夜よるの遊あそび

解説かいせつ

日本にっぽん初はつ登場とうじょうのブラジルの中堅ちゅうけん作家さっかで、これが六ろく本ほん目めのウォルター・ヒューゴ・コーリが脚本きゃくほん・監督かんとくを担当たんとうした風俗ふうぞく映画えいが。撮影さつえいはルドルフ・イエセイ、音楽おんがくはロゲリオ・デュプラが作曲さっきょく、ブラジルの人気にんきバンド、ジンボ・トリオが演奏えんそうしている。出演しゅつえんは「サンタ・バルバラの誓ちかい」のノルマ・ベンゲル、舞台ぶたい出身しゅっしんのオデッテ・ララ、マリオ・ベンベヌッティ、「ソドムとゴモラ」のガブリエレ・ティンティほか。

1965年ねん製作せいさく／ブラジル・イタリア合作がっさく
原題げんだい：Noite Vazia
配給はいきゅう：東京とうきょう第だい一いちフィルム
劇場げきじょう公開こうかい日び：1965年ねん11月16日にち

ストーリー

サン・パウロの夜よるは、昼間ひるまの喧騒けんそうが怠惰たいだと空虚くうきょの中なかに身みをしずめる。実業じつぎょう家かルイ（Ｍ・ベンベヌッティ）とサラリーマンのネルソン（Ｇ・ティンティ）は気脈きみゃくを通つうじるところがあり、夜よごと二に人にんは女おんなたちと遊あそびにふけっているのだった。新あたらしい女性じょせいを見みつけたからといって、二人ふたりの心しんにあいた空洞くうどうが満みたされるわけでもない。けれど彼かれらにとっては、刺激しげきを求もとめなければ救すくいのない精神せいしん状態じょうたいにますます深入ふかいりするばかりなのだ。ある夜よる二に人にんは、高級こうきゅうコールガールのマラとクリスチーナに出会であった。男女だんじょ四よん人にんの奇妙きみょうな時間じかんはこうして始はじまった。この四よん人にんの考かんがえ方かた求もとめ方かたの違ちがいが一いち晩ばん中ちゅうぶつかりあい、相手あいてを変かえ、同性愛どうせいあいさえ演えんじたが、しかもなお、焦燥しょうそうと虚無きょむと、心しんの通つうじあわない違和感いわかんとがあたかも各人かくじんを快楽かいらくの悲劇ひげきにひきずりこんでいくような時間じかんだった。朝あさがやってきた。ルイは、マラとネルソンが眠ねむっているのを見みたとき、二人ふたりが真実しんじつ愛あいしあっているかのようにさえ見みえた。ルイはテーブルの上うえから古ふるい週刊しゅうかん誌しをとりあげた。“人類じんるいの宇宙うちゅう征服せいふく近ちかし、ケネディ米べい大統領だいとうりょうの死し……”しかし、ルイにとって、これらは自分じぶんと関係かんけいのないただの事件じけんとしかうつらないらしい。ただ、心しんがいらだった。やがて帰途きとについた男おとこ二に人にんは、また今夜こんやの遊あそびの相談そうだんを始はじめるのだった。

受賞じゅしょう歴れき