ナインハーフ

解説かいせつ

ニューヨークを舞台ぶたいに一いち組くみの男女だんじょの9週間しゅうかん半はんの愛あいを描えがく。製作せいさくはアンソニー・ルーファス・アイザックス、ザルマン・キング、エグゼクティヴ・プロデューサーは、キース・バリッシュ、フランク・コニグスバーグ、監督かんとくは「フラッシュダンス」のエイドリアン・ライン。エリザベス・マクニールの原作げんさく（「飼かわれた猫ねこのように」早川書房はやかわしょぼう刊かん）を基もとにパトリシア・ノップとキングが脚色きゃくしょく。撮影さつえいはピーター・ピジウ、音楽おんがくはジャック・ニッチェ、プロダクション・デザインはケン・デイヴィスが担当たんとう。出演しゅつえんはミッキー・ローク、キム・ベイシンガーなど。

1985年ねん製作せいさく／117分ふん／アメリカ
原題げんだいまたは英えい題だい：9 1/2 weeks
配給はいきゅう：日本にっぽんヘラルド
劇場げきじょう公開こうかい日び：1986年ねん4月がつ26日にち

ストーリー

ニューヨークのギャラリーに勤つとめるエリザベス（キム・ベイシンガー）は離婚りこん経験けいけんのあるキャリア・ウーマンで、画廊がろうに勤つとめている。ある日ひ、女おんなともだちのモリー（マーガレット・ウィットン）とチャイナタウンに行いった際さい、身みなりもよくハンサムな男おとこ（ミッキー・ローク）に声こえをかけられ、不思議ふしぎな予感よかんに胸むねをときめかせた。そして翌日よくじつ、ノミの市しで高級こうきゅうスカーフを欲ほしそうにしている彼女かのじょに、チャイナタウンで見みかけた男おとこが、プレゼントした。何なんの違和感いわかんももたずに彼かれとうちとけ合あい、レストランで食事しょくじをした。その男おとこはジョンと名なのり、その日ひに友人ゆうじんの家いえだといって川かわべりの静しずかな家いえに案内あんないした。家いえに入はいるや否いなや、ベッドの用意よういを始はじめるジョンに不安ふあんを感かんじたエリザベスは、その場ばを去さった。ある日ひ、ジョンからの花束はなたばが届とどいた。忘わすれられずにいたエリザベスはジョンと再会さいかいし、2人ふたりの関係かんけいが始しまつた。ジョンはエリザベスに目めかくしし、彼女かのじょの身体しんたいに氷こおりを使つかって愛撫あいぶする。エリザベスは、ジョンの言いいなりになった。ジョンは高価こうかな時計とけいなどをエリザベスにプレゼントをするが、自分じぶんが何者なにものであるかは、一いち切口きりくちを開ひらかなかった。一方いっぽう、キャリア・ウーマンとして仕事しごとの手てをぬかないエリザベスは、郊外こうがいに引ひっ込こんでなかなか個展こてんの誘さそいにＯＫを出ださないファインズワース（ドワイト・ウェイスト）を個展こてんにひっぱり出だした。ジョンとの関係かんけいを続つづけるうちに彼かれの昼間ひるまの姿すがたも見みたくなったエリザベスは、彼かれを追跡ついせきし、ウォうぉール街るがいにあるジョンのオフィスを訪おとずれる。そこにはホワイトシャツを身みにつけたジョンの有能ゆうのうなブローカーの姿すがたがあった。ファインズワースの個展こてんが迫せまり、エリザベスは遅々ちちとして進すすまぬ準備じゅんびに業ごうをにやして、直接ちょくせつ彼かれに会あいに行いった。ニューヨークの喧やかまし咲さきを離はなれて暮くらすファインズワースの虚飾きょしょくを取とり払はらった生活せいかつに触ふれ、エリザベスは不思議ふしぎな感動かんどうを覚おぼえるのだった。そんな一方いっぽう、モリーが別わかれた夫おっととつき合あっていた。複雑ふくざつな思おもいで不安ふあんに揺ゆれるエリザベス。ジョンのサディスティックな要求ようきゅうはエスカレートしていった。犬いぬのように床ゆかをはいつくばらせたり、娼婦しょうふを部屋へやに呼よんだりする。やがて、ファインズワースの個展こてんのオープニングの日ひがやってきた。1人ひとり孤立こりつして当惑とうわくしきっているような老ろう画家がかの姿すがたを目めにした時とき、エリザベスはいたたまれなくなってその場ばを去さった。ついた先さきはジョンの部屋へやだった。明あけ方がた、まだ眠ねむっているジョンを見みやりながら、荷物にもつを整理せいりするエリザベス。そんな彼女かのじょにジョンは初はじめて語かたり出だした。「ぼくは5人にん兄弟きょうだいの一番いちばん下かで…」。ジョンの声こえを背せに、エリザベスは部屋へやを出でていくのだった。