バンド・ワゴン

あれもこれも夢ゆめかもしれないが、夢ゆめを見みようと思おもわせてくれる作品さくひん。夢ゆめみたいでも本当ほんとうの自分じぶんを生いきよう、という話はなし。

この作品さくひんは「雨あめに唄うたえば」と並ならんでMGMミュージカルの双璧そうへき‼️フレッド・アステアの数すう多おおくの作品さくひんの中なかでも「トップ・ハット」や「有頂天うちょうてん時代じだい」と並ならんで最もっとも好すきだし、監督かんとくのビンセント・ミネリにとっても「巴里ぱりのアメリカ人じん」よりも「バンド・ワゴン」だな‼️やっぱり‼️ヒロイン役やくのシド・チャリシーは私わたしにとってミュージカル映画えいが界かい最大さいだいのミューズ‼️なんてったって「雨あめに唄うたえば」と「バンド・ワゴン」両方りょうほうに出演しゅつえんしている女優じょゆうさんだし、歌唱かしょう力りょくも素晴すばらしく、ダンサーとしての実力じつりょくも完璧かんぺき‼️この「バンド・ワゴン」出演しゅつえん時じで31歳さい、2人ふたりの子供こどものお母かあさんだったなんて、ホント恐おそれ入いります‼️物語ものがたりはアステア扮ふんする落おち目めのスターが、起死回生きしかいせいをかけて、変かわり者ものの舞台ぶたい作家さっかと組くんでミュージカルを上演じょうえんするというバックステージもの‼️変かわり者ものの芸術げいじゅつ家か、しかもちょっとダークサイド入はいってるジャック・ブキャナンがホントハマり役やくで、フレッド・アステアとの相性あいしょうも抜群ばつぐん‼️そしてやっぱり数々かずかずのダンスナンバーがホント素晴すばらしいんです‼️アステアが駅えきのホームで歌うたう「バイ・マイセルフ」‼️アステアと靴くつ磨みがきのペアでのダンス「シャイン・オン・ユア・シューズ」‼️最初さいしょの舞台ぶたいが失敗しっぱいした夜よるのパーティーで歌うたう「アイ・ラブ・ルイーズ」‼️シド・チャリシーの美うつくしさ際立きわだつ「ニュー・サン・イン・ザ・スカイ」‼️アステアとブキャナンが三みつ子ごに扮ふんするコミカルな「トリプルズ」‼️そして犯罪はんざい小説しょうせつをイメージした大掛おおがかりな「ガール・ハント・バレエ」などなど‼️しかし私わたしが最もっとも好すきなのは、夜よるの公園こうえんを舞台ぶたいにしたアステアとチャリシーの「ダンサー・イン・ザ・ダーク」‼️ビョークの映画えいがじゃありませんよ‼️2人ふたりが繰くり広ひろげる甘美かんびなデュエットは、間違まちがいなくミュージカル史上しじょう最高さいこうのダンスシーンだと思おもいます‼️完璧かんぺき‼️そしてラストを飾かざる「ザッツ・エンターテイメント」‼️その高揚こうよう感かん‼️祝祭しゅくさい感かん‼️後のちにかの豪華ごうかなミュージカル・アンソロジーのタイトルともなった事ことも当然とうぜんの名曲めいきょく‼️ホント夢ゆめのような2時じ間あいだ‼️あ〜また観みたくなったなぁ‼️

スタア誕生たんじょうでジュディ・ガーランドが銀幕ぎんまくから消きえた。
この映画えいがでフレッド・アステアがやはり銀幕ぎんまくから消きえる。
そう言いえば、ビング・クロスビー、フランク・シナトラ、チャールズ・チャップリン、ジーン・ケリーって60年代ねんだいに入はいると威勢いせいがなくなる。アカデミー賞しょうの主演しゅえんなんとかを受賞じゅしょうした俳優はいゆうも60年代ねんだいになってからはいない。ビング・クロスビーが取とったのは昔むかし。チャールズ・チャップリンがライムライトで作品さくひん賞しょうをとるが、特別とくべつ賞しょうみたいなもの。

さて、この映画えいがは初頭しょとうにワグナーやメトロポリタンのオペラをディスる場面ばめんがある。メトロポリタンとブロードウェイが混在こんざいする街まちニューヨークの魅力みりょくを語かたっている。フレッド・アステアが『古典こてん？！』と嘆なげくシーンがある。がしかし、フレッド・アステアは基本きほんのしっかりしたダンサーでもあるので、当然とうぜん『台詞せりふ』と判断はんだんできる。さてさて、最後さいごのエンターテイメントはまさにジョージ・ガーシュインのラプソディ・イン・ブルーを彷彿ほうふつさせる。JAZZ風ふうと言いっているが、まさにモダンバレー。キャストもフルに使つかって、長ちょう回まわしのダンスはキチンと決きまる。
がしかし、この後のちのアメリカ映画えいがは衰退すいたいの一途いっとを辿たどる。多分たぶん、テレビが影響えいきょうすると思おもう。例たとえば、スティーブ・マックイーンもクリント・イーストウッドもテレビ出身しゅっしんであることは忘わすれてはならない。そして、フレッド・アステアのタワーリング・インフェルノでの扱あつかわれ方かたを見みて、映画えいがの内容ないようも含ふくめて、ハリウッドの衰退すいたいを多おおいに感かんじた。そして、60年代ねんだいに入はいってから、アメリカンニューシネマと称しょうして、新あたらしい幕開まくあけの様ように語かたられるが、実じつにマユツバな例たとえである。さて、それはなぜだろう。
そして、現在げんざい。とうとう、ボディラインまで、コンピュータで加工かこうする時代じだいになった。俳優はいゆうはいらない。日本にっぽんアニメの全盛ぜんせいと思おもいきや、金かねをかければ、そりゃハリウッドのほうが面白おもしろい映画えいがが作つくれるし、歌うたやダンスだけだったらインド映画えいがのほうが、はるか上空じょうくうを行いく。

観み終おわって、あらすじ、なんだっけ？

でも歌うたって踊おどってそれだけで、
わくわくさせてくれるんだから
見事みごとなエンターティナー♪
これは踊おどってるのがだれでもいいってもんじゃあないのです！

劇げき中ちゅう劇げきという方式ほうしきだから
歌うたも踊おどりも衣装いしょうももりだくさん。
一粒ひとつぶで二に度どおいしいお菓子かしのようなお得とく感かん。