ストーリー
ロス・アンジェルスの街頭で「デイヴィッド」と呼びつつ昏倒した中年の女がいた。病院に運びこまれた彼女はウィラード博士によって衝撃による精神錯乱症と診断されたが、名前も年齢も住所も一切わからなかった。博士は麻酔療法によってその女の過去を知る。彼女はルイズという名前の派出看護婦でグラハム家に勤めているとき近くに住む建築技師デイヴィッドと愛を語るようになったが、男は若さの失われたルイズに次第に興味を感じなくなっていた。ルイズはデイヴィッドを思いきれぬまま、妻を失った孤独のグラハムの求婚を受け入れたが、グラハム家の娘キャロルはルイズを野心の塊のような女だと憎悪し、ルイズは誠意をもって彼女の誤解をとくまでなみ大抵のことではなかった。しかし、その和解もつかの間、デイヴィッドがキャロルに求婚したため、ルイズははげしい嫉妬から、キャロルを殺害しようとする妄想にまで駈られ、ついに昂奮の余りデイヴィッドを射殺して街頭をさまよい歩いていたのだった。駈け着けたグラハムはウィラード博士から、彼女の秘密を聞くと、いたわるように病床につき添っていた。
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