マリリンとアインシュタイン

原題げんだいが《insignificance》だから「取とるに足たらないようなことだけど、その実み、重要じゅうようだろ、違ちがうかな」みたいな話はなしなのかな。

マリリン・モンローは頭あたまが弱よわいみたいな描えがかれ方かたが多おおいけど、特殊とくしゅ相対性理論そうたいせいりろんを説明せつめいさせて、知的ちてきな感かんじで描えがかれてて良よかったな。

アインシュタイン、マリリン・モンロー、ジョー・ディマジオと才能さいのうが世よの中なかに認みとめられてて、だからこそ辛つらい部分ぶぶんもあるんだみたいな話はなしに見みえたな。
部屋へやにかかってる母親ははおやと赤あかん坊ぼうの絵えはピカソの絵えなんだよね。そこも含ふくめて天才てんさいの話はなしなのかと思おもったよ。

最後さいごはE=MC^2を利用りようして作つくられた原爆げんばくが広島ひろしまに落おとされてしまったことに苦くるしむアインシュタインの描写びょうしゃだったね。

エンドロール観みてたら、モンローのコラージュ社員しゃいんはデイヴィッド・ホックニーによるもので、なんか色いろんな所ところにやたらと凝こってる作品さくひんなのかな。

①元もとは舞台劇ぶたいげきの様ようだが、各かくシーンの合間あいま合間あいまに挿入そうにゅうされる画像がぞう・映像えいぞうが最後さいごのクライマックスシーンで全すべて繋つながる構造こうぞう等とう、見事みごとに“映画えいが”として昇華しょうかされている。そこに感心かんしんした。
②テレサ・ラッセルは顔かおも持もち味あじもマリリン・モンローには似にていないが、話はなし方かた等とうをよく研究けんきゅうしたのか後半こうはんになる程ほどマリリンに似にてくるから不思議ふしぎ。
③

本ほん作さくはフィクションであり名前なまえで呼よばれる事こともなければ役名やくめいも肩書かたがきで、見みていれば誰だれがモデルかも一目瞭然いちもくりょうぜん、ソレを演えんじる役者やくしゃと想像そうぞうでのシチュエーション。

登場とうじょう人物じんぶつ四よん人にんそれぞれのトラウマが描えがかれるイメージ映像えいぞうと歪いがむ時間じかん軸じく、圧巻あっかんなラストのドッカーンな描写びょうしゃとナンセンスな放題ほうだい。

夫婦ふうふのいざこざに巻まき込こまれる爺じいさんとイ○ポで意地悪いじわるなオッサン、女優じょゆうの奥おくさんには若干じゃっかんイライラしながら、ニコラス・ローグで納得なっとくな世界せかい観かん。

有名ゆうめいであるからこそ持もつ悩なやみを分わかち合あいたい。

マリリンは忙いそがしいスケジュールの合間あいまをぬってアインシュタインが滞在たいざいするホテルに押おしかけます。
一方いっぽうアインシュタインは政府せいふ高官こうかんに学会がっかいにてアメリカに優位ゆういな証言しょうげんをするように迫せまられていて・・・・・・

『当時とうじの有名人ゆうめいじんが遭遇そうぐうしたらどうなるだろう』という構想こうそうで勢いきおいよく作つくった感かんじ。
モチーフ映画えいが？なんていうんでしょう、起承転結きしょうてんけつが薄うすい気きがします。

急きゅうに挿入そうにゅうされる日本にっぽんの映像えいぞうはアインシュタインの罪悪ざいあく感かんの表あらわれ、ということに気きがつくのがおくれまして
『急きゅうに入はいってくるこの映像えいぞうは何なに？』と戸惑とまどいました。
上演じょうえん当時とうじならすんなりわかった演出えんしゅつも時間じかんが経たつと解わかりにくくなる、ジェネレーションギャップですね。

劇げき中ちゅうに一いち度ども実名じつめいを出ださなかったのは評価ひょうかできるポイント。

人間にんげんドラマとしては、楽たのしめない。
登場とうじょう人物じんぶつのモチーフを知しっていて、その人ひとに有あり得えたシチュエーションを楽たのしむという少すこしひねった楽たのしみ方かたが必要ひつようになると思おもいます。