メトロポリス（1926）

舞台ぶたいは2000年ねん。人工じんこう的てきな楽園らくえんで優雅ゆうがに暮くらす富裕ふゆう階級かいきゅうである独占どくせん資本しほん家かたち。一方いっぽう、地下ちかの巨大きょだい工場こうじょうでは労働ろうどう者しゃたちが奴隷どれいのように働はたらかされている。女性じょせいの労働ろうどう者しゃがリーダーとなって反乱はんらんを起おこし、工場こうじょう側がわは女性じょせいのアンドロイドを作つくり、事態じたいを収拾しゅうしゅうしようとする・・・‼️大だい都会とかいは超ちょう高層こうそうビルが立たち並ならび、上空じょうくうには飛行機ひこうきが飛とび交かい、入いり組くんだハイウェイを自動車じどうしゃが隙間すきまなく往来おうらいする、印象いんしょう的てきなアンドロイドのデザイン、なんとテレビ電話でんわまで‼️1926年ねん、今いまから98年ねんも昔むかしにまるで悪夢あくむのような未来みらいの都市とし空間くうかんを創造そうぞうしたフリッツ・ラング監督かんとくはホントにスゴい‼️初はつ見みの際さいはホントにビックリしました‼️しかもテーマは資本しほん主義しゅぎと共産きょうさん主義しゅぎの対立たいりつ、文明ぶんめい社会しゃかいへの警笛けいてき‼️深ふかいです‼️現在げんざいでは当あたり前まえとなっている未来みらい社会しゃかいを描えがいたSF映画えいがとしては先駆さきがけ的てき傑作けっさくで、現代げんだいの数かずあるSF映画えいがと比くらべても決けっして引ひけをとっていない‼️

Wikiによると、手塚てづか先生せんせいはこの映画えいがを観みていらっしゃらないようなのだが。

映画えいが.comの作品さくひん解説かいせつでは上映じょうえい時間じかんは108分ふんとあるが、私わたしが鑑賞かんしょうしたDVDは2時じ間あいだ30分ふん30秒びょうの完全かんぜん復元ふくげん版ばん。
　いろいろな理由りゆうで、監督かんとくの監修かんしゅうなしにかってに編集へんしゅうされ、ドイツ国外こくがいに配給はいきゅうされ、ドイツ国内こくないにも短縮たんしゅく版ばんが再さい配給はいきゅうされたのだとか。著作ちょさく権けんないんだ。
　それが映画えいが研究けんきゅう者しゃたちの努力どりょくにより、失うしなわれた映像えいぞうを集あつめ、今いまの技術ぎじゅつで可能かのうな限かぎり修復しゅうふくして作つくった版はんであり、映像えいぞう等とうが見みつからなかったが、雑誌ざっし等とうでこんなシーンだったのだろうと補足ほそくした箇所かしょは斜体しゃたいで記しるしている等ひとしの説明せつめいがあり、本編ほんぺんに入はいる。
　途中とちゅう、「前奏ぜんそうの終おわり、間奏かんそう」のテロップが入はいり、「間奏かんそうの終おわり」のテロップが流ながれて、怒涛どとうの展開てんかい。

筋すじ自体じたいは、今いまとなっては使つかい古ふるされたモチーフ。って、こちらが元祖がんそなのだが。

だが、映像えいぞうと音楽おんがくで魅みせる。（サイレント映画えいが）
　テロップ。地下ちかを説明せつめいするときには、テロップが下したにスクロール。バベルばべるの塔とうを模もした地上ちじょうの楽園らくえんを説明せつめいするときには、テロップが昇のぼっていく。『SW』の冒頭ぼうとうテロップを思おもい出だしてしまうが、これからの世界せかい観かんを一瞬いっしゅんで理解りかいさせてくれる。
　労働ろうどう者しゃのシフトチェンジ。もそもそと動うごく労働ろうどう者しゃたち。エキストラ？皆みな訓練くんれんされた人ひとのように同おなじ動うごき。この労働ろうどう者しゃ自体じたいが部品ぶひんに思おもえてくる。”機械きかいに使つかわれる労働ろうどう者しゃ”と言いう点てんでは『モダンタイムス』と同おなじテーマだろうが、こちらと比較ひかくすると『モダンタイムス』が如何いかに優雅ゆうがでコメディセンスが溢あふれているのかと、感嘆かんたんしてしまう。ラング監督かんとくがユダヤ人じんと知しると、アウシュヴィッツも思おもい起おこされ、ぞっとしてくる。この映画えいがが製作せいさくされたのは、あの凶行きょうこうの前まえなのだが。
　上流じょうりゅう階級かいきゅうの子弟していが遊あそぶ”永遠えいえんの園えん”。女性じょせい達たちの衣装いしょうの斬新ざんしんなこと。アール・ヌーヴォー？美うつくしい人形にんぎょう。ミュシャやエゴンシーレの絵えに出でてきそうな…。そこに突然とつぜん現あらわれるマリア。衣装いしょうは、今いまのファストファッションにありそうな物ものなのだが、マリアの可憐かれんさ・美うつくしさが際立きわだつ演出えんしゅつ。支配しはい者しゃの一人ひとり息子むすこフレーダーが一目いちもくぼれするのもかくや。
　果はたして、思春期ししゅんき真まっ盛さかりフレーダーは、マリアを求もとめて、地下ちかへ。地下ちか工場こうじょうの意匠いしょうがこれまた素晴すばらしい。舞台劇ぶたいげきかオペラの舞台ぶたい？。同おなじ動うごきをする労働ろうどう者しゃも群舞ぐんぶかと言いいたくなるような動うごき。事故じこが起おこれば、古代こだい神しんへの生贄いけにえとオーバーラップさせ…。心しんが震ふるえる…。
　フレーダーと11811号ごうが入いれ替かわった作業さぎょうも意匠いしょうとしては美うつくしいが、鑑賞かんしょうしている私わたしからは意味いみのない作業さぎょうなので、”労働ろうどう”の比喩ひゆがすごいなと。
　ヨザファートのクビ切ぎりは、無茶苦茶むちゃくちゃ。そこも、わずかなテロップだけで、映像えいぞうだけで見みせる。
　影かげなき男おとこは、フランケンシュタインか吸血鬼きゅうけつきかというような怪物かいぶつ感かんを醸かもし出だしてくれ、不気味ぶきみさを味あじわいマシマシ。
　マッドサイエンティスト・ロートヴァングのいかにもの風貌ふうぼう・ふるまいも演劇えんげきがかって興きょうを添そえてくれ、これから話はなしがどこに行いくんだという興味きょうみを誘さそってくれる。
　と、映像えいぞうと音楽おんがくに惹ひきつけられるが、前半ぜんはんは多少たしょう、退屈たいくつになる。
　一人ひとり息子むすこフレーダーが私わたしの好このみではないことが大おおきい。その行動こうどうを見みれば、本来ほんらいは10代の役やくなのだろうが、それを20代だいの若者わかものが演えんじているし、かつ、大仰おおぎょうで暑苦あつくるしい演技えんぎをするので、ちょっと引ひいてしまっていた。初はじめはその衣装いしょうのイメージも重かさなって、クラッシックバレエダンサーが、クラッシックバレエの舞台ぶたいでする演技えんぎをしているのかと思おもったくらい。DVDの解説かいせつ映像えいぞうを見みると、かなり監督かんとくが演技えんぎ指導しどうをしていて、演者えんじゃのせいではなく、監督かんとくの趣味しゅみだったらしい。
　ロートヴァングが地下ちかでマリアを捕つかまえるところは、手塚てづか先生せんせいか楳図うめずかずお先生せんせいか？と煽あおってくれる。光ひかりと闇やみの効果こうかが見事みごと。足踏あしぶみ外はずすんじゃないかとそちらもドキドキ。

　　　　　「前奏ぜんそうの終おわり、間奏かんそう」

だが、偽にせマリアが誕生たんじょうするあたりから、がぜん面白おもしろくなる。
　ロートヴァングの家いえで助たすけを求もとめるマリアを救すくおうとするフレーダー。ドアを叩たたく、たくさんあるドアが勝手かってに閉しまったり開ひらいたりして翻弄ほんろうされる。ドア。フレーダーのアップ。閉しまったドアにしがみつきながら座すわり込こんでしまうフレーダー。手塚てづか治虫おさむ先生せんせいのコマ割わりを見みているようだった。手塚てづか先生せんせいの常連じょうれんキャラ・優等生ゆうとうせい・ケンいち君くんがそこにいる！倒たおれた背中せなかの角度かくど・足あしの投なげだし方かたまでケンいち！このあたりから、私わたしにはフレーダー＝ケンいちにしか見みえなくなってくる。
　そして、マリアの姿すがたをロボットに与あたえる有名ゆうめいなシーン。科学かがく的てきにはなんの根拠こんきょもない意匠いしょうなのだろうけれど、これほど、わくわくさせる”それらしい”絵えがあろうか？
　影かげなき男おとこの予言よげん（フレーダーの悪夢あくむ）も趣おもむき満点まんてん。
　偽にせマリアが”ヨシワラ”で踊おどるシーン。それを見みる観客かんきゃく。偽にせマリアの登場とうじょうに惹ひきつけられる横顔よこがお・横顔よこがお。そして目めだけのコラージュ。男おとこたちの、誇張こちょうされた奇妙きみょうな下卑げびた表情ひょうじょうのコラージュ。偽にせマリアの顔かおや踊おどりと交互こうごに映うつる。手塚てづか先生せんせいの作品さくひんにもよく出でてくるコマ！（”ヨシワラ”って、浮世絵うきよえ・ジャポニズムの影響えいきょう？）
　ゴシック教会きょうかいの七ななつの大罪だいざい像ぞうも、動うごきは素朴そぼくなのだけれど、それを補おぎなって余あまりある意匠いしょう。破滅はめつが来くるイメージが沸にえ々と。
　その一方いっぽうで、フレーダーの父ちちである支配しはい者しゃフレーダーセンの片腕かたうでだったヨザファートと影かげなき男おとことの攻防こうぼう。保身ほしんのために裏切うらぎるかと思おもったら、見みせてくれる侠気おとこぎ。
　ああ、興奮こうふんが止とまらない。

　　　　　「間奏かんそうの終おわり」

　そして、偽にせマリアに扇動せんどうされた地下ちかの民みん達たちの暴動ぼうどう。彼かれらの狂気きょうき・興奮こうふん。
　水みずが溢あふれてくる中なかでの子こどもたちの逃走とうそう。警報けいほうを鳴ならす台だいに集あつまる子こども達たち。その行動こうどうが何なににつながるのかわからないが、必死ひっしに食くい止とめようとしているのがわかるマリアの行動こうどう。それに縋すがるように伸のびてくる手て・手て・手て。なんという美いしくも緊迫きんぱくした映像えいぞう！は・や・く・助たすけてあげて！！！
　間あいだに合あうフレーダー＝ケンいちとヨザファート。地下ちかと地上ちじょうを知しるヨザファートにより活路かつろを見みいだせたかと思おもえば、立たちふさがる格子こうし。一難いちなん去さってまた一難いちなん。

　そして、自分じぶんたちの凶行きょうこうを誰だれかのせいにしたい人々ひとびと。マリアが！とハラハラさせ…。ここの地下ちかの民みんを束たばねる役目やくめだった方ほうも役柄やくがらにふさわしい演劇えんげき仕込しこみの演技えんぎを見みせてくれる。そして、名なもなき群衆ぐんしゅうの一人ひとり一いち人にんの表情ひょうじょう。ここでも、ある方ほうに光ひかりをあて、他たは闇やみに沈しずみ。別べつの方ほうに光ひかりが当あたり…と、緊迫きんぱく感かんがすごい。
　「息子むすこはどこだ？」「明日あしたになれば、たくさんの人々ひとびとが同おなじことを言いいますよ」と応おうじる影かげなき男おとこ。己おのれのことしか考かんがえない父ちちでも、息子むすこは心配しんぱい。そんな父ちちの意いを介かいさず、己おのれの正義せいぎで突つき進すすむフレーダー＝ケンいち。10代ならでは。
　偽にせマリアの正体しょうたい。息いきをのむ人々ひとびと。
　そこからの、マリアとロートヴァング、フレーダー＝ケンいちの、ゴシック教会きょうかい尖塔せんとう・屋根やねでの追おいかけっこ。
　息いきをもつかせぬ展開てんかい。
　そしてラスト。ちょっと、テーマ≒教訓きょうくんに強引ごういんに結むすび付つけている感かんはなきにしもあらずだが。けれど、フレーダー＝ケンいちになっている私的してきには、これでいいんだ・満足まんぞく。思春期ししゅんきの寓話ぐうわだから。

DVDについていた解説かいせつによると、短縮たんしゅく版ばんはフレーダーとマリアの関係かんけいを中心ちゅうしんに編集へんしゅうしたとか。
　だが、映画えいがのクレジットでは支配しはい者しゃフレーダーセンを演えんじたアーベル氏しがトップ。フレーダーを演えんじたフレーリヒ氏しは父ちちが映画えいが監督かんとくとはいえ、この映画えいがの頃ころはまだ無名むめいに近ちかかったそうなので、格かく上じょう・アーベル氏しのクレジットが先さきなのだろうか。でも、映画えいがの主題しゅだい自体じたいも、フレーダーセンの改心かいしんみたいなものも含ふくまれているのかもしれないと思おもう。
　ラストは、監督かんとくと、当時とうじの妻つまである脚本きゃくほん家か・ハルボウさんの意見いけんが分わかれたらしい。ユダヤ人じんである監督かんとく。のちにナチス信奉しんぽう者しゃとなるハルボウさん。そして、この映画えいがの後のち、独立どくりつしてしまう監督かんとく。映画えいがが監督かんとくのものだけでないのは、今いまと同おなじか？

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マリア・偽にせマリアを演えんじたヘルムさんがすごい。
　DVDについていた解説かいせつによると、映画えいがどころか、学校がっこうの演劇えんげきで演えんじたことがあるくらいで、演技えんぎ初はつだそうだ。かなり、監督かんとくの演技えんぎ指導しどうが入はいったとか。陰かげで「サド・ランゲ」と呼よばれていたらしいから、ヘルムさんだけにではないのだろうが。ロートヴァングに、頭あたまを下したにして肩かたに担かつがれるシーンは12回かいも撮とり直なおして、頭あたまに血ちが上のぼり、失神しっしんした話はなしとかも書かいてあった。あの、金属きんぞくのロボットの中なかにも入いれられたとか。火刑かけいのシーンも消防車しょうぼうしゃとかを配置はいちして、実際じっさいに偽にせマリアが縛しばられている台だいに火ひが放はなたれたとか。労働ろうどうコンプライアンスとかもなかった時代じだいならでは逸話いつわがたくさん書かいてあった。映画えいが公開こうかい時じヘルムさん20歳さいだから、撮影さつえい時じはティーンエイジャー。「ラング監督かんとくとは二度にどと一緒いっしょにやりたくない」とおっしゃったとも書かいてあったが、そりゃそうだ。
　とはいえ、幾いくら監督かんとくの指導しどうが入はいったとして、この演技えんぎの見事みごとさは、演えんじられたヘルムさんの才能さいのうありきであろう。清楚せいそなマリアの物静ものしずかさ、それでいて真しんの強つよさ。偽にせマリアの時ときの躍動やくどう感かん、それでいてぎこちない動うごき。ギリシャ彫刻ちょうこくのような美貌びぼうと体形たいけい。
　この偽にせマリアの役やくが当あたり、会社かいしゃからこの役やくに似にた役やくしかやらせてもらえず、など、他たのことも兼かね合あわせて、早はやめに引退いんたいと書かいてあった。勿体もったいない。

監督かんとくはかなりテイクが多おおかったそうだ。
　このように修復しゅうふくしたという解説かいせつの、DVDの特典とくてん映像えいぞうによると、同おなじ場面ばめんでも、国くにによって違ちがう画がが入はいっている物ものがあると実際じっさいに見みせてくれる。ヨザファートがクビをい渡いわたされるときの、ヨザファートの反応はんのうが微妙びみょうに違ちがうのだ。

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意匠いしょうも見事みごと。
　ミニチュアを鏡かがみを使つかって大おおきく見みせる、合成ごうせいする等ひとし、いろいろな工夫くふうがされているとのこと。

　都市としの風景ふうけいなど、『ブレードランナー』等とうへの影響えいきょうをDVDで語かたっていた。
　だが、ここでも私わたしは手塚てづか先生せんせいのコマを見みてしまう。『火ひの鳥とり』などに出でてくる未来みらい都市としとそっくり。ミニチュアを一いちコマずつ動うごかして撮とったそうだ。

　監督かんとくのお父様とうさまが建築けんちく士しで、監督かんとくご自身じしんも若わかい頃ころは風刺ふうし画がや絵葉書えはがきの絵えを描えがいて生活せいかつ費ひを稼かせいでいらしたことが影響えいきょうしているのか。

そして、ちょうどこの頃ころ流行はやっていたアールヌーボーやアールデコのデザインを私わたしが好すきと言いうのも、惹ひかれる要素ようそなのだろう。

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音楽おんがくも、オペラのように、壮大そうだいな物語ものがたりを彩いろどってくれる。
　（『メトロポリス（1984年ねん再さい公開こうかい版ばん）』未見みけん。冒頭ぼうとう3分ふんのみYouTubeで鑑賞かんしょう。歌うたが語かたりすぎで余韻よいんなく、私わたしは1926年版ねんばんが好すき）

復元ふくげんには、音楽おんがくのスコアも手掛てがかりとしたらしい。
　手てに入いれたスコアやシナリオ、当時とうじのインタビュー記事きじや特集とくしゅうと合あわせると、映画えいがにはない映像えいぞうがある。
　イギリスのプレミアの時ときに配くばられたパンフレットと、ドイツで配くばられたパンフレットに載のっている映像えいぞうが違ちがう！映画えいがにない！
　各国かっこくや、各地かくちに保存ほぞんされたフィルムを比較ひかくすると、こちらのこのシーンではヨザファートの動うごきが違ちがう。あちらにはこの映像えいぞうがありこの映像えいぞうがない、こちらにはこの映像えいぞうがあり、この映像えいぞうがない。
　たくさんの方ほうの研究けんきゅうの成果せいか。まるでトレジャーハンター。DVDの特典とくてん映像えいぞうをみて、彼かれらの仕事しごとに感激かんげきし、わくわくしてしまう。
　しかも、この時代じだいのフィルムは可燃かねん。『ニュー・シネマ・パラダイス』を思おもい出だして、保存ほぞんされていた奇跡きせきにも感謝かんしゃしてしまう。
　そして修復しゅうふく。悲かなしいかな、現代げんだいの技術ぎじゅつでは、これ以上いじょうやるとフィルムがダメになってしまうということで、雨あめが降ふったままのシーンもあるが、そのシーンごと鑑賞かんしょうしての楽たのしみ、そのシーンを省はぶいたときの楽たのしみという見方みかたもできて二に度どおいしい。
　雨あめが降ふっているシーンを除のぞいても、粗筋あらすじ自体じたいは変かわらないが、やはりあった方ほうが繊細せんさい。監督かんとくの美意識びいしきに酔よってしまう。

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SFであり、社会しゃかい派はの映画えいがであり、冒険ぼうけん譚たんであり、ボーイミーツガールであり。親おやと子この物語ものがたりであり。こんなに古ふるい映画えいがなのに、こんなに満足まんぞくさせてくれるなんて。

「頂点ちょうてん」と言いわれるにふさわしい映画えいが。
震ふるえる。

劇場げきじょうで観みられてよかった。
物凄ものすごい瞬間しゅんかんに立たち会あっている気きになった

デビルなマリアもとても魅力みりょく的てきで。

今いまからおよそ100年ねん前まえのドイツ映画えいが。
多おおくのアーティストに影響えいきょうを与あたえた
古ふるさを感かんじさせない偉大いだいな映画えいが。

支配しはい。高層こうそうビルや高速こうそく道路どうろの並ならぶ都市とし。
奴隷どれい。地下ちかでは労働ろうどう者しゃが働はたらいている。
地上ちじょうの楽園らくえん、地下ちかの地獄じごく。
天使てんしか。現あらわれたマリアという女性じょせい。
もうひとつのマリアに混乱こんらんする世界せかい。
彼かれらの求もとめるものは愛あいか、協力きょうりょくか崩壊ほうかいか、、、。

今いままで多おおくのアーティストに影響えいきょうを与あたえてきた映画えいが。
想像そうぞうによる高たかい芸術げいじゅつ性せい。映像えいぞうは必見ひっけん。

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