プレーンズ

もともと『カーズ』の世界せかい観かんに強つよい拒否きょひ反応はんのうがあり、そのキャラクター達たちがどうしても好すきになれないという好このみの問題もんだいが。

当然とうぜん、スピンオフの本ほん作さくもなかなか見みようという気きになれず、ほっておいたのですが、見みてみるとまぁ楽たのしめるレベルではあるかなぁ…みたいな。

煮にえ切きらない感想かんそうですが、お話はなしはしっかりしています。
あの隠居いんきょした老ろう戦闘せんとう機きの秘密ひみつが明あかされるまでは、そう思おもっていました。

「うそ」って…。あんまりじゃないかな。

せめて、そうせざるを得えない事情じじょうがあったことにしておかないと、格好かっこうがつかないでしょう。

さらに、この世界せかいにおける退役たいえき＝死しの定義ていぎをはっきりと描写びょうしゃしておかないと、彼かれらが何なにを恐おそれて、何なにを誉ほまれとするのかがあいまいなままです。

そこがはっきりしないまま、物語ものがたりが進行しんこうするので、「何なんでもあり」の世界せかい観かんになってしまっています。

たとえばダスティは高所こうしょ恐怖症きょうふしょうをハンデとして負おっていますが、なぜ高たかいところが怖こわいかというと「落おちたら死しぬ」という本能ほんのう的てきな恐怖きょうふがあるからでしょう。

では、落おちた航空機こうくうきがどんな運命うんめいをたどるのかが、描えがかれてしかるべきです。

終盤しゅうばん、ダスティは墜落ついらくしますが、それは話はなしの流ながれであって、「死しの定義ていぎ」とは意味いみが違ちがいます。いわば演出えんしゅつ上じょうの振ふり子この振ふり幅はばに過すぎません。

その決定的けっていてきな部分ぶぶんが抜ぬけ落おちているために、ラストの爽快そうかい感かんもいまひとつの印象いんしょうが強つよいのです。ちょっと残念ざんねん。

カーズの世界せかいの飛行機ひこうき版ばん。世界せかいを夢見ゆめみる農薬のうやく散布さんぷ機きダスティが世界せかい一周いっしゅうレースに参加さんかする。
大人おとなよりも子供こども向むけ。でも飛行ひこうシーンは空そらでの爽快そうかい感かんとわくわく感かんがたまらなく、観みていて楽たのしかったです。

今いま作さくプレーンズはディズニー制作せいさく
制作せいさくスタジオが異ことなります
万まん人受ひとうけを狙ねらったのかカーズほどの盛もり上あがりを感かんじることができなかった
納得なっとくしない理由りゆうで物事ものごとがうまくいき過すぎる印象いんしょうがありました

ただ主人公しゅじんこうダスティの行動こうどうにより周まわりの評価ひょうかが変かわっていき、困こまったときに助たすけてくれるシーンは感動かんどうした

日本語にほんご吹ふき替かえ版ばんはダスティの声優せいゆうが瑛あきら太ふとし
違和感いわかん皆みな無む上手じょうずで初はじめ気きづきませんでした

『カーズ』のスピンオフ…と言いうより、ユニバース的てきな同おなじ世界せかい観かんの別べつの話はなし。
あちらはピクサーだが、こちらはディズニーで製作せいさく。
正確せいかくには“ディズニー・クラシック・アニメーション”の部類ぶるいではないが、一応いちおうディズニー作品さくひんではありながら、劇場げきじょうどころか新作しんさくレンタルでも見みてなかった。

飛行機ひこうきレースに憧あこがれる農薬のうやく散布さんぷ機きのダスティ。
予選よせんに出場しゅつじょうしたところ、運うんも味方みかたしてまさかの入賞にゅうしょう。世界せかい一周いっしゅうの飛行機ひこうきレースに参加さんかする事ことに…！

挑戦ちょうせん。冒険ぼうけん。
アドバイスしてくれる事ことになった老ろう戦闘せんとう機き。若輩じゃくはい者しゃは年長ねんちょう者しゃの教おしえを乞こう。
応援おうえん、支ささえてくれる仲間なかまの存在そんざい。
皆みなと違ちがうからと嘲笑ちょうしょうや嫌いやがらせの対象たいしょう。
さらにダスティにはあるコンプレックスが。それは、飛行機ひこうきでありながら…。
苦難くなんや自分じぶんの弱点じゃくてんをどう乗のり越こえるか。
諦あきらめない心しん。勇気ゆうき。
夢ゆめに向むかってーーー。
愉快ゆかいなキャラに笑わらい、スリル、感動かんどう…。
ディズニー作品さくひんお馴染なじみの言葉ことばが並ならぶ王道おうどうストーリー。

そう、お馴染なじみ過すぎるのだ。
ほとんど『カーズ』の焼やき直なおしで、話はなしの展開てんかいも設定せっていも何なにもかも、こういう作品さくひん、百ひゃく回かいは見みた事ことある気きがする。例たとえば、『ベイブ』とか。
まあ確たしかにレース・シーンはなかなか迫力はくりょくあり、分わかり安やすく見易みやすく、気軽きがるには楽たのしめる。
でも、同おなじレースを何なん回かいも繰くり返かえしたような、新鮮しんせんな爽快そうかい感かんは無なかった。
元々もともとビデオ作品さくひん予定よていだった事ことも頷うなづけるほど、色々いろいろと軽かるい。