女おんな豹ひょう

解説かいせつ

マザーコンプレックスの画家がかとその妹いもうとへの肉欲にくよくをめぐって起おこる連続れんぞく殺人さつじんを描えがくミステリー。脚本きゃくほんは「俗物ぞくぶつ図鑑ずかん」の内藤ないとう誠まことと後藤ごとう大輔だいすけの共同きょうどう執筆しっぴつ。監督かんとくは「制服せいふく百ひゃく合ごう族ぞく　悪わるい遊あそび」の小原おはら宏ひろし裕ひろし、撮影さつえいは「オフィス・ラブ　真昼まひるの禁猟きんりょう区く」の杉本すぎもと一いち海うみがそれぞれ担当たんとう。

1985年ねん製作せいさく／72分ふん／日本にっぽん
配給はいきゅう：にっかつ
劇場げきじょう公開こうかい日び：1985年ねん12月27日にち

ストーリー

入にゅう鹿しか夕子ゆうこは長ながい海外かいがい生活せいかつから数すう年ねんぶりに日本にっぽんに帰かえって来きた。郊外こうがいにあるオーロラ・コーポには入にゅう鹿しか一族いちぞくが住すんでおり、その夜よるから彼女かのじょはそこで暮くらすことになる。入にゅう鹿しか一族いちぞくはかつて、ある村むらに住すんでいたが、そこがダムになり湖底こていに沈しずむことになったのだ。夕子ゆうこが邸やしきに入はいっていくと、パーティの最中さいちゅうで、晶子あきこという18歳さいの娘むすめが男おとこたちに輪姦りんかんされていた。中心ちゅうしんになっているのは夕子ゆうこの兄あにで画家がかの卓也たくやだ。翌朝よくあさ、卓也たくやと妻つまの貴子たかこは息いきのない晶子あきこを車くるまで運はこび、山奥やまおくに捨すてると、二人ふたりは激はげしく貪むさぼり合あうのだった。夕子ゆうこが鉄格子てつごうしの部屋へやを見みつけると、そこに高級こうきゅうブティック、アリスの服ふくがあった。夕子ゆうこはアリスを訪たずねると、オーナーの三田みたは、ある画家がかが若わかい娘むすめに服ふくを着きせてパーティをやるのが好すきだとの話はなしを聞きく。三田みたは夕子ゆうこにもその画家がかを紹介しょうかいするといい、ホテルのバーで待まち合あわせた。飲のみ物ものに薬くすりが入はいっていたのか、夕子ゆうこの意識いしきが薄うすらいでいく。卓也たくやは夕子ゆうこを認みとめると、三田みたに好このみではないと去さっていく。夕子ゆうこが意識いしきを戻もどすと、かつて恋人こいびとでルポライターの伊吹いぶきがいた。彼かれは、アリスで服ふくを買かってもらって失踪しっそうする若わかい女おんなの事件じけんを追おっていた。数日すうじつ後ご、賞しょうを受うけた卓也たくやのパーティが行おこなわれ、峰子みねこという娘むすめが消きえた。夕子ゆうこは何なにとか兄あにを説得せっとくしようと決意けついする。兄あにの部屋へやに入はいっていくと、そこは夕子ゆうこの絵えばかりがあった。貴子たかこによると、卓也たくやはどんなモデルを使つかっても夕子ゆうこになってしまうという。夕子ゆうこは兄あにに自分じぶんを描えがいてもらうと、激はげしく体からだを重かさねた。貴子たかこは卓也たくやと自分じぶんに注射ちゅうしゃを打うつと、やがて二に人にんは息いきを引ひき取とった。遠とおくからオーロラ・コーポに向むかうパトカーのサイレンが聞きこえてきた……。