いつか見みた青あおい空そら

解説かいせつ

エリザベス・カタの原作げんさくを「ダイヤモンド・ヘッド」のガイ・グリーンが脚色きゃくしょく・監督かんとくした人間にんげんドラマ。撮影さつえいは「泥棒どろぼうを消けせ」のロバート・バークス、音楽おんがくは「南太平洋みなみたいへいよう爆破ばくは作戦さくせん　モリツリ」のジェリー・ゴールドスミスが担当たんとうした。出演しゅつえんは「偉大いだいな生涯しょうがいの物語ものがたり」のシドニー・チエチエ、舞台ぶたいからデビューするエリザベス・ハートマン、「ロリータ」のシェリー・ウィンタース、ほかにウォーレス・フォード、アイヴァン・ディクソン、エリザベス・フレイザーなど。製作せいさくは「逆転ぎゃくてん」のパンドロ・Ｓ・バーマン。

1965年ねん製作せいさく／アメリカ
原題げんだい：A Patch of Blue
配給はいきゅう：MGM
劇場げきじょう公開こうかい日び：1966年ねん6月がつ17日にち

ストーリー

セリナ（エリザベス・ハートマン）は5歳さいのとき盲めくらになった。母親ははおやの浮気うわきが父ちちに知しれたときの大だい喧嘩けんかのとばっちりで。そのときから1歩ほも外そとに出でなかったが、18歳さいになって初はじめて彼女かのじょの手内職てないしょくの織元おりもとに頼たのんで近ちかくの公園こうえんに連つれて行いってもらった。木陰こかげの芝生しばふで内職ないしょくのビーズ刺ざしを始はじめたとき、落おちてきた毛虫けむしに驚おどろいてビーズを散乱さんらんさせた。途方とほうにくれて泣なき伏ふす彼女かのじょに若々わかわかしい男おとこの声こえが近ちかづき、拾ひろい集あつめてくれ、仕事しごとまで手伝てつだってくれた。こうして彼女かのじょは青年せいねんの親切しんせつが嬉うれしく、尋たずねられるまま何なにかも話はなした。彼女かのじょと黒人こくじんゴードン（シドニー・ポワチエ）の友情ゆうじょうは、毎日まいにち公園こうえんで会あうことで深ふかくなった。彼かれの話はなすことがすべてがめずらしく驚異きょういだ。が、ある日ひ、彼かれの祖母そぼの名なを聞きいた彼女かのじょは、その名なが彼女かのじょの友人ゆうじんの黒人こくじんと同おなじで彼女かのじょは母親ははおやから出入でいり差止さしどめをい渡いわたされたことを話はなした。彼かれにはショックだった。彼かれはセリナを盲学校もうがっこうにあげようと決心けっしんした。彼女かのじょはゴードンの手引てびきでだんだん日常にちじょう生活せいかつへ目めを開ひらくようになった。また、彼かれへの恋心こいごころも日増ひましにつのって、1年ねん前まえに体からだをよごされたことまで話はなしたのが悔くやまれてくるのだった。そんなある日ひ、2人ふたりで歩あるいているのを母親ははおやにみつかり、ひどく叱しかられたが、彼女かのじょはいつになく反抗はんこうした。最近さいきん、母親ははおやは友人ゆうじんと一緒いっしょに赤あか線せん業ぎょうを開ひらこうと計画けいかくしていたが、セリナも連つれて新あたらしい家いえに移うつることになった。その日ひ彼女かのじょは1人ひとりでゴードンに会あいに行いった。あなたが黒人こくじんであることも知しっている、愛あいしているなら結婚けっこんしてくれ、と訴うったえた。だがゴードンはそれをたしなめた。ようやく世よの中なかに出でたばかりだ。これから学校がっこうに行いって、もっと世間せけんを知しることだ。そして1年間ねんかん、考かんがえてみよう、と。セリナは悲かなしく「さようなら」を言いった。

受賞じゅしょう歴れき