ヘア解禁かいきん元年がんねんとしてメディアの話題わだいをさらった。一足ひとあしさき上映じょうえいされたふつ映画えいが愛人あいじん ラマン」のヒットで、セクシャルな作品さくひんでも宣伝せんでん次第しだいではひろ老若男女ろうにゃくなんにょ動員どういんできる、という実績じっせきかぜになった。

92ねん作品さくひんだがふるさはかんじない。とくにキャサリンの人物じんぶつ設定せってい時代じだい先駆さきがけだった。作家さっかとして成功せいこうし、経済けいざいてきにも自立じりつ男性だんせい刑事けいじたちにかこまれてもおくせず、ぎゃく支配しはいするカリスマてきバイセクシャル女性じょせい。そして豪華ごうか衣装いしょう海辺うみべのロケ、殺害さつがい手口てぐちなどがヒッチコックやデ・パルマ作品さくひん想起そうきさせ、映画えいがファンからの満足まんぞくたかかった。また「真犯人しんはんにんむねかたちかる」というぞくうわさひろがり、確認かくにんのため劇場げきじょうかようリピーターまであらわれた。

どう92ねん映画えいがかん年間ねんかん入場にゅうじょうしゃすう当時とうじ戦後せんご最低さいてい記録きろく、バブル崩壊ほうかいともかさなり映画えいがきょうさけばれるなか、「こおり微笑びしょう」はやく40おくえん興行こうぎょう収入しゅうにゅう年間ねんかんだい4好成績こうせいせきのこし、映画えいが業界ぎょうかいおおきく貢献こうけんした作品さくひんとなった。

本田ほんだたかし

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