崖がけの上うえのポニョ

個人こじん的てきに宮崎駿みやざきはやお監督かんとく作品さくひんのなかでもっとも好すきな作品さくひんです。シンプルな線せんのキャラクターを手描てがきの作画さくがにこだわって描えがくことで心こころ動うごかされるシーンがたくさんあって、宗そう介かいとリサが乗のる車くるまに向むかってポニョが海うみの向むこうから駆かけてくるシーンなど、見みるたびなぜかウルッとしてしまいます。
「もののけ姫ひめ」以降いこう、顕著けんちょになった一般いっぱん的てきなストーリーテリングにしばられない無軌道むきどうにすら見みえる物語ものがたり展開てんかいも極きわまっていて、ポニョと宗そう介かいのシンプルなボーイ・ミーツ・ガールの裏うらにはドロドロとしたダークファンタジーの要素ようそも色濃いろこくあるように感かんじます。

宮崎駿みやざきはやお監督かんとくが「ハウルの動うごく城しろ」以来いらい4年ねんぶりに手掛てがけた新作しんさく。

海辺うみべの町まちで暮くらす宗むね介かいは、クラゲに乗のって家出いえでした魚さかなの子こども・ポニョに出会であう。すぐに仲良なかよくなる彼かれらだったが、ポニョはかつて人間にんげんだった父ちち・フジモトによって海うみに連つれ戻もどされてしまう。ポニョは父ちちの魔法まほうを盗ぬすみ、再ふたたび宗むね介かいのもとを目指めざす……。

アンデルセン童話どうわ「人魚にんぎょ姫ひめ」をモチーフに、人間にんげんになりたい魚さかなと少年しょうねんの交流こうりゅうを描えがいたファンタジーだが、「ポーニョポニョポニョ～」の主題歌しゅだいかが強烈きょうれつなインパクトを残のこし、劇場げきじょうを出でていた観客かんきゃくが一様いちように口くちずさむさまは圧巻あっかんですらあった（笑）